三毛田
2025-02-24 13:55:45
1093文字
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13 13. 目を閉じたらその先は

13日目
何を君とするのだろうか

13 13. 目を閉じたらその先は
『きゅぅ……
 己の口から出たのは、なんとも頼りない声。
 はっと我に返って、無意識にコートを掴んでいた手を離す。
『丹恒』
 俺を呼びながら伸ばされた手は、そっと頬を撫で。
 あの場所にいた頃のように、彼が危害を加えることはないと分かっていても、一瞬だけ体がこわばった。
『いい?』
 甘えるように、でも、俺の許可を求めるように。
 深呼吸をして、体の力を抜いてから目を閉じる。
 その先は言葉にしなくてもわかってくれる。そもそも、穹がその行動をしたくてたまらないと表情に出していた。
『好きだ』
 いつもより低く、腰に響く声。
 重ねられる唇に、溺れてしまわぬようしがみつく。
『今日の丹恒、積極的でいいな』
 一度唇を離し、舌なめずりしながらそんなことを口にする。
『穹、もっと』
『俺も足りない』
 まるで噛みつくように大きく口を開け、再び口づけを交わす。
……
 それは、俺の願望が見せた夢か。それとも、あった出来事を反芻し、記憶させるために脳が見せた夢なのか。
 起きようとすると、腹のあたりが重い。
「むにゃ……たんこぉ、すごく大きなスイカだよぉ! 一緒に食べよ……
「何の夢を見ているんだ、お前は」
 俺の脇腹に頬ずりしながら、むにゃむにゃと寝言を口にする穹。
 重みの正体は、抱きついてきていた彼で。
 寝た時は、隣で嬉しそうに笑っていたのに。
 頭を撫でると、むにゃむにゃ嬉しそうに口を動かして。
「きゅう」
 名前を呼ぶと、すりすりと俺の胸に顔を摺り寄せる。
 穹は、俺の胸が好きなようで俺を膝に乗せては胸に顔を寄せ。後ろから抱き着いては胸を揉み。寝てる時でも、こうして胸に顔を寄せて穏やかな表情を浮かべる。
 体を重ねる時でも、胸を重点的に触れてくる。嫌なのかと問われると、そうではないから困っているのだ。
「いただきまぁす」
「ぁっ、こらっ」
 寝ぼけているのか、大きく口を開けて噛みついてくる。
「きゅ、そこはっ、俺の……んんっ」
「むにゃ……美味しい……
「きゅぅ、もう……ん、離してくれ」
 服の上から、ちゅぱちゅぱと胸を吸ってくる。ちょくちょくこうやって吸ってるが、何をしたって出るわけじゃないのに。
「ふぅん……むにゃ……
 突然飽きたのか、それとも夢の中でしゃぶっていたものがなくなったのか。
 その真偽は不明だが、口を離してもたれかかってきて。
「勘弁してくれ……
 思わずそんな声が出てしまった。
 これは、二度寝どころではない。
 もやもやとした気持ちを抱えながら、眠る穹の頬をつねる。