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ぐるさん
2025-03-03 20:00:16
2135文字
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3.1 ふみりかワンドロ <逆視点>
ふみりかワンドロライ(@ fmrk_1draw)さんの2025.3.1お題を拝借したお話の逆視点です。
「理解、手繋いでいい?」
「繋ぎながら聞かないで!」
「理解、抱き締めていい?」
「聞く前に抱き締めないで!」
「理解、キスするね」
「せめてこっちの返事を聞け!!」
◇◇
休日の午後、二人きりの部屋、いつものソファの上
……
気づけば俺は理解と一進一退の攻防戦を繰り広げている。
「別にいいだろ、付き合ってるんだから」
「そういう問題じゃない!いくら恋人とは言え節度と言うものがあるだろ!」
暇なら一緒に本を読まないかと理解を部屋に誘ったはいいが、何だか無性に理解に触れたくてアレコレしてたらこんな事になってしまった。
「大体、許可もとらずに人の身体に触るな!」
「さっきからちゃんと確認してるだろ」
「私が答える前に実行したら意味無いだろ!」
「じゃあ改めてもう一回聞くけどキスしていい?」
「駄目に決まってるだろ馬鹿!」
ああ言えばこう言う
……
と言うより、理解は俺が何を言ってもバッサリ切り捨て否定する。
「はぁ
……
じゃあ理解は何だったらいい?」
「『何だったらいい?』って、そんなの当初の予定通り読書を
……
」
「でも、一緒に本を読む提案はしたけど、別に読書しかしたらいけない訳じゃないよな?」
紅い瞳をジッと見つめて揺さぶりをかけると、少し動揺が見え始める。
「確かに、読書だけをしろとは言いません。ただ、TPOを弁えましょうという話です。今はそういう時間じゃないでしょう?」
「じゃあ、いつ、どういう状況だったら良いの?」
「は?」
「理解は、あれも駄目これ駄目って、俺の行動をずっと否定するけど、具体的にどこが駄目?何が嫌?」
「えっ、いや、それは
……
」
よし、流れがこちらに傾いてきた。そのまま顔をグッと理解に近づけ畳み掛ける。
「俺は理解に触れたい、理解は俺に触れられたくない。それは良いよ、一旦認めるよ」
「
……
はい」
ようやく理解が、こちらの話を否定せずに聞くフェーズに入った事を確認する。ここまで来たらもう少しだ。
「でもさ、じゃあ何で嫌なのか理由も分からないままずっと拒否し続けるっていうのは、恋人とか家族とか云々以前に、人と人の関係としてどうなのかな?」
「うっ
……
」
「このままだと、理解は俺より六歳年上のお兄さんなのに、年甲斐もなく我儘を言い続けて駄々をこねている事になるけど、理解はそれでいいの?」
「ストップ!ストップ!!もうやめて下さいふみやさん!!」
「じゃあキスしていいよな?理解」
「またそれ!?ていうか何か言い方が嫌!」
まだ駄目か。つか言い方が嫌って何だよ。でも、ここまで来たら引き下がれないし引き下がる気も無いので、理解をそのままソファの端に追い詰め物理的に迫る作戦に切り替える。
だが、ここで理解から二つの意味で衝撃の発言が飛んで来た。
「大体、何でそんなに私触れる事に拘るんですか!?そもそも私、貴方に『暇だから部屋で一緒本読もう』って言われて来ただけで、何の準備も出来てないんですけど
……
!?」
理解は俺を両手で押しのけ何とか上体を起こすが、それを止める余裕は今の俺には無い。
「準備って何の
……
?」
「心の準備ですよ!!準備も無く許可も出す前に触られたら、ドキドキして何にも考えられなくなっちゃうでしょう!!」
「あー
……
そっちの
……
」
「『そっちの』って何ですか!それ以外何があるんです!?」
うん。そこはまぁ、そんな気はしてた。理解だし。でも、もう一つの疑問がまだ残っている。
「ですから、ふみやさんも金輪際こんな我儘は辞めて、大人しく読書に
……
」
それは何故、今日の俺はこんなにも理解に触れたいのか。理解がこうした事に慣れていない事を分かっていながら推し進めているのか。それが今、何となくだけど分かった気がする。
「ごめん、一緒に本を読もうって誘ったの、半分嘘」
「嘘ぉ!?」
「理解と二人っきりになりたくて、でも正直に言うの恥ずかしいから、適当に口実作っちゃった」
「えっ!?」
「それで理解が本当に部屋に来てくれたのが嬉しくて、でも、上手く言葉に出来なくて
……
だから、こう、肉体言語、的な?」
「はぁっ!?」
「何か、こう、理解の好きだなぁって思うと勝手に出るっていうか、好きな気持ちが大きすぎて言葉に乗り切れない分が漏れ出てる
……
みたいな?」
自分でも変な事を口走っていると思う。でも、本当なのだ。俺の誘いに何の疑いも無く了承する理解が、そのままストンといつものソファに座る理解が何だか無性に愛おしかった。でもそれを自覚する前に手が出てしまって怒らせてしまった。
「
……
ちゃんと自己分析すると、何か恥ずかしいな」
「聞いてるこっちも恥ずかしいですよ!と言うか自分の事何だから早く気がついて!」
思い返すと、今日の俺って結構我儘?人のこと言えない?それでも、自覚しても、どうしても確認したい事が一つ。
「でも、ちゃんと分かった上で改めて言うよ理解。俺の我儘、聞いてくれる?」
「
……
はい」
「俺は、理解と、キスがしたいです」
「
……
お、お願いします」
ようやく許可を得て触れた唇の温度は、想像してたよりもずっと熱かった。
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