三毛田
2025-03-11 21:52:11
1087文字
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28 08. 重ねた手、交わる指

28日目
君と手を繋ぐ

「丹恒、お前の手に触れたい。駄目かな」
……お前から触れる分には、かまわない」
「えへへ。それじゃ、失礼します」
「ああ」
 そっと丹恒の左手に触れ、重ねて。
 指と指が交わるように動かそうとするも、流石にそれは駄目だと眉を寄せられ。
「なんで」
「いくらお前からのお願いでも、それだけは」
「えー」
 不満を口にするも、丹恒は頑なで。
「わかったよ。今は諦める」
「そうしてくれると助かる」
 手を繋ぐだけにとどめると、ほっとしたような表情に。
 そんなに慎ましやかだったのに、
「穹、指を絡めてもいいぞ」
 どこか余裕のある表情で、重ねた手の甲で指を擦る。
「丹恒先生、今日は余裕じゃん」
「そうだな。お前に触れられることに慣れてきたんだ」
「丹恒、俺を煽ってる?」
「さあ。どうだろうな」
 肩をすくめ、ニヤリと笑う。
 そういうニヒルな笑みを浮かべる姿も、格好良くて好き。
「今すぐキスして滅茶苦茶にしてぇ……
「お前になら、されてもいい」
 手で顔を覆いながら小さく口にすると、耳元で囁かれ。
「んぐぅ」
「ふふ」
 唸ると、笑われた。
 今日の丹恒先生、エッチすぎるだろ!
「ベッドの上で、楽しみにしている」
「ふぎゃあ!」
 楽しみなのと、まさかの積極的なお誘いの仕方に変な声が。
「穹、流石にうるさい」
「ふにゃぁんっ」
 頬を引っ張られたので、思わず悲鳴が。
「あんたら、手を繋ぐだけなのにうるさい」
「煩いのは穹だけだ」
「それもそっか」
「丹恒!? なのも納得しないでよ!」
 俺たちのやり取りの一部始終を見ていたなのは、丹恒の言葉に納得したように頷き。
 なんかちょっと複雑な気持ちになる。
「こういう時だけ結託しないで」
「でも、同じ意見だから仕方ないじゃん?」
「ああ。そういう時もあるということだ」
 とは言いながらも、手を離さないのだから丹恒はなんだかんだ俺のこと好きでいてくれるということ。
 でも、やっぱり俺を放って二人で結託したような反応をされると、複雑だし疎外感を抱く。
「穹」
「なに」
「俺だけを見てくれないのか?」
 不機嫌丸出しのまま、丹恒の方を見る。
 すっと顎を指で持ち上げられ、半ば無理矢理そちらを向かされ。
 〝自分だけを見て欲しい〟
 そんな意思を感じ、不覚にも胸がきゅんとなる。
「ちょっと~。ウチの前で、いちゃつかないでよ」
 なのからブーイングが入るが、知ったこっちゃない。
 俺は、丹恒といちゃつきたいんだ。
「部屋に帰ってください」
 と、背中を押され。
 手を繋いだまま、二人で俺の部屋へ戻る。