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yossy
2025-03-13 20:27:43
2297文字
Public
自創作
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報酬は3番目を
大海太陽ホワイトデー準備編
友情出演
黄昏流碧(かなきみ)、憖武史(庭師HO2)
2月15日
寒さのせいなのか、特にこれといった通報も事件もないある日のこと。
「そういえば、大海はバレンタインデーにチョコ貰えたのか?」
同じ一課の同僚、黄昏に雑談がてらそんな話題を投げかけられる。
「
…
まぁ、その
…
貰えましたねぇ」
「歯切れの悪い返事だな」
「
…
へへ」
「気色悪いな
…
浮かれるくらい嬉しかったのか?」
「本命に貰えたら誰でもこうなりません?」
「分からなくもないが
…
あまり他人に見せない方がいいと思うんだが」
一度溜め息を吐かれる。腑抜けた顔をしていると月城さんに怒られそうだなと、頬を揉んで表情を戻そうとする。
「それで?お返しは決めたのか?」
「それが、何を贈ったら喜んで貰えるか中々決まらなくて
…
」
再び溜め息を吐かれる。
「うかうかしてると、ホワイトデーの頃には品切れになってるぞ。俺は予約してあるからあとは取りに行くだけなんだが」
「
…
そんなまさか」
「本当だぞ。ホワイトデーを甘く観てると痛い目に遭うからな」
そもそもホワイトデーなんてイベントは久々で、学生気分が抜けていない点は否めなかった。警告に慌てていると、
「
…
仕方ない、同僚のよしみだ」
とメモ紙を渡される。
「この時期だけ開かれてる情報通に関するメモだ。あまり目立つと嫌がられるから、一応内密にな?」
そこには特殊犯罪捜査零課の名前があった。
昼休憩のタイミングでメモを頼りに目的地へと足を運ぶ。人気の少ない場所のはずだが、何故か人だかりが出来ている。
皆一様に何かを口々にし、プリントされた紙を受け取ると走り去っていく。ぽかんとその様子を眺めていると、あっという間に人だかりは無くなり、自分と人だかりの中にいた人物だけになってしまう。
「
…
えーと、何の用?」
「あ、えっと、バレンタインデーのお返しについて相談が」
「
……
、そこに座って」
「失礼します」
指さされた先にある使い古されたオフィスチェアに腰掛ける。
図体の大きい、大きな眼鏡をしたこの人が例の零課の憖さん。パソコンを前に、目にも止まらぬ速さのタイピングを行っている。
「一課の大海太陽君で合ってる?」
「は、はい!」
「お返しを送る相手は家族?友人?恋人?」
「えっと
…
恋人、です」
「若いね」
ゆっくりとした口調ながら、一度もこちらを見ずにパソコンに何かを入力している。
「相手は甘いものは好き?」
「はい」
「どれくらい甘いもの好きかはわかる?食に関してのこだわりとか」
「そうですね
…
、そこまでこだわりは無さそうですね。仕事の後にちょっとしたものを買う感じで」
「うん
…
、因みに貰ったのは手作り?既製品?」
「手作りです
…
」
「それはいいね」
思わず頬が緩むが、何とか表情を元に戻す。
その後もいくつかの質問に答えると、遂に憖さんのタイピングの手が止まった。マウスに持ち替え、いくつか操作をするとプリンターが動き出し、紙を吐き出す。
「うちは口コミ式でしか広めないから、一応説明するんだけど。バレンタインやホワイトデーのスイーツについて独自に情報を集めて、おすすめのスイーツや店を紹介してるんだ。紹介料としてお願いしてる事があって」
印刷されたプリントを渡される。
「購入先のお店の、人気3番目を買ってきて俺に渡してほしい。賞味期限があったりするから、直ぐに買って渡さなくていい、ついででいいから」
「3番目なんですね
…
?1番人気ではなく?」
「1番人気は大体食べて味の確認しているから
…
」
「なるほど
…
」
「通りでこの図体か、とか思わなくていいから」
「いや、そんな事は決して」
「食べ過ぎなのは自覚してるけどね。パソコンでの仕事が俺の仕事だから、運動不足なのも事実だし
…
」
「そんな、卑下しないでください
…
」
「ま、そこに載ってる情報は信ぴょう性高いと思うから、あとは頑張ってね」
「ありがとうございました!」
お辞儀をして椅子から立ち上がると、左手だけひらひらとして、そのまま憖さんは作業に戻ってしまった。
道を戻りながら紙を眺める。
いくつかの店舗がリストアップされており、店名、住所、営業時間、予約方法、おすすめ商品と賞味期限、商品に関するレビューが丁寧に書かれていた。
凄まじいのは購入時期についてや、アレルギーに関するものまでが記されていた。
「行ってきたのか」
「黄昏のアドバイス通り
…
なんか凄い人だった」
「ああ、あの人警視庁の人間全員の顔と名前を把握してるし、お菓子関連の情報に詳しいから、バレンタインの時期は女性も集まって情報を求めに行くんだよ」
「
…
全員の名前を?」
「そう、なんなら家族構成とか友人関係も把握してたりするから、大海の本命相手のこともバレてるんじゃないか?」
「
……
マジかぁ」
「言いふらす人じゃないから大丈夫だよ」
「んー
……
心配だ」
「それよりも、ちゃんと購入時期とか確認するんだぞ。人気店が多いから直ぐ品切れになるし」
「そういえば気になってたんだけど、黄昏もバレンタイン誰かに貰ったの?」
「妹と、知り合い達からな。年代もバラバラだから頼ったんだ」
「モテそうなのに」
「影薄いからな、本命から貰えるのはいつになることやら」
黄昏のスマホに連絡が入り、雑談もそこそこに仕事へと戻る。
「健闘を祈る」と言い残した黄昏の真意を後日知る事となる。
「予約は直営サイトも通販サイトも売り切れ、残りは店頭販売
…
、店頭販売も整理券を配るレベル
…
?店頭に並ぶ時間まで書いてある
…
!どこまで計算されてるんだ
……
」
ホワイトデーに続く
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