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ortensia
2025-01-14 18:58:57
7720文字
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その他てて
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おるあり(広義)?パロ。なんでも許してください。おそらく現代日本。全てがゲームのろわれたでじかめのネタバレです。
呪われたデジカメ
その子はどのぉとぅさんの娘?
ようこそ!コールオブアビス除霊サイト!カンタン!サイキョウ!写真画像をアップロードするだけ!
斜体フォントがギラギラと液晶と共に目を刺し、思わず顰める。ウチのボロパソコンじゃ無くても、このサイトの絶妙に見づらい古臭いレイアウト形式は、おそらく変わらない。
かつての住まいであったエウリュディケ荘園、そこは今は公園になっている。そこで遊んでいて、死んだ娘。それ以来、眠れない日々。あの子が苦しめている、いつもいつも。あの子はまだこの世に縛られている、解放しなければ。もうこの世にはいないのだから。
怪しいサイトだが、こちらは藁にも縋る気持ちだ。幸いか、除霊するために写真を撮るための専用のデジカメは、五万エコー支払い後に直ぐに届いた。
これを持って荘園へ行くのだ。
亡くなった愛する人の写真をアップロードすれば霊は成仏し、霊からのメッセージも受け取れるらしい。やってみないことには、何も分からないが。
デスクトップに置いてある、保存していた自分のデータを再生する。思い出のビデオだ。
「花かんむり一人で作れるようになったんだよ。オルフィーにも見せてあげる。じゃあここからお花畑まで、どっちが早いか競争ね。よーいド」
データが壊れているのか、鈍い破裂音のようなものを上げて、動画はそこで固まってしまう。
カメラを向けると、こちらを向いたりポーズを取ったりしてくれる子だった。
エウリュディケ荘園へ行かなければ。
玄関に行くと、扉に取り付けられたポストの口から、投函されたチラシが落ちた。
「この子を探しています。思い当たる点がありましたら、こちらまで。」
行方不明の子供の情報だった。
拾い上げて靴箱の上に置き、家を出た。
トイレの個室から出る。
まだトイレ自体から出るわけには行かない。先ずは隣の個室と向き合う。
薄く開いた扉の隙間からこちらを覗く、タイル壁に描かれた二つの目の落書きは、顔を横向きにした、縦並びになるように描かれていた。
そこでデジカメに電源を入れる。
隙間を液晶に映す。
娘が頭を横に向けてこちらを見ている。
扉に体を隠すようにして、では無く、扉側では無い、壁側から。
娘を撮る。
個室扉の隙間は閉じられ、トイレ自体の扉が開いていた。
扉の横のタイル壁には、ごみ捨て禁止のポスターが有った。剥がれ掛かっている上、中央が汚れて見づらい。それを横目に、外から枯葉が入り込んだトイレの建物を出る。荘園の土や木々は、雨のせいで湿っていた。今は降っていないが、薄曇りで、またいつ雫を落とし始めるか分からない。
トイレの外壁に貼られた同様のポスターは剥がれ掛かってもおらず、汚れも目立たなかった。トイレのポスターでは汚れていた中央には、キャラクター着ぐるみのような被写体が配置されていた。何をモデルにしているかは分からないが、鴉に似ている気がする。
他にも、監視カメラ作動中の貼り紙。しかしその上のカメラは真下を向いており、とても機能しているようには思えない。
そうしていると、園内に設置された公衆電話が鳴った。
電話ボックスの扉を開けて、受話器を取る。
「オルフィー、電話かけてごめんなさい。いつ帰ってくるの?あのね、あたまが、少し、痛いの。もう帰って来る?わかった。」
切れた受話器を戻す。
今度はこちらから受話器を上げて、耳に当てる。
「木にコアラさんみたいに抱きついちゃう!」
受話器を戻す。
電話ボックスの扉を開けて、今度は出て行く。
この荘園には、幹が折れた木がある。
そこに向かうと、ぎりぎりと何かを引っ掻くような、木を削るような音がする。
幹の低い部分に、幹を一周するようにして傷が付いていた。
デジカメを起動させると、液晶に子供の手が見えた。木の幹に腕を回して、こちらからは手しか見えない。
しかし、こちらが動いても、手も一緒に動くので、手の持ち主と思われるそれ以外の体を映すことが出来ない。
そして、丁度その手の指の先に、幹の傷跡が有った。
写真を撮る。
地域の放送スピーカーから、声が響く。
小学生と思われる、子供の声だ。
「小学校からのお知らせです。最近、子供の行方不明者が出ています。夜遅くの外出は危険ですので、早めの帰宅をお願いします。」
ジャングルジムに向かう。
カメラを構えると、遊具の向こう側に娘が映った。ジャングルジム越しでのみ、娘を撮ることが出来た。
カメラを下ろし、地面に埋まったタイヤの遊具のわきを通る。
公園の出入り口は幾つかあるが、木々の生えていないそこから見える道の人通りは少なく、まだランドセルを背負った儘話に夢中になっている、帰宅途中と見られる小学生が数人見られるだけだ。
荘園に設置されたベンチに向かう。
ベンチのには両目の落書きが、広々座れる座面に、悠々と描かれている。
それを見下ろすようにして正面に立ち止まったあと、デジカメを構えて向かいの家を映す。
見ず知らずの他人の家の窓、その二つから、大きな娘の目が、こちらを見ていた。左右の目一つ一つが、それぞれの窓いっぱいに見詰めて来る。そして更にその隣の窓からは、赤い室内灯を背にして、鴉の着ぐるみキャラクターが、陰となって立っていた。
写真を撮る。
蛇口の水が出っ放しになっていた。
カメラを向けて、液晶を見る。
水の落ちる網の向こうには、娘がいた。
娘を撮る。
水は止まった。
もう一度トイレに戻る。
トイレの建物の内側からは、天井の無い梁が見えており、どうしてだかそこに長靴が載っていた。
デジカメを上向きに構える。
液晶には、梁から顔を覗かせるようにしてこちらを見る、しかし梁越しの体はどこにも無い娘がいた。
写真を撮る。
トイレを出る。
滑り台に向かう。
娘は、高い所が苦手だ。
滑り台の階段の裏には、二段分の階段板に、顔の落書きがあった。
デジカメを向ける。
液晶には、階段の隙間から覗く、細い足が見えた。
写真を撮る。
そのあとも、トンネル遊具の穴の中の天井からぶら下がる細い両足、トンネルの山の上に登る足掛けが錆の痕を垂らすところに逆さまに引っ掛かるうつ伏せの体、蠅のたかった砂袋が根本にある鉄棒の棒に頭の無い首がくっ付いてぶら下がる気を付けのポーズ、誰のものか知れない汚れたボールや黄色い帽子や長靴が有る儘の荘園で、娘の写真を何枚も撮った。
地域の放送スピーカーから声が響く。
「私の名前はアリスです。オルフィーがだいすきです。私はよくオルフィーと思い出の荘園に行っていました。でも、最近はオルフィーが忙しくて一緒に行けていません。次はいつ一緒に荘園に行けるのでしょうか?」
娘の作文発表を思い出した。そう言えば、逆上がりを一緒に練習すると話していた筈だった。
忙しく写真を撮り回り、すっかり遅くなってしまった。曇り空のせいか星も月も見えず、また、近所の明かりも届かない、暗い夜だ。
明かりを放つ自販機に、寄り掛かるようにしてランドセルが落ちていた。
カメラを向けると、液晶には取り出し口から伸びる手が、ランドセルを目指して、鞄の支度をしていた。
写真を撮る。
すると自販機から軽快な音が鳴り、壊れたように缶ビールがゴロゴロと出て来た。しかし、自販機の商品に酒類は無い。
音はやがて、段々と速度を落とした不協和音を唸らせ始め、ゆっくりと事切れたようにやむと、商品の排出も終わった。
ジャングルジムに戻ると、柵を画板の木枠に見立てたかのように、何枚もの鴉の絵が張られていた。
娘は、私の小説の挿絵を描くと言って、よく絵を描いていた。
滑り台は、一緒に教えて、練習して娘は滑れるようになった。
滑り台の着地点には、地面が足の裏で削られた窪みが有る。
そこに溜まった水から、あぶくのような音が聞こえる。
滑り台の階段を登って頂上に着くと、滑り台を見下ろす。
台座は何処からか水が流れ続けていた。
遊具の頂上には、水は溜まっていないようだ。
カメラを構える。液晶では、娘が丁度、滑り台のゴール先に溜まった水溜りに、うつ伏せに吸い込まれて行くところだった。
公衆電話の受話器が揺れていた。
漫画のような表現だが、呼び出し音が鳴っているわけではない。
電話ボックスに入っても、やはり受話器だけが小刻みに揺れている。
他を確認しようとすると、電話ボックスの扉がしまっていた。
透明な扉板のすみに、割れた亀裂が放射状に入っている。
他の壁は、ボックス内の照明が反射して、公衆電話が鏡のように写っている。
受話器にデジカメを向けた。
受話器の部分を反射させた透明な壁が、娘が受話器をつついて遊んでいる姿も反射させていた。
その反射した壁を撮る。
途端にその場で泣き出した。
水はボックスの底から湧き出るように水面が上昇し、扉は依然として開かない儘。そして遂に電話ボックス内は水で満たされた。
気付くと雨粒は大きく降り注いでいた。
しかし幸いか、風もなければざあざあ振りというわけでもない。
撮影は続けられそうだ。
電話ボックスを出る。
ブランコが揺れていた。
四つ有るうちの一つだけ、鎖を捻った状態の儘、前後に揺れている。
この儘漕ぐと、揺れている間に回転するのだ。
この乗りかたを娘に教えたのは私だ。
カメラを構える。
ブランコの下は、蹴った足で地面が削れていた。その窪みに雨水が溜まっている。
液晶には、その水溜りから出て来た娘が、ブランコの座面を持って、鎖を捻っている光景が映った。
写真を撮る。
四つのブランコが、一斉に揺れた。
中央の園内灯が赤く光っている。
その照明の下、娘のお気に入りのパンダの遊具。
その乗り物には、横に並んだ他の形のモチーフのものと違い、影が無かった。
カメラを向け液晶に映っていたのは、どちらかと言うと人型の影だった。撮影する。
地域の放送スピーカーから声が響く。
報道と思われる、大人の声だ。
「
……
年生の女子が行方不明になっていることが分かりました
……
昨日午後8時ごろ
……
」
もう帰ろう。
自宅でアクセスした除霊サイトに、心霊写真をアップロードする。
写真は死後十三日以内でなければならないらしく、ルールの注意書きがある。
完了したアップロード画面が閉じ、別の画面が開く。
これが霊からのメッセージか。
動画が再生されるように流れる映像は、娘がこちらを振り返りながら、急ぎ足でトイレに向かい、怯えながら個室の扉を閉めた。
部屋の明かりが点滅した。
あの子はまだここにいる。
部屋と台所を隔てる磨り硝子越しに、小学生の娘と、成長した娘の姿が、交互に点滅した。
パソコンの前から立ち上がり、足下にゴロゴロと転がした儘の缶ビールを踏まないように、扉の隙間ある部屋に向かう。
開かない。
そこでデジカメに電源を入れる。
隙間を液晶に映す。
娘がいる。
炬燵机の上に足を揃えて腰掛け、膝に手を載せ、体をこちらに向けている。頭の後ろの、小さなリボンの髪飾りが、こちらに向いている。
娘を撮る。
扉を開けることが出来る。
壁には画板の木枠が、壁の至る所に立て掛けてある。
カメラを構える。
髪の毛を垂らしたエアコンの網目状の隙間から、中に娘がいることが分かる。
写真を撮る。
炬燵の中に、首の下迄すっぽり入った娘がいる。
写真を撮る。
洗濯物の両袖から、腕が伸びている。
写真を撮る。
箪笥を開けると、ぎっしりと折り畳まれた娘が積んであった。
写真を撮る。
廊下側の扉を開けて、部屋を出る。
廊下には電話が置いてある。
何か有った時のためにも、娘には使いかたを教えてあった。
そして廊下の先には玄関が有る。
玄関の近くには、娘の部屋が有る。
娘の部屋の扉には「アリス」と書かれたネームプレートが提がっている。
娘の部屋の扉は、開かない。
廊下から台所に入る扉を開ける。
台所には大きな窓が有り、それよりも長く垂れたカーテンが吊るされている。
カメラを向ける。
デジカメの液晶に映った、大きな窓のカーテンに隠れん坊するように足だけ見せた、子供の肩迄の影を、写真に撮る。首は見当たらない。
虫が沸くように出て来る冷蔵庫の後ろに向けて、壁に体を付けて、デジカメに映るように調節する。液晶には、壁と冷蔵庫の隙間に埋まった、娘の姿があった。写真に撮る。
また廊下に出る。
電話の受話器を取る
「洗濯機には隠れちゃダメなんだって。」
受話器を置く。
洗濯機の音がするので覗き込むが、洗濯物は入っていない。
カメラを向けると、液晶にはくるくると回転する娘の姿があった。写真を撮る。
ベランダから風の音がするので、一度パソコンの部屋に戻る。
デジカメの液晶に夜の外を映す。
椅子の置いてあるベランダの、手摺り壁の縁に掛けた、小さな手だけが覗いていた。腰壁で胴体は見えないが、外側に降りた体を、細い指だけが支えている。
写真を撮る。
部屋のすみにはごみ袋を積んで置いてある。
カメラを向ける。
液晶には、ごみ袋同士の隙間から、細い両足が仰向けに伸びていた。
写真を撮る。
この部屋にはテレビもある。
照明はもう点滅していない。
照明器具の傘の部分に、赤黒い跳ね汚れが付いている。
トイレの流れる音がする。
廊下を通ってトイレに向かう。
トイレの前の風呂場は開かない。
トイレの扉を開けて、カメラを向ける。
液晶には、タンクの蓋を開けた娘が映っていた。そこから出ようとしているようだった。
写真を取る瞬間、蓋に挟まって、野菜か何かのように、腕がごとりと便器の蓋の上に落ちた。
その儘カメラを構えて振り返ると、開けておいていたトイレの扉上から、成長した娘が見下ろしていた。娘を撮る。
廊下に出ると、玄関に成長した娘が立っていた。
こっちに来る。
写真を撮る。
いや、娘は自分の部屋に向かっていたのかも知れない。
娘の部屋に向かうと、扉が薄く開いていた。
赤黒く汚れた床の娘の部屋を背に、そこから覗き込むようにして体を倒した鴉の着ぐるみキャラクターが、こちらを見た。
思わず扉を閉めて、後退りする。
部屋の照明は消えており、一定以上先は夜が呑んでいた。
パソコンは何故か画面が点いており、しかし緑の砂嵐を映しているだけ。テレビも灰色だ。
暗闇から鴉の着ぐるみキャラクターが現れた。
慌ててカメラで撮る。
キャラクターは消えた。
思い出してみると、着ぐるみなのは鴉の頭だけで、その胴体の服装は、私が普段着ている見慣れたものだった。
そしてまた別方向の暗闇から現れた鴉頭も撮影する。
キャラクターは消えた。
今のは娘だった。今の鴉の服装は、ブレザー制服だった。死んだ娘が成長したら、あんなふうに制服を着ていただろうか。いや、幾ら体が成長しても、小学校の制服をその儘着ては、体に合わない。
暗闇から、何かを引っ掻くような音がする。
娘が、鴉頭の娘が、私の万年筆のペン先をこちらに向けて、振りかぶって来た。
カメラで撮る。
娘は消えた。
走って娘の部屋に逃げ込んで、急いで扉を閉める。
娘の部屋では、勉強机の明かりが照っていた。
娘の部屋の壁には、娘が描いた鴉の絵が、何枚も貼られていた。
勉強机の上には写真立て。持ち上げて写真を見る。写っているのは、鴉のキャラクターの人形を持って、頬に寄せているアリスの姿。
その他勉強机には、赤ん坊大の女児向けの人形が数体。隣に置かれたクロゼットには、床と同じ色の汚れが、扉に跳ね飛んでいた。
写真立てを元に戻し、部屋を出る。
パソコンの前に戻り、アップロード用の写真を確認する。
鴉を撮った写真は、全て写真立ての同じ写真だった。
アップロード画面が出る。
そこで、前は出なかったウインドウが開く。
「死後十三日を超えた故人の写真があります。ルールに違反しています。」
エラーウインドウが、幾つも表示され続ける。
しかしそれも全て消えると、霊からのメッセージが表示される。
動画では、明かりの消された家の中で、アリスがゆっくりと部屋から出て、廊下を進んでいる。おそらく電話に向かっているのだろう。一時画面が途切れる。アリスが苦しそうな声を上げる。また我慢が途切れる。倒れたアリスの姿。玄関の扉が開く音。
「アリス、おい大丈夫か。アリス。アリス、アリス!」
動画が終わると、玄関扉から音がする。
向かうと、またチラシが投函される。
「この子を探しています。思い当たる点がありましたら、こちらまで。ライヘンバッハ。」
荘園に向かう前に見たチラシと同じものだ。
ライヘンバッハ氏のお嬢さんが行方不明であるという内容だった。
テレビから音がする。
「花かんむり一人で作れるようになったんだよ。オルフィーにも見せてあげる。じゃあここからお花畑まで、どっちが早いか競争ね。よーいド」
何度も繰り返し見て擦り切れたように壊れた映像が映っていた。
電話が鳴る。
廊下に出て、電話に出る。
「オルフィー、電話かけてごめんなさい。いつ帰ってくるの?あのね、あたまが、少し、痛いの。もう帰って来る?わかった。」
切れた電話の受話器を置く。
浴室の扉が開いていた。
デジカメを向ける。
液晶に映った浴槽からは、ライヘンバッハ氏のお嬢さんが這い出て来た。その儘タイル床を蹲りながら進み、こちらへ向かって来る。
デジカメを下ろす。
「アリス。」
浴室の扉の縁に手を掛けて立ち上がったアリスは、俯いた儘電話機の前に立つと、教えた手順で電話を使った。
押されたボタンの連絡先は、警察。
「あ、あの。お父さんが、ライヘンバッハさんの娘さんを、殺しました。」
のこされたのは、外された儘、落ちた受話器だった。
外からサイレンの音が聞こえる。
玄関扉から音がする。
扉を確認した後、ベランダに逃げる。
ベランダからデジカメが地面に落ちる。
落下の衝撃でカメラの電源が入る。
ひびの入った液晶画面は、外の地面からベランダを映していた。
そこからは、男性が背中を押されたように勢い良く、地面へ向かって体が投げ出された。何かが叩き付けられる音がする。
続いてベランダにやって来たのは、随分前に死んだとされる娘の姿だった。父を追うようにして身を投げたが、落下音はしなかった。
「高い所は苦手だったけど、どっちが早いか競争ね。」
そして、着ぐるみのような手が、万年筆と共に画面に伸びて来た。
手は、カメラを拾い上げるように映り込んだあと、画面は途切れた。
「よーいド」
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いつもリアクション絵文字等ありがとうございます。
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