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来羅
2025-02-26 18:53:36
925文字
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怪物
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無題(jwds)
日常の些細な話。
ドンシクという男はかなり大雑把だ。
料理をすれば野菜は大きくて不揃いだし、調味料も計量しないで目分量なので美味しいけれども大味になる。
帰ってきてもジャケットをソファの背もたれに放るし、部屋着のまま寝ることもしょっちゅう。
風呂に入ればしっかり髪を乾かさずに出てくるものだから、ぽたりぽたりと長くなった前髪から垂れる雫がやけに煽情的で困る。そして困っているジュウォンがわかっているくせに、むしろわかるがゆえににやにやするから最悪だ。
「どうしました?」
わざとらしくうそぶいて、ドンシクが首を傾げた。
肩にかけたタオルで髪をガシガシと拭いているが、濡れた前髪から覗く目は面白がっている。
「もっと丁寧に拭かないと」
ソファに座らせ、タオルを奪う。後ろに回って優しく丁寧に水分を取っていくジュウォンに、ドンシクはいつもされるがままだ。
「そんな、女の子じゃあるまいし」
「雑に拭いてると、将来禿げますよ」
恨めしげに言えば、ドンシクは吹き出した。
「俺の髪が心配?」
「禿げてもドンシクさんはドンシクさんですけどね。大事にします」
「禿げるの前提なの?」
何がおかしいのか体を揺らして笑うので、拭きにくい。
ぐいっと両手で顔の横を掴んで真っ直ぐ前を向くように固定させる。そのまま首筋を辿って鎖骨を撫で、抱きつくように腕をこうさせて頭にキスすれば、含み笑いが唇から直に伝わった。
「ドライヤー、かけなくていいんですか?」
「
……
もう少しだけ」
甘やかしたり、甘えたり。
ドンシクといると心はいつも忙しない。
そしておそらくそれは、ドンシクも同様なのかもしれない。
「どうせなら正面からにしましょ」
体を捻ってジュウォンを見つめる瞳は仕方がない人だと告げている。けれどもこうなることを見越して雑に拭いて髪を濡らしたまま出てくるドンシクも大概だろう。わざとジュウォンに世話を焼かせるのは、離れていかない手を確かめてでもいるかのようだ。
ドンシクという男は本当に大雑把でタチが悪い。
「ドンシクさん、髪冷たいです」
「拭いてよ、ジュウォナ」
禿げないように。
笑いながら茶化すドンシクの髪にジュウォンはそっと指を滑らせた。
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