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たくとろ
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ワンライ 世界を敵に回しても
2h フライング作成
成長if 鬱注意 アニポケの新情報とか完全無視で書いてます()
話のまとまり優先したので、ダークストーリーの序章みたいな救いのない終わり方してます
ある洞窟を、ロイと冒険していた時のことだった。
突然背後から現れたサザンドラに私たちは襲われた。とても大きく、凶暴なサザンドラ。
逃げながらも、私たちは攻撃をくり出したけれど、サザンドラは執拗に追跡をやめなかった。
そして、行き止まりの壁に追い込まれて、私たちにはただ戦う以外の選択肢を奪われた。
二人で乗り越える。今までだって何度もやってきたことだ。私たちはなんの不安も持たずに立ち向かった。
でも、その希望は一瞬で潰えた。
サザンドラは三つの頭から強烈なはかいこうせんを放射した。攻撃はマスカーニャやラウドボーンの間を高速ですり抜けて、一直線に私の元に来た。
そして、ロイが前に出た。
「リコ、危ない!!」
目の前で、ロイが倒れた。どうすればいいか分からない私を尻目に、マスカーニャは攻撃の反動で動きを止めたサザンドラに立ち向かい、追い払ってくれた。
「ロイ
…
!!しっかりして
…
!ロイ
…
!!」
ロイが目覚めることはなかった。
私はすぐにフリードたちに連絡を入れて洞窟を抜けた。
飛行船でロイにモリーを診てもらうことになった。けれど、彼の体を調べるモリーの面持ちは厳しいものだった。
「
…
まともに攻撃を受けすぎてる
…
とにかく大きい病院で診てもらわないと」
幸いなことに、近くには大都市。もちろん病院もあった。
でも、ロイを診察したお医者様の言葉は残酷だった。
「
…
残念ながら、我々ではどうにも
…
」
「
…
そんな
…
じゃあロイは目覚めないんですか!?」
「最新技術を用いても、彼の体を回復させるのは難しい
…
自力での回復に期待するしか
…
しかしそれも
…
」
話を聞いて、私はその場に崩れ落ちた。隣にいたフリードやドットがずっと声をかけてくれていたけど、何も耳に入らなかった。
その日から、食事も喉を通らなくなった。ただずっとロイのそばにいた。誰かが代わる代わる声をかけに来たけれど、何を言われていたのかは分からない。
そんな風に過ごしている間に、三日が過ぎていたらしい。とうとう私はマスカーニャとブリムオンに無理矢理食事を摂らされた。久々に食べるマードックの料理。美味しいはずなのに、何一つ味を感じなかった。
食事を終えると、そのままみんなが集まって会議が始まるようだった。
「リコ、お前もちゃんと聞くんだ」
フリードに何度か声をかけられて、やっとなんと言われているか分かった。聞く
…
一体何を聞けばいいのか。疑問に思ってすぐに質問した。
「なんの話をするの
…
?」
「ロイのことについてだ。だからちゃんと聞いとけ」
私が頷くと、フリードはみんなの方を向いて話し始めた。
「ロイの容体は正直最悪だ。悪化こそしてないが、目覚める気配は一向にない」
そんなことは分かっている。わざわざ改まって言うようなことじゃない。私は、少しイライラしていた。
フリードはそのまま、お医者様に言われたことも繰り返した。知っている。そんなこと、もうどうでもいい。
そう思っていた私の心は、次のフリードの言葉で少し晴れた。
「だが、まだロイが目覚める可能性はある」
私はすぐに顔を上げた。それに気づいたようにフリードは少し口角を上げた。
「ロイがこうなったのはポケモンの力によるものだ。なら、この世界にいる強い生命力を持ったポケモンの力があれば、ロイを救えるかもしれない」
「そんなポケモン、いるの?」
「ああ。ジョウトで三体のポケモンを蘇らせたとされるホウオウや、生命を分け与えるとされるゼルネアス
…
どちらも伝説級のポケモンだが、ロイを救える可能性はちゃんとある」
伝説のポケモン
…
険しい道だ。それでも、ロイを救えるのなら。
「俺たちは世界中の不思議に挑戦するライジングボルテッカーズだ。仲間のために伝説に挑もうぜ」
フリードの言葉にみんなが頷く。ロイを助ける。私たちの冒険は、再び動き出した。
それから、一年が経った。ロイは未だに目を覚まさない。ホウオウやゼルネアス、他にも色んなポケモンについて調べて挑戦した。それでも、伝説のポケモンには辿り着けず、ロイを助けられる他のポケモンにも出会えずにいた。
「ドット、なにか情報はないの?」
「
…
ないよ。そんな毎日聞かれたって
…
」
「ロイの命がかかってるんだよ!?」
「分かってる!!でも、もう世界中ずっと飛び回ったのに見つからないんだ
…
簡単に言わないでくれ」
ドットもかなり疲れている。私にこうは言っても、ドットはずっと情報を探し続けてくれている。
「ごめんドット
…
」
「いいよ
…
一番辛いのはリコなんだから
…
」
私がもう一度謝ると、ドットは「だからいいって」と面倒そうに私を部屋から追い出した。
ロイのところに行こう。救護室を目指して歩いていき、ドアの前に立つと、中から話し声が聞こえた。
中にいるのはモリーとフリードだ。
「別の方法を探した方がいいんじゃないの?」
「俺もそれは考えているが
…
それこそ、ラクリウムみたいなものがないと
…
」
ラクリウム。私の先祖、ルシアスが冒険の果てに見つけた楽園ラクアにあった不思議な物質。人やポケモンの生命を活性化させて、豊かな自然を育んだり、ギベオンのように生き永らえることもできる。
確かにあれなら
…
でも
…
「あれはもう全部この世から消したんでしょ?無いものねだりするもんじゃない」
「分かってるさ。あくまで例えだ。それに、あれは人が扱うには危険すぎる
…
」
でも、もしラクリウムが残っていて、それでロイが救えるなら
…
なんて考えていると、ドアが開いた。
「なんだ、リコいたのか」
「あ、ううん。今来たの。ロイの様子は
…
?」
「いつも通りだよ
…
穏やかに気を失ったまま
…
」
「そっか
…
私、しばらくここにいるから」
そう言うと、モリーとフリードは部屋を出た。
ロイの方に目をやると、本当に穏やかな顔だ。ただ寝ているだけで、そのうちひょっこり起きてくるんじゃないか。そんな期待をこの一年、ずっとしてきた。でも、現実はこれだ。
ロイの眠るベッドのそばにはラウドボーンとタイカイデンも悲しい顔をして座り込んでいる。マスカーニャたちが時々遊びに連れ出しているけど、それでも二匹の表情は中々明るくならない。夜には二匹だけで特訓もしている。きっと、ロイが次に目覚めた時のために一緒に戦うために頑張っているんだ。
私も諦めない。ロイが目覚める方法を
…
絶対に見つけてみせる。
「みんな、これを見てほしいんだ」
ドットがスクリーンに映し出したのは一見なんの変哲もない白い花だ。視線がスクリーンに集まる中、ドットはスクリーンに地図を映しながら説明を続ける。
「これはカロス地方のこの辺りの森にあるらしいんだけど
…
どんな奇病も治すって噂なんだ」
「だったらロイも
…
」
「ああ。試す価値はあるだろ?」
「ドット、ありがとう」
お礼を言うと、ドットは静かに笑った。次の目的地も決まって、私たちは早速出発した。
カロス地方の辺境にある小さな森。ここで、絶対にあの花を見つけてみせる。
森に入って早速、探索を始めた。あまり大きな花ではないから、地面をくまなく探す。
フリードとドット、モリーと共に四人で探しているけれど、中々花は見つからない。
「ドット、この森にある以上の情報はある?」
「いや
…
どのあたりかまでは調べても出てこなかったんだ」
「そっか
…
じゃあ、根気よく探すしかないね」
今一番身近な唯一の希望。それがあの白い花なんだ。絶対に見つけてみせる。
三時間ほど探索して、大きな花畑を見つけた。ここなら、あの白い花だってあるかもしれない。
そう思って駆け出した次の瞬間、私の体はマスカーニャに引っ張られて後ろに倒れた。
すると、目の前を邪悪なオーラを纏った赤黒い光線が横切った。その発生源は空だった。
視線を上げると、大きな翼を持った赤いポケモンが飛んでいる。
「あれは
…
」
「イベルタル
…
!まずい、みんな、逃げるぞ!!」
「どうして!?」
「こいつは生命を吸い尽くす伝説のポケモンだ。さっきの攻撃が通った跡を見てみろ」
フリードにそう言われて視線を落とすと、色を失って枯れ果てた花々があった。見上げると、イベルタルはまた光線を放とうとしている。
「リコ、早く!!」
「
…
でも、白い花はまだ
…
——
!!」
振り返ると、確かに白い花が見えた。ドットの見せてくれた写真と同じ、艶のある少し神秘的な光を持った花。
「あった
…
あれを持って帰らなきゃ
…
!!」
「リコ、よせ!!」
私の足を、マスカーニャがまた止めた。再び降り注いだ光線は、あの白い花の生命をも奪った。
「ああ
…
」
「リコ、逃げよう!!」
ドットとマスカーニャに手を引かれ、私たちはその場を後にした。
どうにか飛行船には戻れたけれど、飛び立つ頃には森の豊かな自然が全て失われ、イベルタルはどこかへと飛び立っていった。
私の
…
ロイを救う希望は
…
目の前で奪われた。
あの日も、ロイを目の前で倒されて
…
世界は、どうしてこんなにも残酷なの
…
?
同じ伝説のポケモンでも、生命を与えるホウオウやゼルネアスには出会えないのに
…
どうして、何もかも奪うイベルタルには遭遇してしまうの
…
?
あれから数週間。私はロイの部屋に向かった。
久しぶりに訪れたロイの部屋は、色んなものが少し埃を被っていたので掃除をすることにした。
昔ロイにあげたお父さんの絵本もすっかり汚れてしまっている。軽くはたきながら、どうすればロイを救えるのか、少し考えてみるけど答えは出ない。どんな希望も、もう
…
「
…
!」
いくつか手に取ってみると、ルシアスの絵本が出てきた。ロイにルシアスへの憧れを抱かせた一冊
…
「ルシアス
…
ラクア
…
ラクリウム
…
」
やっぱり
…
ラクリウムさえあれば
…
でも
…
あれは
…
そうだ
…
フリードの勤めていた会社
…
あそこはギベオンの手がかかっていたって聞いた。
まだ、隠し持っているんじゃ
…
「リコ!大変だ!!」
「ドット
…
?どうしたの?」
「ロイの容体が悪化した
…
!」
急いで救護室に向かうと、ロイは過呼吸になって苦しんでいた。
「ロイ
…
」
モリーが色んな措置を試した結果、なんとかロイの一命を取り止めることに成功した。
だけど、ロイの身体は、確実に死に向かっていってる。
一年以上、目覚めていないんだ。時間の猶予なんて
…
もう
…
だったら
…
私がやるべきことは
…
「マスカーニャ、トリックフラワー」
花は大きな爆発を起こし、扉を壊した。エクシード社の研究室。ラクリウムがあるとすれば、きっとここだ。
「なんだお前!捕まえろ!!」
「ごめんなさい
…
でも、私急いでるの
…
マスカーニャ、ふいうち」
マスカーニャの攻撃は警備員のパートナーのミルホッグ
…
ではなく、警備員本人へ向けられた。吹き飛んだ警備員にミルホッグが慌てて駆け寄っていく。
「ラクリウムは
…
どこに
…
」
「リコ!何をしている!」
次に私の目の前に現れたのはアメジオだ。鋭い眼光で私を睨む。
「アメジオ
…
ちょうどよかった。ラクリウム、ここにある?」
「何を言っている
…
あんなもの、とうの昔に全て
…
」
「そう
…
じゃあここにはもう用はないよ。行こう、マスカーニャ」
「待て!!これだけのことをして、簡単に帰すと思うか?」
ソウブレイズが振り返った私の前に立って退路を塞ぐ。どうやら逃がしてはくれないらしい。
「そうやって
…
邪魔をするなら
…
!マスカーニャ、トリックフラワー」
「ソウブレイズ、むねんのつるぎ!」
花爆弾を投げ込むマスカーニャに向かってソウブレイズが剣を燃やしながら攻め込む。相変わらず、アメジオは真面目だ。
「ブリムオン、サイコキネシス」
「なに!?」
ボールから出たブリムオンはソウブレイズを捕まえてアメジオの方へと放り投げた。これで、道は開けた。
「待て
…
」
「ごめんなさい。でも、ゆっくりバトルなんてしていられないの」
エクシード社からの脱出にはなんとか成功した。多くの警備もマスカーニャとブリムオンで全て突破できた。でも、次はどこへ行こう
…
もう、飛行船には戻れない。
「おやおやこれはリコさん
…
」
「
…
スピネル
…
どうしてここに」
「私の古巣で何やら面白いことが起きているものですから
…
あなた、ラクリウムが欲しいのですか?」
「持ってるの?」
「いいえ
…
計画は全てあなたたちに潰されましたから
…
ですが、手に入れる方法はある」
胡散臭い。でも、何か方法があるのならこの男の話にだって耳を貸すべきだ。
「方法って?」
「それはですね
…
」
エーテルパラダイス。アローラ地方に浮かぶ人工島。エーテル財団によって保護されたポケモンたちはこの島に一部移送される。そして、地下ではウルトラホールとウルトラビーストの研究が行われている。
そんな研究区画に花爆弾が舞っていた。
「な、なんなんだ
…
こいつ
…
!!」
「あなた、何をするつもり?」
職員たちは怯えながらも私に聞いてくる。こっちはずっと聞いてるのに。
「ウルトラホールを開く技術はどこにあるの?」
「し、知らない
…
」
「そう
…
ならそこをどいて」
不恰好な走りだ。職員たちは次々と逃げていく。
私も施設の奥へ奥へと進む。私の進路に次々とシャッターが降りていく。退路も塞がれ、私を閉じ込めようと必死らしい。
「マスカーニャ、ブリムオン、お願い」
二匹の攻撃が壁をどんどんと破壊していく。私は止まるわけにはいかない。ロイを救う方法はもう、これしかないのだから。
施設のより深いところにあった大きな研究室で、ついに私は目当てのものを見つけた。
「これが
…
ウルトラホールの発生装置
…
」
巨大なアンテナのついた装置と共に、小さなリモコンが置かれている。これにもアンテナがついている。試しにボタンを押してみると、空間の歪みを感じる。
「これで
…
やっと
…
」
「リコ!!待て!!」
聞き慣れた声。振り返ると、フリードとドットが職員たちと共に部屋の入り口に立っている。
みな、表情は真剣なものだ。
「リコ、もうやめろ!!お前が何をするつもりかは知らんが、こんなことをしてもロイは救えない!」
「そうだよリコ
…
なんでこんなこと
…
マスカーニャとブリムオンまで
…
なんで
…
」
「この子たちには私がお願いしたの。ロイを助けるために力を貸してほしいって
…
この子たちも、ラウドボーンとタイカイデンの辛い顔は
…
これ以上見たくないんだよ」
マスカーニャとブリムオンは私の言葉に頷いた。でも、フリードとドットはまだ納得していないらしい。
「それで
…
これがどうロイを救うことになるって言うんだ?」
「ロイを救うにはラクリウムしかない
…
」
「あれはもう存在しない
…
!」
「この世界にはね」
私がそう言うと、フリードとドットも私の意図に気づいたらしい。それでも、彼らは睨み続ける。
「リコ
…
まさかお前
…
」
「そう
…
このウルトラホールの先で
…
私はラクリウムを手に入れる。そして、ロイを救ってみせる」
「やめろ!そんなことして、ラクリウムをこの世界に持ち込んだら、また危険なことになるかもしれない
…
それに、ラクリウムを無理矢理掘り起こせばその世界がどうなるか
…
リコが一番分かってるだろ!?」
「構わないよ
…
」
そうだ。世界は散々、私に牙を剥いてきた。ロイを傷つけて、救う手立ても奪って、この世界に希望なんてない。もう、そんな世界がどうなったって
…
「構わない
…
私は、世界を敵に回してでもロイを救う。たとえそれが、この世界だけでなく
…
たくさんの異世界まで傷つけたとしても
…
!!」
言い切ってリモコンのボタンを押す。強力な空間の歪み
…
次第にそれは形を変え、ついに空間に大きな穴が生まれた。まばゆい光を放つ穴
…
これが、ウルトラホール
…
「リコ
…
!!」
「ごめん、二人とも
…
でも
…
私はもう、後戻りなんてできない
…
!!」
「リコ!!」
マスカーニャたちをボールに戻し、私は希望の光へと飛び込んだ。
待っててね、ロイ。必ず救うよ。たとえ何を犠牲にしても
…
ロイがそうしてくれたように、この身を犠牲にしてでも
…
あなたを助けるから。
光の先ではいくつもの穴が広がっている。きっとこれが異世界への扉なんだ。
私は吸い込まれるように、一つの穴へと身を投げた。
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