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三毛田
2025-03-14 21:19:22
1050文字
Public
1000字3
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31 11. 恋人マナー
31日目
恋人でも守るべきマナーはある
「例え恋人同士だとしても、守るべきマナーはある」
「うんうん」
「って頷いているけれど、穹は守れているのかな?」
さっと視線をそらすと、反対側から視線が突き刺さる。
視線の先にいたモーディスは、〝そらみたことか〟という表情を浮かべた後、盃を煽り。
「お前が隣の恋人に嫌われようが、俺は構わない」
「俺は構うんだよお!!」
泣きついて、その胸板を勢いよく叩いて抗議しようかと思ったが、やめた。
彼のライバルであるファイノンの反応が未知数だし、なによりも俺が夢中なのは丹恒の胸なのだ。
比べるなんて最低なことはしたくないし、二度と触れるのを許されなくなったら、それこそ立ち直れない。
「丹恒、ごめんよぉ」
「それは何に対しての謝罪だ?」
胸に飛びついて、顔をグリグリ横に動かせば、また始まった。という、呆れた表情。でも、いつもの柔らかさは保たれていて。
「こういう行動は、接触は最低限と定めた恋人たちからしたら、マナー違反スレスレだろう。俺は穹を甘やかすときのみ許しているが」
などと説明を付け加え。
甘やかしてる自覚はあるんですね、先生。
「その
……
最低限これだけは守ったほうがいい。というものは、あるだろうか」
おずおずと、伺うように、教えを乞うように問いかけてきて。
「己からの接触を、相手が嫌だと口にしたらすぐさま止めることだな。いやよいやよも好きの内。などとのたまう人間もいるだろう。しかし、初めは軽い拒絶だったものは、それを受け入れてもらえないと分かった瞬間諦念に変わり、相手に何も期待しなくなるだろう」
「
……
丹恒も、俺から触られるのは嫌?」
胸に顔を埋めたまま問いかけると
「俺が本気で拒絶したら、お前はとっくに壁に埋まっている」
「ですよね〜。相手が嫌がったら、初めてそれを口にした時に手を引かないと大変なことになるぞ。脅しじゃなくて、本当に」
それで暴力事件に発展した恋人たちもいるし、実際それらを仲裁したこともある。非常に面倒だった。
「説得力皆無だな」
「俺は嫌がられてないので」
本人も、甘やかしてるから許していると言ってくれたし。
「受け入れてもらって当たり前。というのも、マナー違反ではあるだろう」
「突き放されてからじゃ遅いしね。丹恒、そろそろ離れるよ」
宣言してから、顔を離す。
「そういうことを聞いてくるってことはさ、ファイノンは誰かと恋人になりたいのか?」
「この間、市場で恋人たちの仲裁をしてね」
「ああ
……
」
と納得してしまう。
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