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三毛田
2025-02-27 21:16:56
1091文字
Public
1000字3
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16 16. 傷つけて知った痛み
16日目
傷つけたら君も俺も痛いと知った
16 16. 傷つけて知った痛み
「丹恒の馬鹿ぁ!」
「むっ。穹だって、わからずやじゃないか」
「丹恒なんか知らない!」
「
……
」
資料室を飛び出していくとき見えたのは、泣きそうだけれどそれを必死にこらえているような顔。
その表現が合っているのか、わからない。だって、彼は泣かない人だから。
「わっ」
「ご、ごめん」
ラウンジを走り抜け、パーティー車両へ入ったところで誰かにぶつかる。
「サンデー、大丈夫か?」
「なんとか。ところで、どうしました? 喧嘩でもしましたか?」
「え」
今日は珍しく、ラウンジには誰もいなかったからバレてないと思っていたのに。
差し出した手は途中で止まり。
「ワタシも、幼少期にロビンと喧嘩したときに同じような表情を浮かべていました。あの子も、同じ顔をしていて」
そこで言葉を区切り、座ろうと促してきたのでソファーに腰掛ける。
「きっかけは、今思えばくだらないことでした。でも、あの頃は、お互い必死で。意見の対立や衝突をよく起こしていました。お互い一歩も引かない。でも、段々悲しい上に、寂しくなっていって。泣きながら謝ったら、ロビンも泣きながら謝ってくれたんです」
「
……
泣き虫だったんだ」
「昔の話ですよ? アナタと丹恒さんは、親友なのでしょう? 悲しい、寂しいとすぐに思うはず」
その言葉に、一瞬見えた表情を思い出して胸が痛む。
「許して、もらえるかな」
「それはお二人次第かと」
「わかった。お礼はプリンタルトをホールで」
「はい。お待ちしてます」
目を丸くしたけれど、ふとほほ笑んで送り出してくれる。
年長者の余裕を感じられて、ちょっとムカついたのは秘密。
資料室の前で、深呼吸一つ。
ノックをする。反応はない。
「開いている」
もう一度ノックしようとしたところで、低めの声。
「丹恒」
「
……
俺のことは、もう知らないんじゃなかったのか」
棘のある言葉に反射で反論しようとしたけれど、グッと我慢。
「ごめん」
腰から曲げて頭を下げる。沈黙が広がり、ただ言葉を待つことしかできず。
「俺も悪かった。頭を上げろ、穹」
その言葉に、顔を上げる。
痛みを堪えているような、それと同時に泣きそうな。
「丹恒!」
床を蹴って、飛びつく。それと同時に彼を抱きしめ。
「ごめん。ごめんなさい! 俺のこと、嫌いにならないでぇ」
「お前を嫌いにあることは絶対にない」
「でも、でもぉ」
鼻の奥が痛い。そして、涙があふれて止まらない。
丹恒は、俺の背中を優しく撫でてくれて。
「好きだ、穹」
「俺も大好き」
だみ声が出た。
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