冷えた空気を感じるとともにゆうるりと意識が浮上する。寒いと寝台に横になったまま上掛けを引き上げ、何か温かいものはないかと手をさ迷わせればもちもちした温かいものに触れた。
「あたたかい……」
「るるう?」
どうしたの?とでもいう鳴き声は小さくて優しいあの子のもので、ドクターはそのまま上掛けの中に引き込んだ。
「あさはさむくて。よかったらわたしのだきまくらになって」
寝起きでぼんやりとしたままに龍泡泡と呼ばれる子に話しかけるとぱちぱちと瞬きをした後ににこにこと頷いてくれるのが嬉しい。もそもそと体勢を整えていれば、ふわふわとした感触が頬に触れた。
「みゅう」
「にゃあ」
先日ロドスから大荒城に遊びにきている2匹が頭の近くに立ってこちらを見る。ふわふわの姿に温かいだろうなと上掛けを持ち上げて声をかけた。
「きみたちもよかったらはいっていって。さむいのはよくない」
重岳に似たふわふわの子はドクターの頭をやわらかな手でぽすぽすと撫でてから、ドクターに似たふわふわの子は嬉しそうに頷いてから上掛けにはいる。龍泡泡もふわふわの子たちが来たのが嬉しいのかくるくると鳴くと、ふわふわの子もそれぞれに嬉しそうな鳴き声をあげた。
「うん、みんなあたたかいね」
もちもちとふわふわに囲まれてドクターはとろとろと目蓋を落としていく。重岳が朝練から帰ってくるまでには起きないととは思いながらも優しいあたたかさに意識は穏やかに沈んでしまって。
(あのひともいっしょにいてくれたらな)
龍泡泡もふわふわの子たちもあたたかいけれど、重岳に抱きしめられたらもっと。隣にいないのが惜しいなと思ったのを最後にぷつりと意識は途切れていった。
―――この後、三十分程たって部屋に戻ってきた重岳が寝ているドクターたちを見て小さく笑声を漏らすこと。相伴に預かろうと一緒に眠ることをドクターは知らない。昼過ぎまで起きてこないドクターと重岳を心配した年と付き添いで様子を見に来た令に方や呆れて、方や穏やかに笑われてしまうのは少し先の未来の話である。
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