はなおぼろ
2025-03-06 18:44:54
1900文字
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縁巌覆面作家企画5:Kグループ感想

作品の雰囲気に引っ張られてテンションが上下左右しております。予めご了承ください。

K-1:SNOW DANCE

 冒頭の文章がとても美しい。そしてその後に続く物語は、まるで可愛く温かな絵本のようです。
 お守りかつ誰かが困った時の必須アイテム「雪の宿」、よりいちくんの好きな食べ物なのかなと最初は思っていたのですが、お母さんとの温かいエピソードと共に、小さな子どもらしい理由の万能薬に微笑ましくなりました。
 跡取りのみちかつとして、男の子のよりいちくんを好きになることはいけないことで、それでもこの初恋を手放したくなかったから、みっちゃという一人の女の子としてなら、心の中で大切にしておけると思ったのかな。甘酸っぱくも切ない恋物語でした。



K-2:机上の空論 もしくは弾けるジャンボリー

 開幕の『いっけなーい☆遅刻遅刻☆』に吹き出さずに済んだ人は、一体どれくらいいるのだろう。私は無理だったよ。
 1mある母さんの手作りキンパ、全身複雑骨折なのに全治三週間、色々パッションの溢れる文体に全力ギャグ短編かと思いつつ読み進めていたら、まさかの夢小説! しかも縁壱くん直筆という事実にニヤニヤが止まりません。中身読まれてしまっていることを知り、顔を真っ赤にして走っていく様がとても可愛いです。
 ノートとその内容を切っ掛けに、巌勝くんも縁壱くんが気になっている様子。インパクトのある掴みから始まりに、これから始まる二人の青春を予感させる締めが素晴らしい物語でした。



K-3:♡秘密の閨へようこそ♡俺と兄上のシークレット鍛錬♡なにをげんきにすれば良いの巻♡

 タイトルの主張が既に凄いじゃないですか。誰のナニを元気にするつもりだよ、ねぇ~(笑いが堪えきれていない)
 軽快なテンポの縁壱と巌勝の二人の会話文で話が進んでいきます。会話文が主体の作品なのかなと思っていたのですが、途中差し込まれた『兄上。幕の外に一回はけて、また戻ってくる』で、これは台本形式なのか! と気づきました。途中れんごくさんも加わり、彼の快闊な笑いで幕を閉じる……という、まさかの台本形式の部分は作中作、縁壱執筆の台本でしたか! お遊戯会で何を発表しようとしているんだよ、そりゃ二人から断られるわと、思い切り笑わせていただきました。楽しかったです。



K-4:ファンレター

 タイトルでC-6やG-6を思い出して一瞬身構えてしまった。
 熱量の高い縁巌作家〇〇様へのファンレターが続きます。エクスクラメーションマークの多さが、高ぶる縁巌愛に比例して行っていて、なんだか他人事に思えないというか。貧乏シリーズ私も読んでみたい~と、ほのぼのしながら読んでいたのですが、行間がガッツリ空いて、え? やっぱりストーカーものなの……? 鬼になろうは比喩なのかそれとも……と恐る恐る返信を読むと〇〇様も鬼なの!? ナチュラルに鬼に成る世界観なの!? なにはともあれ、作家の〇〇様と読者の××さんは永遠に縁巌を楽しむハッピーエンドってこと、ですかね!



K-5:言い訳

 真夜中の、しかも冬の海の上という静謐であり何処か不安感をも煽る存在を『ここで身を投げよと咎人へ命じているような誘惑がある』と書き記す表現力が素晴らしいです。冬の夜の海自体の描写も丁寧で、読んでいるこちらも冷たい潮風が頬を掠めるよう。
 仮眠スペースでの秘密の営みのシーンの濃厚さに、Fグループって全年齢だったよね!? と、はわはわしてしまいました。でも目を覆った指の隙間から見ちゃう← 弟と体を繋げる中で前世の己に問い質す兄。想いを確認し合ってはいるものの、弟と比べて素直にそれを口に出来ない自分自身へ、この想いは確固たるものだ大丈夫だと言い聞かせているのかなとも思えました。



K-6:シークレットシューズ

 中学時代の縁壱が何故シークレットシューズを買うに至ったかの経緯と理由が、恋に奔走する思春期ボーイって感じで凄く可愛いです。炭吉の言葉に天啓を受けるシーン、炭吉的には絶対その後に続く言葉の方が大事だったろうにと思うと少し不憫だなと思ってしまいました。ちゃんと話聞いてあげて縁壱。
 大人になって当時を揶揄い懐かしみながらも、縁壱を押し倒してくる兄上。思わず「キャー!」と黄色い悲鳴を上げそうになりました。あの頃は出来なかった事をしようと言って、バードキスの雨を降らせる兄上、王子様過ぎる。可愛いエピソードからの甘々エンドで読者はハッピーです。ご馳走様でした!





 コミカルとほっこりがぎゅっと濃縮されていました。
 作家の皆様、素晴らしい縁巌作品を生み出して下さり、本当にありがとうございました!