三毛田
2025-03-09 13:01:59
1094文字
Public 1000字3
 

26 06. プレゼントを選ぶ幸せ

26日目
君のために選ぶ幸せ

26 06. プレゼントを選ぶ幸せ
「喜んでくれるかな……
「三月なら、何を選んでも喜ぶだろう」
「そうだけどさぁ」
「姫子さんたちの前で、わざとらしく雑誌を広げていたんだ。買ったものを贈ればいい」
「丹恒も用意したんだろ?」
「お前に選ばせたのと違うものをな」
 と、懐から箱を取り出す。
「みんな、準備は良いか?」
 パムの呼びかけに、みんな一斉に頷く。
「みんな、おはよ〜! わっ?!」
「なの、誕生日おめでとう!」
「えっ、えっ?!」
「みんなからのプレゼントよ。パムからは、ご飯だからゆっくり味わってね」
 ラウンジに来た瞬間鳴り響いたクラッカーの音に、目を白黒させるなの。
 姫子がエスコートして椅子に座らせ、パムが素早くセッティング。
「これ、俺と丹恒から!」
「おめでとう」
 それぞれ箱を渡すと、驚いたように見上げてきて。
「二人ともありがとう! 開けていいかな?」
「食事が先だろう」
「それもそっか。後で改めてお礼を言いに行くから、ちゃんと部屋にいてよ? 車掌さん、ありがとう!」
 と、パムにお礼を言って食べ始める。
 それ以降からだ。
「丹恒、これ。よかったら」
 依頼で外に出た時。丹恒に似合いそうな筆記用具や、彼の好みそうなお菓子やお茶などを買って持っていく。
「穹」
「何?」
「毎回俺に何かを買ってこなくてもいい」
「そう? お茶とか飲み物は俺も飲むし、デザートだって食べる。ちゃんと日持ちする物を買ってきてあるから」
「だが」
「いいから。一緒に食べよう。な?」
 俺が甘えると、最終的に
「わかった。だが、お前が、すべて用意しろ」
 そう言って、許してくれるのだから。
 お湯をもらってきて、丁寧にお茶を淹れ。おしゃれな皿に、デザートを盛りつけ。
「はい、どうぞ。召し上がれ」
「ありがとう」
「タイミング的に、休憩した方がいいだろうと思ってたんだ」
……お前は、人をよく観察しているな」
「あ。氷と冷たいデザートもあるから。氷は使う?」
「もらおう」
「この保冷バッグにあるよ」
 保冷バッグを差し出すと、いそいそと氷をお茶に入れ。
 それから、ゆっくりと飲んでいく。
「美味いな」
「だろ? 店舗で試飲して、これは丹恒の好みだってぴんと来たんだ」
「よく覚えていたな」
「丹恒のことが好きだからな」
 すっきりした味のお茶につられたのか、するっとその言葉が出てきた。
……そうか」
 そわそわと、落ち着きがなくなる。
 これは脈ありだと思っていいのだろうか。
「誰かのためにじゃなくて、丹恒のために選ぶのが、今の俺にとって幸せだから」