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ortensia
2025-01-01 17:47:43
1402文字
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傭リ
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ふぁんたじぃよりよーり。家畜知識皆無。か、かんししゃサーン!
人の言葉を覚える家畜。
昔々ある所に、寡黙で仕事に忠実な男がおりました。
その男は、とある男に、ある仕事を任されました。
畜産農家の猟犬です。
地に立った黒くうねった何かを、沢山育てて食べるのだそうです。
「いいですか?この家畜達はそばに猟犬、おまえが居れば活発に動きます、だから世話を怠ると直ぐに分かりますからね?」
男は、猟犬はこっくりと頷きました。元より仕事に忠実な身、監視が無くとも問題有りません。そこを買われたようなものです、これから飼われるのです。監視者を世話するのは猟犬の仕事ですが、猟犬も監視者も、飼い主は同じでした。
猟犬は命じられた仕事を粛々とこなしました。
監視者達は猟犬と同じくらい寡黙で鳴き声らしい鳴き声は上げませんでしたが、時々上がるものは人の声に良く似ていました。
農家を様子見に来る飼い主は、必ず畜舎から離れて会話をしました。
「とあるお喋りな男がこの仕事をした時のことです、この家畜達は男の言葉を覚えました。」
おはようございます、お待ちかねのものですよ。
「男が家畜の餌を遣る時に普段言って居た言葉です。」
「
……
覚えた言葉は、それだけか?」
「まさか。」
美味しいです。嬉しいです。はい。分かりました。可愛いですね。嬉しそうですね。美味しそうですね。
「幾ら鳴き声の代わりだと思おうとしても、相槌のように返るそれはきちんと会話を成立させるものであり、声だけならば」
面倒を見て居る相手が食物だと容易く忘れられる。
「それで今はおまえに任せてる、って話です。」
猟犬は一つ瞬きました。
「おまえはどうです?」
飼い主は例え話をしました。
「これから食べようとするモノが、自分を慕うかのように同じ言葉を発したら」
ソレを食物として思い続けられますか?
猟犬は少し考えるように目を伏せ口を閉じて居ました。
「
……
先に訊いても良いか」
「なんでしょう」
「おれはおまえの食物成り得るか?」
「おまえ?」
猟犬は、飼い主が監視者と同じように自分を食べることが出来るかと訊ねました。猟犬は食用種では有りませんし、猟犬も監視者を食べる側の立場ですが、監視者は自分と飼い主を同じくするモノです。
「出来るか出来ないかで言えば、出来るのでは?必要に駆られれば?」
飼い主の答えに、猟犬は笑いました。
「正に、食べる側の見解だ。」
それは嘲るようでも有り、諦めたようでも有り、満足そうでも有り、憐れむようでも有り、嬉しそうでも有りました。
「食べる食べない、その選択肢すら、食べる側にしか与えられることは無い。」
飼い主は当然揺るぎ無く食べる側の立場であり覆りません、例え猟犬が飼い主を食べたがったとしても。
「だがおまえはそれで良い。」
猟犬は飼い主をじっと見ました。
「だっておれは、おまえがそうであることでおまえに食べられるとしても、喜んで変わらずおまえの猟犬で居る。だからおまえはそれが良い。」
猟犬はうっそりと笑って飼い主を見ました。
飼い主は、嗚呼これを食べる悪食には出来ればなりたくないものだな、と思いました。それはそれとして、監視者が言葉を覚えようが覚えまいが、この猟犬と同じように食べられても構わないと思っているかは、分からないものだろうとも思いました。
そんな飼い主と猟犬を知ってか知らずか、監視者は今も彼らを畜舎で待ちかねているのです。
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いつもリアクション絵文字等ありがとうございます。
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