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茶ツキ
2025-03-15 12:48:28
6640文字
Public
レド右
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オメガの俺が生き残るためには1
総受け"風"なので…CP無し…とは言いにくいだけで。オメガバパロにしたかったはずが何故こうなった。
「今回の授業は、オメガバースサバイバルバトルをやっていく!」
ドドン、と効果音を決めながら、すまない先生は本日の授業内容を掲げた。
集められた場所は自然豊かな広いフィールド。サバイバルバトルと聞く限り恐らくここで何かを争うのだろうとまでは予想がつくのだが。
「よっしゃあ負けねーぜ! ところで先生! オメガバースって
……
何すか??」
意気揚々と返事をしたはいいが、やはりこのワードに躓くミスター赤ちゃん。
しかし今回に限っては彼の知能が低いことが原因ではないようで、他の生徒達もうんうんと同調するように頷いている。
「そうだね、ちゃんと説明しておこうか。オメガバースとは
……
」
授業内容説明の前に、すまない先生による解説が始まった。
オメガバースとは、人間が男・女とは別にもう一つ、β(ベータ)、α(アルファ)、そしてΩ(オメガ)のいずれかの第二性を持つ仮想世界のことだ。
ベータ。簡単に言えば普通の人間と大差がない、最も多く基本的な性。
アルファ。優れた能力や立場を持ったエリートに多い希少な性。
オメガ。アルファとは逆に能力や立場が低い者に稀に存在する、さらに希少な性。男女問わず妊娠と出産をすることが可能。
ここでの主軸は、アルファとオメガの関係性だ。アルファはヒート中のオメガの放つフェロモンに抗うことが出来ず、理性を失ってオメガを襲おうとする。ここが番って産まれた子供はより優秀になると言われている。
「この説明だとオメガに良いことがないようだけど、好きな人同士で番うことで幸せになるカップルの話も存在するぞ」
「ハァー!! 完全に理解したぞ。もしその世界が実在するなら、エリートなこの俺は確実にアルファだということガハア
……
ッ!!!」
いつものように自信満々に語り始めたミスターマネー。すまないの説明を聞いてオメガバースの基礎知識を身に付けたことが分かる発言ではあった。マネーは身に着けている眼鏡の呪い故に人類最弱の体になってはいるものの、世界一の財力を誇るだけのその商才はアルファ性を持っていてもおかしくはない。
しかしそんな彼へバズーカを放ち物理的に黙らせた人物
……
もとい、バナナがいた。
ミスターバナナ。基本的には冷静な男なのだが、先のようにマネーがうるさくなり始めると容赦がない。
「授業の妨げはやめてもらおう」
確かにマネーは大声ながらも時間をたっぷり使った口調で話すので、内容に関係ない話はただただ時間が押してしまう。他のメンバーも彼の行動を咎めずスルーする辺り、気持ちは同じなのかもしれない。
「あー
……
えっと、先生。オメガバースの設定については大体分かったんですけど、なんでそれとサバイバルバトルを合わせちゃったんですか?」
「勿論、授業内容に困っていたからさ!」
「そ、そうですか」
ミスター銀さんからの質問に明るく返すすまないだったが、日々新しい授業を考える教師の苦悩が見え隠れしたものだった。
「よし、それじゃルールを説明しよう!」
ここで、ゲームの説明が始まる。
・メンバーは全員、アルファかオメガ、いずれの第二性カードを持つ。
・どのカードを持っているかは、周りに言うも言わないも自由。嘘をついてもいい。
・エリア内にはゲームに役立つアイテムの入ったキャストが複数存在する。青色の箱はアルファ専用、赤色はオメガ専用、通常色はどちらが開けても構わない。
・アルファのカードを持った者は、オメガのカードを持った者からカードを奪い取ることが出来た時点で勝利。真っ向勝負、トラップ、不意討ち、どんな方法を使ってもいいが、倒してしまった相手からは奪えない。
・また、アルファは他のアルファへの妨害行為も可能。アルファのカードを盗んでも勝利にはならないが、一時的に行動を制限させることが出来る。
・オメガはアルファにカードを渡さないよう、制限時間いっぱい徹底的に逃げること。隠れていてもいい。アルファのカードを奪うことは禁止。
・オメガには「ヒートタイム」という、自分がオメガであると周りにバレる時間がある。また、近くにいるアルファには居場所を感知されてしまう。ヒートタイムは数分で自然と収まるが、「ヒート抑制カード」を入手して使用すればその時点で止めることが出来る。
「とまあ、こんなところかな」
「オメガの勝利条件は、制限時間を逃げ切ることだけですか?」
「おっと言い忘れていたね! ありがとう、ミスターブラック。いいや、即勝利する条件もあるぞ。このエリアのどこかに、番(ツガイ)カードが存在する。それを持ったオメガは、アルファのカードを奪う行為が解禁される。アルファカードを手に入れることが出来たら、オメガの完全勝利だ」
「しかし、それはアルファもオメガのカードを奪うチャンスになりますよね」
「そうだね。つまりアルファ側からしてもその接近戦を断る理由なんてないのさ。それから、互いを信じ合えるならカードを渡し合ってもいい。その場合は両者共に勝利としよう」
ミスターブラックの質問によりオメガ側の勝利条件も追加されたが、それでも全員、オメガが基本的に劣勢なことを何となく心に抱く。逆転勝利出来る可能性はあるものの、アルファを鬼として考えた鬼ごっこに近いゲームと思った方が良さそうだ。
だが、単にそれなら似たようなルールでそれこそ鬼ごっこでもすれば良かっただろう。きっと何か、オメガバース設定だからこその隠しルールが存在するはず。
「では、カードを配る。特殊な加工によって今は何のカードか分からないようになっているけど、数分後には浮かび上がるよ。そこからがゲーム開始ね」
すまないは生徒たち一人一枚ずつカードを渡していったが、一通り配り終えたところでふと、七枚あるはずのカードが一枚余ったことに気が付いた。キョロキョロと辺りを見渡してみると、少し離れたところで赤髪の少年が一人、横になって眠っているではないか。
これは見過ごしてはおけない。すまないは残ったカードを指の間に挟むと、サボっている生徒へそれを手裏剣のごとく放った。カードはおおよそただの紙とは思えない威力を持って彼をぶっ飛ばした。
「ぐあっ!!?」
「ミスターレッド君。堂々とサボるのは先生感心しないぞ」
ミスターレッド。運動神経だけならクラスで一番秀でているも、そのサボリ癖とお調子者な性格のせいで度々持ち腐れることもある。
今回もまた、自分の知らない知識の説明を聞いている内に面倒くさくなり、授業中にも野外にも関わらず居眠りをしていた。
「
……
ルール説明ならちゃんと聞いてましたよ。別に横になって聞いてちゃいけない理由なんてないでしょ」
当たったところを痛そうに押さえながら、落ちていたカードを拾い上げるレッド。
そして屁理屈を捏ねるも「授業態度ってものがあるだろう」とすまないから叱られる彼に、弟のミスターブルーは情けなさそうに溜息を一つ。頭を使うことが苦手な兄が、オメガバースの説明から怠そうにし始めたのを見ていたのだ。
サバイバルゲームのルール説明中には聞き耳を立てている様子だったのでこれからどう動くかは最低分かっているのだろうが、何かあれば後で弟にでも聞けばいいと思っているのだろう。
「言っておくけど、これはチーム協力ゲームじゃなくて、条件を満たせば即勝ち抜けの完全個人戦だからね。ちゃんと話を聞いていないと、後からでは誰にも確認とれないよ」
「大丈夫ですって。簡単に言や、アルファとオメガの鬼ごっこでしょ」
「
……
さーて、そんな認識だけで大丈夫かな」
すまないはどこか悪そうな笑顔でレッドを見つめた後、くるりと踵を返して他の生徒達へと向かい直した。
「さて、それでは自分の第二性が分かるまで
……
解散!」
「「「はいっ」」」
すまないの号令で、生徒達はこの場を離れ駆けていった。
解散とはこの場合、七人全員が七ヶ所バラバラに配置することを伝える旨だったが、その中でレッドは面倒くさそうに立ち上がると、弟のブルーの傍を走っていく様子が見られた。
あーあ、大丈夫かねえ。そのように思いながら、すまないはタイムウォッチのスイッチを押した。
オメガの俺が生き残るためには
「おい兄貴、どこまで付いてくるんだよ」
いつまでも自分の後ろをだらだらと歩いている兄を、ミスターブルーは流石に牽制した。
今回のゲームは個人戦なのだ、普段のように兄弟で協力とは行かない。確かに個人戦でも初動を共にしていたことは何度もあるが、今回はお互いのライフがカード一枚なこともあるので慎重に動くに越したことはない。仮にアルファ同士でも妨害行為が可能な以上は仲間と思わない方がいいはずなのだ。
「おい弟、アルファとオメガの比率はどうなっていると思う」
「はあ?」
しかしミスターレッドは、ブルーの質問を無視して逆に自分がそのように問いかけた。
まるで自分の話を聞こうとしないマイペースな兄に、ブルーは眉をひそめる。
「カードは一人一枚だから全部で七枚だろ。だったらどちらかが一枚多くなると思うんだが」
「
……
多分、アルファの方が多いと思う。先生、オメガはアルファよりさらに希少な性って言ってたし」
「なるほどな」
「つーか兄貴、マジでオメガバースの方の説明聞いてなかったんだな」
ブルーがやれやれと肩を竦めていると、ふと手に持っていたカードが二人同時に光り始めた。すまない先生の言っていた、第二性発現の時間になったということだ。
少しばかり結果に緊張し、ブルーはごくりと唾を飲む。対してレッドはぼんやりとした目で、自分のそれを見つめていた。
すう、と光が落ち着いていくと、ブルーのカードには「α」の文字が浮かんだ。取り合えず狙われる側ではなくなった安心感で、ホッと胸をなでおろす。どちらかと言えば逃げる隠れるの方が得意ではあったが、兄と違いその緊張感はあまり好まない。それにいくら擬態や秘密基地で上手く隠れても、オメガにはヒートタイムという弱点もあったので。
「兄貴はどうだった?」
「アルファだな」
「そっか。じゃあ一緒
……
あ、でも、嘘って可能性もあるのか。 一応カード見せてくれよ兄貴」
「ほらよ」
躊躇いなく見せ付けてきたレッドに、要らない疑いだったかと思いながら一応目を通す。彼の持つカードには「Ω」の文字が浮かんでいた。
あれ見間違いかな、と目を擦ってからもう一度確認してみたが、やはり「Ω」だ。
「兄貴
……
それ、オメガじゃん」
「あ? これAの小文字じゃねーのか? アルファの頭文字ってAだろ?」
「確かにちょっと似てるかもしれねーけど、これはこっち向きで見るんだぜ」
ブルーは自分の持つカードを縦向きに持って提示する。
実はレッドはカードを横向きに持っていて、「Ω」の文字が横倒しになっていたことで「α」に似た形になっていたのだ。そうじゃなくてもよく見れば字が違うことは分かるのだが、オメガバースの説明中にすまないが地面に書いてくれたのを見たブルーと違い、寝ていたレッドは「Ω」の文字を知らなかったのだ。
レッドはブルーに教えられた通りカードを縦向きにすると、暫く眺めてから少しずつ汗を流し始めた。
「じゃ、ここで解散だな」
そう言ってそそくさとこの場を去ろうとしたレッド。しかし、そんなことがまかり通るはずがない。
「ちょっと待ったあ!!」
「っ!?」
直後、軽やかな身のこなしで飛び掛かってきたブルーの手をレッドは横跳びをして咄嗟に躱した。少しカードに指が触れかけたが、何とか奪い取られることを回避する。
「そいつはねーだろ、兄貴? 俺がアルファで兄貴がオメガ、そう分かったならこっちがやることは一つなんだぜ。
……
まあ兄貴のことだから、俺らのカードが今と逆だったら、このタイミングでさっさと奪って勝ち抜けするつもりだったんだろうけどさ」
「ちっ
……
」
弟には悪だくみもお見通しだ。それもその作戦が崩壊したばかりか逆に自分はピンチに陥っている。
ただ正直なところ、この状況なら状況で、アルファにさっさとカードを奪わせて負け抜けしてもいいと当初は思っていた。ルールが少しややこしい上に、協力も出来ない。そして勝者に賞品があるといった餌もなく、逆に敗者には爆弾を受けるなどの罰ゲームが生じるなんて説明も無かったからだ。
しかし、ここでもう一つ誤算があった。
(さっきのは一体、何だ
……
? よく分からねーがこのカードに触れられそうになった時、物凄く嫌な感じがした
……
)
カードをブルーに狙われた瞬間、とんでもない恐怖心がこの身に襲い掛かってきたのだ。かつて受けたことのある呪い魔法の、条件を満たせば死ぬことが何となく分かっていた時のような、そんな感覚。このカードを奪われた瞬間、恐らく死に近い何らかの状態に自分が陥ることを察知した。
(お、そろそろゲーム開始だなー)
一方、生徒たちが解散した場所に残っていたすまない先生は、空腹のあまり持参していた巨大おにぎりをモグモグと口にして授業中にも関わらずプチピクニックをしていた。
そしてタイムウォッチがカードの第二性表示時間を示したことを確認すると、なんとなくレッドのことを思い出す。
(オメガがアルファに無理やり奪われるもの
……
それってつまりアレだよね。ま、ちょっと説明するには悩ましいものだったから省いちゃったけど
……
彼みたいな生徒には丁度いい効果だろう)
第二性カードはスーパーご都合アイテム故、いくつもの特殊効果が付与されている。
オメガカードは、オメガバース世界で言うところのオメガの「操」であり、それをアルファから奪われる行為は性的暴行を受けることに値する。よって、オメガカードの所持者は他人からそのカードに触れられることに恐怖を感じるよう仕組まれているのだ。サボリ目的でおいそれと渡せるような代物ではない。
カードは七枚、生徒達へランダムに与えていたが、たまたま一枚残ったカードがオメガだったことにすまないは気付いていた。それを最後にレッドに投げ渡すことになったので、これからオメガとして大変な目に遭うはずの彼に対しなかなか悪戯心が疼いたものだ。よく少しニヤニヤしただけで我慢できたなあ、と微妙なところを自賛するのだった。
彼は恐らく物臭による目的でブルーの後を付いていったように見えたので、もうこのゲームの本質に気付いた頃だろう。
そうとは知らないレッド。流れ落ちる嫌な汗を袖で拭い、こちらの隙をじりじりと伺う実の弟からなんとか目を逸らさずに対峙する。
「意外と真面目に逃げるんだな、兄貴。てっきり面倒くさがって俺にさっさと奪わせると思ってたけど」
「ああ
……
。ま、弟に奪われるようじゃ兄貴としての面目が立たねーからな」
これは正直言い訳だったが、態度だけでも強気でいなければ「触らないでくれ」と情けなく懇願してしまいそうなのだ。逃げるか縋るかなら、前者の方がよっぽどマシだ。
レッドはくるりと踵を返すと、一目散にこの場から逃走した。
「待て兄貴!」とそれを追うブルーの声が上がったが、やはり単純な走力はレッドの方が圧倒的で、ぐんぐんと差が開いていく。このままでは逃げられてしまうが、今はゲームも始まったばかりで彼を足止めするようなアイテムもトラップも持ち合わせていない。
レッドの姿が雑木林の中に消えたのを見送ると、ブルーは足を止めた。一度視界から消えた兄はもうその姿でいるか分からない。変装をして誰か別の人物に成りすましているかもしれないのだ。
仮に変装をしていなかったとしても、このまま策もなく追っても追い付ける保障はない。他のアルファに横取りされる可能性はあるが、準備を整えておくべきだと判断したのだ。
(でも兄貴
……
妙に顔色が悪かったな)
少し純粋に気掛かりな点はあったが、時間が惜しいのでブルーはその場を後にした。
‐未完‐
思てたんとちがーう!! こんなオメガバパロが書きたかったんやなーい!! 完成できないよ絶対! 自分でもルール覚えてないもの←
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