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三毛田
2025-02-23 21:41:12
1099文字
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1000字3
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12 12. 喉が嗄れるほど呼んで
12日目
君は君だと伝え続ける
12 12. 喉が嗄れるほど呼んで
「丹恒」
「どうした」
「たーんこ!」
「穹」
「たんこぉ」
「こら。用があるなら早く言え。ないなら、呼ぶな」
後ろから抱き着いていたのだが、ベリッと勢いよくはがされてしまう。
「あうあう」
「そんな声を出しても駄目だからな」
「今日の丹恒冷たい。つれない」
「お前、依頼に行くとか言っていなかったか」
「それ、何時間前の事だよ。というか、朝に伝えたことだろ? 丹恒って、資料室で作業してると、時間間隔がおかしくなるよな」
俺なんか、依頼に行って帰ってきて、依頼者に半ば押し付けられたお土産はパムに渡し。
ご飯を食べて、自室でお風呂に入って。昼寝をしてから来たのに。
パムが、ご飯を届けても、返事はなかったと嘆いていた。
「丹恒。今からは、休もう。それで、ご飯食べよう」
すっかり冷えてしまった食事の乗ったトレーを持ち、彼の手を引いて廊下へ。
廊下にある椅子に座り、丹恒を膝に乗せてスプーンでオムライスを掬い上げ。
「あーん」
「穹、自分で食べられる」
「駄目。丹恒、集中しないから」
「ちゃんと食べる」
「いいから、大人しく食べて」
ズイ。と、スプーンを差し出すと渋々口を開けて。
しっかり咀嚼して飲み込んだのを確認してから、次の一口を入れる。
「ごちそうさま」
「はい。しっかり食べられました」
「
……
今度から、ちゃんと自分で食べる」
よっぽと食べさせてもらうのが恥ずかしかったのか、紙ナプキンで口を拭った後ボソボソと。
耳が赤くなっている。
「丹恒」
「何だ」
「ちゃんと食べられて偉いな」
頭を撫でると、クルクル喉を鳴らして。それから軽く頭突きを。
可愛い。可愛くて、食べちゃいたい。
「丹恒」
名前を呼びながら、髪と耳にキスをする。
これからもずっと、俺は彼の名前を呼ぶ。
拒否されたり、嫌われない限り。
喉が嗄れてしまわない限り。
「穹」
名前を呼ぶと、呼び返してくれて。
丹恒に優しい声で呼ばれるとくすぐったくて。でも、とても嬉しい。
「キスしていい?」
「オムライスの味だが、いいのか」
「いいよ。キスしたい」
「それなら」
そっと、俺より冷たい指先が頬を撫で。それから、唇を重ね合う。
焼いた卵、ケチャップ、チキンライス。
色々な味が口の中で混ざり合って。俺もオムライスを食べているような気持に。
「美味しかった?」
「ああ。パムの作る食事は美味い」
「俺もそう思う。でも、すぐに食べなかったことは謝ろう?」
「わかった。だから、膝から下ろしてくれ」
「どうしよっかな~」
「穹」
「わかってる」
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