さちこ/Sharia
2025-02-24 18:52:01
788文字
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銃を砕いたその理由

漆黒ネタ

「そういえば、なんでガンブレイカーにしたんだ」

そう尋ねるサンクレッドに、シャリアはぱちくりとその紫色の瞳を瞬かせた。

この気の抜けた英雄の背には最近、弓ではなくガンブレードが鎮座している。
最近始めたのだ、と呑気に笑う彼女は黒を基調とした装備を身に纏い、技回しの厄介さに悲鳴を上げながらも敵の群れに飛び込んでいく。……まぁ、敵の中心に飛び込んでいくのは、どんな武器を持っていようがいつものことだが。

アイスココアをくいっと煽ったシャリアは、少し気恥ずかしそうに頬を掻く。

「暁で最前線張れるの、きみだけでしょ。任せっきりは悪いと思って」

だからって同じにしなくても。
そうサンクレッドの顔に書いてあったのか、英雄はクスクスと笑いながらソイルに軽くエーテルを込める。

「ほら、わたしは環境エーテル使うのヘッタクソでしょ。自己エーテルだけで完結できるのはガンブレイカーしかなかったの」

ちょうどラドヴァンさんたちとも出会ったし、と彼女はソイルを入れた袋をサンクレッドに投げて寄越した。
ラドヴァン。英雄に、シャリアにガンブレードを教えた人間。
どんなやつかと会ってみれば、どことなく天然な、とぼけたオジサンだった。あれでいてアツいところがあるんだ、と彼女は語る。

……言ってくれたら、俺だって教えたけどな」
「いやよ。こっそり特訓してびっくりさせたかったし」

アイスココアを飲み干し、氷を口内で噛み砕き始めたシャリアを、サンクレッドは目を丸くして見つめた。
確かに彼女が初めて目の前でガンブレードを取り出した時は驚いたものだが、まさかサプライズのつもりだったなんて。
なぜ、と尋ねると、彼女は普通の少女のようににぱりと笑い、こう答えた。

「あの大樹の下にナナモ様とサンクレッドが居なかったら、わたし暁に居なかったもの。ちょっとくらい恩返しさせてよね」