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伊坂
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ご僚機(アイマヴェ)
短いアイマヴェ。あーあ。どうにも悪目立ちする二人が癖です。悪癖であるとはわかってるんですが……。
ご僚機
皆悪目立ちを避ける。派手すぎる服は軍人の妻として相応しくないし、露出の多すぎる服も然りだ。パートナーが年若く、まだ手ほどきをしてくれる先輩妻と知り合えていないと見える場合、たいていはその上官が気を利かせ、自分の妻に「助けてやれ」と耳打ちする。命じられた妻のほうは内心、やれやれうるさい男だ、いずれ慣れるし余計な世話だろうと思うものの、夫の顔を立ててやるためにその翌日には教育的指導に赴く。妻のほうの母国語が英語でなく、言語面や文化面で本当に苦戦を強いられている場合もあるからだ。
だがその日、進水式のあとのパーティーに現れた海軍大将とそのパートナーに、多くの将校と政治家たちは意味ありげな視線を取り交わした。笑える。なんなんだ、あのきらびやかさは。
まず、その、顔が優美だ。ハリウッド俳優かと思うほどの美貌に、優雅な、申し分のない微笑みが浮かんでいる。どこか驚き混じりのささめきが放射状に広がる会場内を、その二人は颯爽と『正装』で闊歩する。ドレスブルーにシャツと白手袋。黒ネクタイに黒靴に金ボタン。そして、シャンデリアの光を反射して輝く、左胸に吊り下がるメダルたち
……
。
『ご僚機だ』
と誰かが、右隣の誰かにのみ伝わる小声で呟いた。ご僚機だ。大将閣下の? あれがご僚機か。なるほど
……
、確かに美しい
……
。
そこにいる男達と、まるで変わらない服装をしながら、その男の顔はあまりに優美だった。パールのネックレスも、ダイヤのイアリングもその耳には無く、だというのに彼は豪奢だった。
定められた制服を着て、緑色の眼差しを輝かせ、彼は広間の中で平然と伴われている。誰よりも美しく。
カザンスキー大将が歩きながら何か耳打ちし、耳打たれた彼はどうかな、と口を動かしてパートナーを見上げている。その美貌。あれがマーヴェリック。噂のご僚機、ピート・ミッチェル大佐か。
まるで彼らだけが別世界にあるかのようなきらびやかさに、広間ではしばらくの間忍び声が続いた。
波箱はここから
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