三毛田
2025-03-03 21:00:12
1081文字
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20 20. そして二人は恋に落ちる

20日目
君となら

「丹恒。お願いがあるんだ」
「どうした」
 たまには、お風呂に入ってリラックスしてみたら?
 そう提案したら、素直に俺の部屋に来て。そこで、どちらが先に入るかで揉めたのは内緒。
 そして、俺が出た後ゆっくりと湯船に浸かってリラックスしたというかリフレッシュした丹恒の髪を乾かし終え。
 俺は、あの日からずっと気になっていたことを彼にぶつけようとしていた。
「嫌なら断っていい」
「お前にしては、珍しく慎重だな」
「そうやって茶々入れないで」
「わかった。それで、お願いは?」
「角に触れたい」
 ピクリと眉だけ反応を示す。ああ。嫌だよな。
 あの姿を初めて俺達に見られた時、嫌そうというか、複雑そうな表情を浮かべていたもの。
 でも、海を割る前に何か言うことはないのか的なことを問いかけられて、俺が何も言わずただ見つめていた時の彼が、何を思い、考えていたのかはわからない。
「嫌なら嫌だって、言っていい。丹恒には、それを断る権利があるから」
「嫌……というよりも、驚いた。あの時、お前は何も言わなかったからな」
「かける言葉が特になかったから。でも」
「でも?」
「今思うと、綺麗だって言えばよかったなって。わぶっ」
……
 照れたのか、タオルを投げつけてくる。
 耳が赤く染まっているので、わかりやすい。
「そんなに触れたいのか」
「丹恒が嫌なら、強制はしない」
 そう。丹恒の気持ちが一番大切だ。
「お前の前でなら、あの姿になってもいい」
「本当!? じゃあ、鍵かけてくるからお願いします」
「わかった」
 ベッドを飛び降り、スリッパも履かずに部屋の鍵を閉めに走り回る。
「お願いします」
「ああ」
 ベッドに腰かけ、俺と入れ違いに立ち上がった丹恒を見つめ。
 ふわりと、その体が宙に軽く浮き。
 どういう構造になっているのか、長い髪に尖った耳。
 そして、白を基調とした服。大胆に開いた胸元。
 胡坐をかいて、宙に浮く。それと同時に透明な尻尾も現れ。尻尾が現れると同時に、角が伸び。
 神秘的なその姿に、思わず見惚れる。
「穹?」
「好きだ」
 丹恒の手を取り、まっすぐに見つめながら告げ。
 改めて思う。
 俺は、この人が好きだ。
……ああ。俺もお前が、好きだ」
「それって、仲間としてだろ?」
 思わず不貞腐れた声が出てしまった。
「お前は俺の言葉が信じられないのか?」
「だって。んんっ!?」
 頬に手が添えられ、唇が重ねられ。
「これでも、か?」
「丹恒!?」
 顔に熱が集中していき。
「角も体も、好きに触れろ」
「うう」
 ズルい!