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らぎ
2025-02-23 23:10:44
485文字
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モノノ怪
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離坤ドロライ第三回「船」「空腹」
せっかくなので1~3回の書いてないお題も使わせて頂こうかと…!
坤の薬売りの朝はそこそこ早い。
薄く日が登り、鳥が囀りだす頃に目を覚ましてから人肌の温もり残る布団を勢いよく跳ね上げ、手早く股引を履き終えて朱の襦袢を腰紐で留めるまでは四半刻も掛からない。そう、そこまでは。
「
…………
坤の」
地を這うような声が坤の薬売りを引き止め、次いでまだ敷かれたままの布団の中から、ヌッと細腕が伸びてきて物理的に坤の薬売りの踝を引き止める。さながら沼から手を伸ばす河童の如き、普段からは想像もつかぬ様相の離の薬売りに、坤の薬売りは思わず相好を崩した。
「起きてください、離の方
…
あっしは腹が減りました。」
起床を促されて漸くといった様子で離の薬売りが上半身を起こす。かと思えば切れ長の瞳は閉じたまま、
顔
かんばせ
はゆるく船を漕いでいる。
「離の方、ちょっと
…
!?」
やわく肩に置かれた坤の薬売りの手首をぐっと掴み、その痩躯を引き寄せた離の薬売りは勢いのままに二人分の身体を自身の布団に抱き込んでしまった。器用なものである。
「離の方
…
」
早めの朝餉は諦めたらしい坤の薬売りが背を撫でる感触に、離の薬売りは深々と息を吐いた。日の出には、まだ早い。
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