三毛田
2025-03-06 21:36:25
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23 03. 彼氏彼女のセオリー

23日目
俺たちには関係ない

23 03. 彼氏彼女のセオリー
「丹恒、恋人のセオリーってどんなだと思う?」
「お前はまた、突拍子もない事を……
「だって。俺と丹恒ってさ、特殊だろ?」
「男同士だからか?」
「っていうよりも、俺は星核を宿しているヤバい奴。そしてお前は、龍尊。どっちも、人の姿をしているだけで人ではない」
 俺が胸を叩くと同時に、丹恒も飲月の姿へと変化し。
 それから、宙に浮きながら器用に俺の胸へ顔を近づけてくる。
「気になるのであれば、一般常識なんか、捨ててしまえばいい」
「丹恒にしては珍しく乱暴じゃん」
 そっと髪を撫でた後、指先で角に触れ。
「枠に当て嵌めたところで、過ぎた過去は変えられない。だからといって、他者のために無理矢理未来を変える気もない」
「俺のためには?」
……少しばかりは考えておこう」
 と、口元に笑みを浮かべ。
 好き。
「丹恒、好き」
「ああ。俺も穹が好きだ」
 胸から顔を上げ、俺を見つめながら微笑み。
 抱きしめると、嬉しそうにフフと笑い声を出す。
 駄目だ。好きすぎて、おかしくなりそう。
「セオリーなどなくても、俺とお前はそれぞれの速度で歩いていけばいい。そういう考えは……駄目だろうか」
「ううん。それでもいい。違う。それで、いい」
 俺が離すと、丹恒は飲月からいつもの姿になり。
「俺たちは、俺たちの速度で歩いていけばいい、か」
「忘れろ」
「えー。いい言葉だなって思ったんだ」
 ベッドに腰かけてから、腕を引いて膝に乗せ。
 キスをしようかと思ったら、ノックの音。
 いいところだったのに!! という思いを飲み込み、ドアを開けるとなのとサンデー。
「何」
「おやつの用意できたから、呼びに来たんだ。丹恒も一緒でしょ?」
 と言って、入ってこようとするので止める。サンデーは、そっと部屋を覗き込んで浴室へと視線を向け。
「俺がいない時なら、入りに来ていいよ。でも、出る時にお湯を抜いて浴槽を洗ってから出てね」
「はい。ありがとうございます」
 俺の言葉に、耳元の羽がピコピコと嬉しそうに動く。
「丹恒。おやつの時間だって~」
「ああ。聞こえている」
 俺の隣に来た丹恒は、もにもにと俺の頬を揉む。
「ひゃんほ~?」
「あの……
 俺よりも、サンデーの方が戸惑いを浮かべ。
「この二人は放っておいてもいいよ、サンデー。ただのバカップルだから」
「ばかっぷる……
 サンデーは、なのの言葉を復唱してから困惑したように眉を下げ。
「バカップル結構! ほら、丹恒。行こう」
「ああ」
 俺の頬から手を離し、差し出した手にそっと重ねる。