三毛田
2025-03-04 16:30:28
1075文字
Public 1000字3
 

21 01. 告白のための勇気

21日目
ふり絞る前に出てきた

「あー……
「暇なら、パムの手伝いでもすればいい。もしくは、三月の相手でもしていれば、いい時間潰しになる」
 こっちは丹恒と一緒にいたくてここにいるのに。という言葉は飲み込む。
 まあ、暇だという言葉を飲み込んでそんな声を出してしまった俺が悪いのだが。
「丹恒。休憩しない?」
「十分前にしたばかりだろう」
「うう……
 作業に集中しすぎて微動だにしない彼を何とか休憩をさせて、さっさと切り上げようとするのも阻止して。
 とりあえず一時間ほど休ませたのだが、息抜きが下手くそすぎてさっさと作業に戻ってしまった。
 駄目だ。
 勇気がなくてうだうだしたせいで、信用みたいなものが少しずつなくなっている気がする。
……お前が、この部屋で静かにしているだけで十分だ」
「そっか。でも、だからといって、休憩しなくていいわけじゃないからな」
「そこのしつこさは、パムと一緒だな」
 と苦笑して。それから、端末へと向き直り。
「丹恒」
「どうし……っ」
 後ろから抱き着くような距離に立ち、耳元で名前を呼ぶ。
 振り返った丹恒は驚いたように言葉を詰まらせ。
 開いた唇は、すぐに閉じる。
「俺、丹恒が好きだ」
 勇気を振り絞ることもなく、自然と好意の言葉が出て。
「なあ、丹恒」
 頬を撫でると、視線があちらこちらへと動き。
 でも、彼は何も口にせず。
「好きだ」
 反応がないのをいいことに、俺は畳みかけるように好意を告げ。
「キスするけど」
「それ、は」
「それは?」
「流石に、早すぎるんじゃないだろうか……
「そう?」
 自分の顔の可愛さを最大限に生かし、可愛らしい表情を心がけながら。
 丹恒は、俺から逃れようとしゃがむ。だが、それに合わせオレも動く。
「穹。少し考えさせてくれないか」
「良いよ。でも、丹恒のことに関しては、あんまり〝待て〟が出来ないんだ」
……お前は」
「ん?」
 何かを告げようとして、すぐに黙ってしまう。
「少しばかり忍耐力を持て」
「他に関しては、ちゃんと待ってる。でも、丹恒相手だから待てない」
「それは」
「うん。好きだから、だ」
 彼の告げようとしていた言葉がわかり、こちらが先に告げると、やはり動揺した表情を浮かべ。
 資料室に来るまで、どうやって勇気を出そうかと悩んでいたのに。
 こんなにもあっさりと言葉が出てしまったのはどうしてだろう。
 そこだけは、ちょっとだけ謎だ。
「お前から」
「うん」
「好意を向けられるとは、思っていなかった」
「そっか」
「嫌ではないのだが、多分お前の好意とは違う」