ちゅーたつ
2025-03-10 21:20:33
2499文字
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学園演劇のはなし

一応設バン(?)
モブかなりでしゃばるので注意

2年のバンビが学園演劇主演をやるに至った経緯を捏ねたかった、普通2年に回ってくることそうそう無いじゃん?

漫画にしたいな〜と思って書き始めたけどわりと長くなっちゃって途方に暮れたのでSSって形で一旦投げておきます
気が向いたら漫画に…したいネ!私が見たいから!




はばたき学園文化祭毎年恒例の学園演劇、主演は基本的には3年生の男女から推薦又は希望者が選ばれることとなっている。

そう基本的には

実際のところ3年生がやらなければならないという決まりもなく、過去には演劇経験者の女子が3年間連続主演を勤めたりはたまた生徒からの強い希望で教師が主演の片割れを勤めたりなどもあるらしい(氷室主任がこれにあたるという噂も聞くが噂の多い先生なので信憑性は薄いだろう)


「お願いっ!!!設楽くん!!」
「い・や・だ!!!!!」
夏休みが終わり文化祭が近づいてきた秋、3年生の間ではここ最近見慣れたやり取りだ

「この脚本は設楽くんがやって初めて完成するんだよ〜!絶対、絶対絶対に似合うから!」
「うるさい、知らない、なら脚本を変えろ、俺は演劇は専門外だ!」
「絶対変えない!ていうかそんなの歴代の主演だいたいみんなそうだよ!!!」

学園演劇の台本を作成している女子(ここではB子とする)からの主演をやらないか、という勧誘。
演目はチェーホフの「かもめ」B子曰く文化祭向けに4幕のトレープレフのニーナへの恋心と離別に焦点を当てちょっと見やすく改変などを加えた力作らしい。

わかった、とりあえず台本見てみない?」
「は?」
「一旦見るだけでいいから!本当に力作だからさ、ね?」
「待て押し付けるな、なにもわかってないだろ」
「じゃあ私部活あるからっ!」
「おい、ああもう、なんなんだ本当に」

ぐいぐいと台本を押し付けて走り去っていく後ろ姿を見ながら呆然と立ち尽くす。
主演をやる気なんて無いとはいえ学園演劇の台本である、粗末に扱う訳にもいかず渋々カバンにしまう、しまうしか無かった
(後で気が向いたら読むか、読んだうえで断れば流石に諦めるだろ)

「設楽、今日もおつかれ」
見てたなら助けろ!」
呑気に笑いながら話しかけてくる紺野に噛み付くように返す、仕方がなかった、誰にでも平等に理不尽な設楽もそこまで喋ったことの無い同学年の女子に簡単にキレないぐらいの分別はあるからだ。一応。
「わっ、そう睨むなよ別にいいんじゃないか?出てみても、いい思い出になると思うけど
「い・や・だ。
そう思うなら紺野が代わりに出れば良いだろ、なんで俺なんだ
「よっぽど似合うんだろう?その役なんだっけコンスタンチごめん、忘れたけど」
「コンスタンチン・ガヴリーロヴィチ・トレープレフ」
「そう、それだ、多分。よく覚えられるな
「紺野は覚える気がないだけだろ、一応見たことはあるからな」
「へー流石設楽だな、じゃあ尚更いいんじゃないのか?言ったらなんだけどあまり高校生が知っているような話じゃないだろう?」
「お前が知らないだけだろと言いたいけど、だろうな。だからこそなんでこの話を演って俺がトレープレフを演じなきゃならないのかサッパリわからない、そもそも面倒だ」
「アハハバッサリだな、まあほら読めば設楽じゃないといけない理由はわかるかもよ?」
……気が向いたらな」








「たのもー!!」

放課後を迎えた瞬間勢いよく開く扉、自然とクラスの視線が声の主B子に集まる。ついで設楽にも。
「設楽くん、台本読んだ?!わりと良くない?!主演どう?やらない?」
「読んだ。やらない。これは返す」
「えぇ〜っ、自信あったのになぁ」
出来は良かった、思ってたよりもずっと」
そう、出来は良かった。学生の文化祭用として見ればかなり。
短い時間の中に収まりよくかつわかりやすく纏まっていた、この台本通り出来ればそこそこ成功するのだろう
「ほんと?ありがとう、どこか1部変えればやってくれるとか……無い?」
「無いな。むしろ変えない方がいいだろ、よく纏まってるんだし。やりたくないだけだ」
「やりたくない理由とか
「面倒。」

これは嘘では無いけど嘘だ。

「もう一声!」
「なんだよそれ、……強いて言うなら」
「言うなら?」
「なんで知らない女に好き放題言われた末に振られる役をやらなきゃならないんだ」

これは本心、そもそも出来は良いが正直嫌な内容の劇だと思う。ご都合主義がすぎる上に才能才能って軽々しく言うところが鼻につく流石に台本作った本人にここまで言う気は無いが

「ええ、知らない女って〇組の古前ちゃんに頼む予定なんだけど
「ほらな、俺は知らない。嫌だ」
後から聞いたことだが『〇組の古前さん』とやらは今年のローズクイーンになったらしい。それでも俺は知らない女に変わりないけど

「うーん、じゃあ知らない女じゃなければいいってこと?」
「は?」
「たとえば女装した会長、とか」
「帰る、おぞましい想像をさせるな」
「ごめん!冗談だって流石に!」
本当におぞましかった、最悪だ、女装姿を姉にからかわれる紺野とかは見たいが

「誰がやろうが俺はやらない」
2年の、小波さんとか」
「は?」
出ると思わなかった名前が出てきて時が止まる、なんで美奈子が?
「仲良いよね?設楽くんが仲良い唯一の女の子じゃん?」
「なんで美奈子のこと知っていや、仲良くなんて、ない、こともないが
「だよね、どう?」
美奈子は2年だろ」
「別に3年生じゃなきゃならないってことも無いからね、幸い学年演劇自体に立候補はしてるし……なにより可愛い、評判もいい」
「かわっまあいい、古前は?」
「本人の希望じゃなくて私の推薦だから変えられるよ?本人は元々裏方希望だし、私は設楽くんが演じてくれることに重きを置いている」
「美奈子がやるって決まったわけじゃないだろ」
「ふーん、やっぱり小波さんが相手ならいいんだ?張り切って頼み込んじゃお〜」
「ばっ!!!!待て!!!!はぁ!!?!?」
上機嫌で教室を出ていくB子とどこかニヤニヤと生暖かい目線を送ってくるクラスメイト達
トレープレフ役期待してるぞ、だの
小波さんOKしてくれるといいなだの
小波さんの衣装姿楽しみだな?だの

「うるさい!!俺は帰る!!!」