今まで1人で平気だったのに君たちのせいで平気じゃなくなってしまった。誤解されたってなんとも思わなかったのに君たちだけにはされたくないなと思ってしまった。君たちのせいで私は弱くなった。
こんな弱い私はいらないのにそれでも手放せないのはなんで。って困ったように笑っていた。
それは困ったねえと差し出されたガトーショコラ。
「なんだい?」
「サービスだヨ」
「何を考えている?」
「最善だよ」
それをフォークで少しすくって口に入れた。それが何かと分かっていながら。
【パーシヴァル】
廊下を歩くバーソロミューを見つけた。
隣にいたカルナが急に彼に駆け寄り肩を強く掴んだ。必死な、悲痛な顔で、カルナは怒鳴るように言ったのだ。
「捨てたな?!貴様は、捨てたんだな?!愚かだ、貴様は愚か者だ!!!!!」
今まで見たことのない姿に言葉を失う。息を乱し彼を睨み続けている。肩を強く掴む手をそっとほどきながらバーソロミューは言う。
「...すまないカルナ。私はただの海賊だ。それ故なのだろうか、なんだその、君が悪いのではないんだが、、、。君が何を言っているのか分からない。とりあえず、怒られてるのかな?」
カルナの腕が脱力しだらんと落ちる。
はく、と口を動かしても何も言葉が出ない。私は、今何が起きたのか理解できないままでいた。
「今、なんと?」
「やあ!パーシヴァル!ああ、その、私が何かしてしまったみたいで。すまない。これでは彼の身内になんて言われるやら。」
本当に申し訳なさそうな彼と、魂が抜け落ちたような顔をしたカルナ。
「バーソロミュー、何があったんです」
「?なにも」
「そんなわけない」
「...じゃあ、何かあったんだろうね」
自分が何かしてしまってこの2人に迷惑をかけているのではないかと彼は思ったようだ。
「カルナ、君に申し訳ないことを私はしたのだろうね。でも、原因が分からないまま謝るのは誠実じゃない。ちゃんと自分がしたことを分かってから君に謝罪したい。だめだろうか?」
「...」
「その時に許して欲しいなんて言わないさ。ただ、謝罪を聞いて欲しいんだ。」
「愚かだ」
「愚かだろうね」
「君がそんな顔をすると、なんだかこっちまで苦しくなるね。うん、少し時間が欲しい。また...またね。」
カルナから離れ私の方を見たバーソロミューはぎこちなく笑った。
「力になりたい」
「君まで傷つけそうだよ」
そう言って足早に彼は去っていった。
エネミーに囲まれた。
ここは逃走が1番だがそれには少し
「時間が足りないね」
彼がそう呟くと。マスターにすまないけど後は頼んだよと言う。彼女は首を振る。
「何を」
「パーシヴァル、囮が必要なことは分かるだろう?」
「いいえ」
「君なら分かるはずだ。マスターを抱えて逃げてくれ。できるだけ遠くへ。」
「バーソロミュー、私そんなの命じてないよ」
「マスター、戦場に情けは必要ない。なあに、お先に帰るだけだよ。」
「しないと約束した」
「?」
「貴方はカルナと私に約束した。そういった自己犠牲は今後一切しないと。」
「...覚えがない」
「したんです」
「...誓約書でも持ってまた来てくれ。」
頭にかっと血が上るのを感じた。許せないと、思ってしまった。
彼は宝具を展開させ私とマスターを退かせる。
「海賊なんか信じるものじゃないよ、騎士様。」
「カルナにもそう言えますか」
「...聞こえないよ。砲撃の音で何もね。」
その直後彼の攻撃が始まった。
マスターを抱え自分は逃げることしかできなかった。彼の消滅を確認した後でさえこの怒りは消えなかった。
カルナがいなくて良かった。とても傷ついただろうから。
でもいて欲しかった。彼の一瞬のゆらぎを2人でつなぎ止めたかった。
【バーソロミュー】
パーシヴァルのあんな顔を初めて見た。初めてと言えるほど付き合いがあるのかと聞かれれば微妙だが。あれからそりゃもうマスターに叱られた。この歳で。年下の子に。...カルナがあの場にいなくて良かったと思う。何故だろう。まあ、よく分からないが、前にも傷つけてしまったようだし。はあ、私はただいつもの私でいるだけだ。世渡りなら上手い自信があるが何故か最近はそうでもない気がする。...捨てた、ね。何をだろうか。
今の自分になんの問題もないのだしいいんじゃないか。いやまあここのサーヴァントたちとは上手くやりたいから現状がいいとは言えないが。...考えろ。カルナを傷つけた理由を。ちゃんと謝らなければならない。思い出せ、約束を。パーシヴァルの言っていた約束とやらを。
私が捨てた何かを。
🦋
『なんだい今度は思い出したいのかね?自分から捨てたいと言ったじゃないか。なんともまあ勝手な海賊だ。私がした提案を君は飲んだ、いや食べただろう?君の望みは叶ったんじゃないのかね?はあ~、まあ予想は着いていたがね。気になるなら蝶を追うといい。ほら、そこに。後で文句を言われても私は聞かないからね。』
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