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<a href="
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=7795226" target="_blank">TITANISCH 前編【初恋+墺普洪瑞列英摩ヘッシャン+α】</a>
<a href="
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=7795444" target="_blank">Titanisch~語られざる真実の物語~《起》 </a>
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http://privatter.net/p/2220584" target="_blank">お魚の前作はこちら</a>
かの有名なサー・アーサー・カークランドの事をどう思うか、と問われれば、俺は迷わずこう答える。
『一筋縄ではいかない人物だ』と。
そう、彼は本当に一筋縄ではいかない人物だった。お世辞にも清廉な生き方はしていなかった。寧ろ多くの者にとって、狡猾で手段を選ばない恐ろしい男だっただろうという確信がある。
だけど、それでも彼は高潔な紳士の見本で、どこまでも立派で、兄のように慕っていた従兄弟で、そして
――俺にとって、生きる道を示してくれた偉大なヒーローだった。
――いいか、アルフレッド。顔を上げて、まっすぐに前を見るんだ。
薄っすらと目蓋を持ち上げ、微睡みと倦怠感に沈もうとする身体を起こして、俺は呟いた。
「
……うわ、サイアクだ。」
最悪。そう、最低最悪の気分だ。
大きなため息をひとつ零すと、俺はベッドから勢いよく起き上がる。勢いをつけ過ぎたのか、ベッドが途端にギシリと悲鳴をあげたが、そんな事はどうでもよかった。
カーテンを勢いよく開き、陽の光を身体に取り込む。深く息を吸って、そして俺は、吐き棄てるようにして呟いた。
「
――本ッッ当に、しつこい男だな、君は。」
既に十数年が経った。だというのに、『彼』は未だに時折夢に現れる。
もし心配でもしているつもりなら、見当違いだ。俺は充分にうまくやってるし、一人でも生きていける。心配すべきは跡を継いだマシューの方のはずだ。俺じゃない。
「
――いっそ、なにもかも君と一緒に沈んでくれれば良かったのに。」
十数年経っても纏わり付いたままの朧げに霞んだ幻影も、煩わしい思い出も。君への憧れも不満も。あらゆる全てがあの北大西洋に沈んでくれたのならば。いっそ、君を完全に忘れてしまえたならば。
もし、そうだったならば、これ程までに面倒な気分を味わうことも無かったに違いないのに。
震える指を握りしめて、それでも俺は真っ直ぐに窓の外にひろがる空を睨みつけた。
俯く事は、絶対にしなかった。
……否、できなかった。
ああ、それもこれも、みんなあのサー・アーサー・カークランドのせいだ!
堅苦しいスーツに袖を通し、俺は通りを一人で歩いていた。こういう夢を見た日というのは、幸運だった試しがない。大人しく仕事に専念していたいところだったが、そういう時に限って急ぎの仕事も特になく、俺はため息を吐いた。
あれから十年と、数年。悲劇の豪華客船の沈没事故は、関わった者達の心に未だ陰を落としている。それでも、俺にとって十年という時間は長すぎた。
照りつける陽射しに、俺は目を細める。
建物の陰になっている部分を見つけ、そこに身を滑り込ませると、俺はハンカチで汗を拭った。
天を仰ぐようにして、目を閉じる。
思い浮かべようとした夢に出てきた小憎たらしい紳士の顔は、長い月日に溶かされてすっかり輪郭を失いつつある。だというのに、あの特徴的な太い眉毛だけはしっかり浮かんでくるものだから、俺は思わず吹き出しかけた。
「あーあ、本っ当君ってやつは中途半端だな。」
実の弟のように可愛がってもらった。とてもよくしてくれた。憧れであり、いずれ越えるべき目標でもあった。それは、間違いない。
だけど、それでも思い出せるのは、今となっては何度も言われた小言の数々と、それから太い眉毛くらいしか残っていない。鬱陶しい事この上ない。
だというのに、完全に嫌いになる事もできない。サー・アーサー・カークランドという紳士は、そういう男だった。
俺は澄み渡った青空に悪態をついて歩き出した。
……空は、どこまでも晴れていた。雨の降る気配は、少しも無かった。
心を覆った分厚い灰色雲を吹き飛ばすべく、俺はその日、とある人物の家へと足を向けた。
フェリシアーノ・ヴァルガス。大切な友人であり、俺の大好きな画家であり、そして
――かの沈没事故の、生存者である。
扉をノックして彼が出迎えてくれるのを待つ間、俺は少しだけ緊張していた。
――俺は今、きちんと笑えているのだろうか。
過ぎる不安に、生唾を飲み込む。恐らく今の俺は、今朝方久しぶりに遭遇した悪夢に、らしくもなく落ち込んでいる。
俺は他人に弱みなんて見せたくないし、見せるべきじゃないと思ってる。紳士として、男として、常に前を向いていたいとそう思っている。だから、決してフェリシアーノに泣き言を言いに来たわけではない。
それでも彼に会おうと思ったのは、気持ちを切り替える必要があると考えたからだ。
パタパタと足音が響き、そして
――少しだけ慌てた様子で、それでも嬉しそうにフェリシアーノが扉を開けて現れた。
「やあフェリシアーノ!久しぶりだね!」
心を覆っている雨雲を悟らせぬよう、俺は努めて笑顔で彼に声をかけた。
絞り出した声はどこかわざとらしいくらい大きくなってしまったが、フェリシアーノは気が付かなかったのか、変わらぬ笑みで迎えてくれた。
「アルフレッド!どうしたの?こっちに来る約束なんてしてたっけ?」
スケジュールを確認しようとする彼は、手や腕のあちらこちらに
――それどころか頬にまで
――油絵具が付いていた。
俺は出来る限り悪戯っぽく見えるように口角を吊り上げて笑って見せる。
「ハハハ、約束なんてしてないんだぞ!良いじゃないか、俺と君との仲だろ?」
フェリシアーノが嬉しそうに頷き返した。
「あいかわらずだね、アルフレッドは。」
――よかった、ちゃんと『いつもどおり』に出来てたみたいだ。
俺は内心でホッとため息を吐く。そうだ、アルフレッドという男は、いつだって変わらぬ笑顔で前を向いているんだ。そう、ずっと昔にそう決めたのだから。
よかったらあがって、と促す彼に、俺はウィンクをして明るく答えた。
「お言葉に甘えるよ!」
フェリシアーノに通された部屋は、それなりに散らかってはいたが、別に言うほど酷くは無かった。
恐らく、先ほどまで絵を描いていたから、それで片付いていないというだけなのだろう。
様々な絵の具が乗せられたパレットや色とりどりの絵の具が染み込んだボロ布、溶油、絵の具で汚れた油壺、ペインティングナイフや新聞紙。散らかった道具がここで彼が絵を描いていた、その光景を鮮明に浮かび上がらせている。
思わず綻んだ口元を隠す為、俺は唇を噛み締めた。空いている椅子を見つけ、堅苦しいコートを勢いよく脱ぐと、やや乱雑に掛ける。コートに皺を作ってしまいそうだったが、構いやしなかった。もうひとつの椅子を引いた俺は、後ろ向きにそれに座ると椅子の背もたれに顎を乗せた。
「ふー。やっぱ俺、こういう場所の方が落ち着くよ。」
しみじみとした口調が、つい口元から零れ落ちる。今朝からの鬱屈した気分がどこか軽くなったのは、きっとこの部屋の主の
――フェリシアーノの人柄のおかげだと思う。
悲劇の豪華客船から助かった、優しい彼。
裏表のないまっすぐな人柄は、そしてそんな彼の描く絵は
――いつだって、誰かの心を明るく照らしてくれる。少なくとも、俺はそう思っている。
フェリシアーノが思わずといった様子で吹き出したので、俺は少しだけきまりが悪くなって頬を掻いた。別に、心の中を見透かされている訳ではないのだけれど、それでも。嫌な夢を見たから君に会いたくなりました、だなんて絶対に知られたくないし言いたくもない。だいたいそんなの言ったら「どこのカップルだ」と呆れられそうだ。いや、怖がられて泣かれるかも。
「大丈夫?そういうことしてたら、仕事の仲間とかに怒られちゃったりしない?」
「ノープロブレムさ、フェリシアーノ。出来る男っていうのは、プライベートに仕事を持ち込まないのさ。
――そしてまた逆も然り、ってね。」
自信満々にそう言ったその瞬間、俺の耳元で遠い昔に忘れた筈だった記憶が再生された。
――だいじょうぶかい?そんなふうにしてたら、仕事の時に怒られたりしないかい?
――問題ねえよ、アルフレッド。一流の紳士ってのは、プライベートに仕事を持ち込まない。そして逆もまた真なり、だ。
気障とも言える微笑みは、十年以上もの時間に阻まれて相変わらずぼやけている。それでも、記憶の中でその青年
――アーサーが不敵な笑みを浮かべているのが伝わってきた。
今朝方からの悪夢は、いつにも増して執念深いらしい。吹き出したフェリシアーノにつられて笑いながら、俺は早く本題に入ろうと身をよじった。
「ところで
……新作はあるかい?」
輝く太陽のように誰かを照らす、新たな作品。それを見ればきっと、この塞ぎ込んだ気持ちもどうにかなることだろう。身を乗り出した俺に対し、フェリシアーノはうん、と少しだけ考えるそぶりを見せた後、へにゃりと微笑んでみせた。
「これといった絵は無いと思う。なんなら、今から描こうか?」
なんだ、無いのか。少しだけがっかりした気分になって肩を竦めた俺は、最後の言葉が言外に「その状態の君を」と言ってる事に気が付いた。
「勘弁してくれよ。こんな姿を絵に残されたら、どっかの自称紳士が海の底から小言を言いに来そうだ。」
その言葉は、本当にするりと口元から溢れてしまった。
しまった、と気がつくがもう遅い。フェリシアーノは驚愕と困惑をごちゃまぜにした表情で硬直した。
――冗談でも言うべき言葉ではなかった。
フェリシアーノがあの北大西洋で大切な友を亡くした事は、既に知っている。それを、同じくあの海に沈んだ人間を揶揄するような言葉を
――それも身内である例えばマシューのような人間でさえ顔を顰めるような言葉を
――皮肉交じりの冗談にして投げかけるなど、無神経にもほどがあった。
「気に障ったならごめんよ。」
言いながらも、俺は猛烈な憤りを感じていた。今朝からの悪夢に引きずられてこんな風に誰かを傷つけてしまった、弱い自分に。
(
――そうだ、わかってる。アーサーの事をまだ完全に忘れられない、弱い俺がいけないんだ。)
本当は乗り越えれている筈だった。だって俺は彼が死んだと知った時だって、その後だって、一度も泣いたりなんかしなかった。
突然の訃報は、そりゃ確かに信じられないと思ったさ。でも、それでも俺は取り乱したりなんかしなかったし、大事な人を失って嘆く人を助ける為に全力を尽くした。俯いたりなんか絶対しない、弱みなんて見せない、それは俺のちっぽけな矜持だ。
だから、十年以上もの時間が経過した今になって、今更になって、彼の
……アーサーの事を思い出して感傷に浸るなんて、そんなのは。
硬く握った拳が震え、掌に爪が食い込む。
「
……ううん
……、俺
…………。」
フェリシアーノはどこか機械じみた動きでぎこちなく首を横に振った。口を何度か開いて、その度閉じて。なにか言葉を探している様子の彼を見て、俺は早い所この空気をどうにかしようと必死に頭を働かせる。
俺はふと部屋の一角にあるものを見つけて指差した。
「
……あれっ、もしかしてその絵は新作かい?」
アトリエ用としては小さな画架は、布がかけられていて中身は窺えない。だけど、よく考えて見れば新作の可能性は極めて高かった。
だって、フェリシアーノはどう考えても俺が来る直前まで何かを描いていたはずだと思うから。
急な話題の転換に驚いたのか、フェリシアーノがびくんと肩を震わせる。
「
――見てもいいかい?」
「
――いいよ。
……君が、望むなら。」
フェリシアーノの返答は、どこか不思議な感じがした。まるで、切望と僅かな恐怖がかわりばんこに顔を出しているみたいな。
躊躇いは、一瞬だった。
彼にとっては失敗の絵なのかもしれない。見せるのは躊躇われるのかもしれない。だけど、アーサーの事をこれ以上思い出して失言を重ねるわけにはいかなかった。
気を抜けば歪みそうな口元をできる限り吊り上げて、できるだけ楽しそうに見えるようにと意識して。
「そうかい?よーし、それじゃあいざ、フェリシアーノ画伯の新作にご対面なんだぞ!」
俺は、布をひっぱって取り払った。
瞬間、視界に飛び込んできたその絵に、戸惑う羽目になるとは思わずに。
その絵は、まるで海の底で描いたかのようだった。暗い水底で、それでも光を待つような、どこか寂しい絵。繋がる線や色彩が描き出す、今にも壊れそうなくらいの切なさと寂しさ。淡く溶けてしまいそうな色合いの中に、一人の少年が浮かび上がっている。どこか固い笑顔を向けているその彼のくすんだ青色の瞳は、まさしく深海そのものの色味だった。
(
――――あ、)
それでも、その絵にはどこまでも暖かな想いが込められていた。
だから、俺は。
脳裏に突然浮かんだ人物の姿に、息を呑んだ。
――いいか、アルフレッド。これからどんな事があったって、顔を上げて、まっすぐに前を見るんだ。
お前は、お前の舞台の主人公 なんだから。
フェリシアーノの絵が俺の頭にずっとかかっていたもやを吹き飛ばし、ぼやけて見えなくなっていた筈の男の顔をはっきりと照らし出す。
幼い俺を覗き込んで笑うその太い眉毛の紳士は、眩しげに目を細めながらも優しく微笑んでいた。
(
――なんだよ、キミってやつは。卑怯じゃないか。)
俺は、必死に歯を食いしばる。
ようやく、長い時間をかけてようやく忘れる事が出来たと思ったのに。全然似ても似つかない少年の絵を通して思い出させてくるだなんて、本当にこの紳士は卑怯だ。不意打ち騙し討ちだなんて、一流の紳士のする事なのかと問い詰めてやりたい。
それに何より、今更になって会いたいと思わせるだなんて、顔を上げろと言った癖に俺を俯かせ泣かせようとするなんて、酷すぎる。大嫌いだ、こんなやつ。
「
――へぇ、いつもと違う感じのタッチの絵だね。
……どこか寂しい感じがする。俺はどっちかというと、君にはいつも通りの絵を描いて欲しいけど。」
鋭い口調で、俺はそう感想を述べる。普段通りの明るい言い方なんて、する余裕が無かった。気を抜けば、目蓋の裏まで込み上げてきた熱いものが、外へと零れ落ちてしまいそうだったから。
でも。
――ああ、だけど。
「だけど、これはこれで好きだな。なんだかこの絵の彼が、君をとても大切に想ってるのが伝わってくる気がするよ。」
見たくないものを突き付けてくる絵だと思う。悲しい絵だと思う。だけどそれでも、おかげで久しぶりに懐かしい人物に逢えた気がする。気がつくと俺は微笑んでいた。
(そうだ、俺はきっと。ずっと鍵をかけていただけだったんだ。)
アーサーがあの日北大西洋に沈んだと聞いても、俺は今日までずっと泣かなかった。だから、乗り越えれたつもりでいた。
だけど、そもそも多分俺は、泣いている暇なんて無かった。
最初のうちは、彼があの船に乗っていたなんて信じられなかった。だから、泣けなかった。
事情を飲み込めた時には、俺の周りには失意に暮れる人が溢れていた。例えば俺にフェリシアーノを紹介したヘーデルヴァーリもそうだし、そのフェリシアーノも大切な友を失っていた。それでも皆、前を向いて歩き出そうとしていた。だから、彼らを差し置いて泣くわけにはいかなかった。
俺と全く同じ立場のマシューが泣いていた時も、俺は、彼をどうにか宥めなければとそればかりを考えていた。泣くという選択肢自体が無かった。
そして、皆それぞれが立ち直り始めた頃。
例えばマシューが、アーサーの為にあの船の真実を調べようとするのを見て。
例えばフェリシアーノが、亡くした友との約束を果たす為にと筆を取り沢山の絵を描くのを見て。
俺は、俺だけは、大切だった人の為になにも出来ていない事に気がついた。
だからこそ、俺は無かった事にしようとした。忘れたフリをして、乗り越えたつもりになって。嫌いになったつもりになって。
それでも。いいや、だからこそ。
「.
…暖かくて素敵な絵だと思う。」
本当に、心からそう思う。
真っ先に記憶から零れ落ちてしまったあの笑顔に、また巡り会わせてくれたから。
ようやく、彼の死を心から悼む気持ちになれたから。
半信半疑で問い返すフェリシアーノに頷いて、俺は彼に頼み込む。
「なんならこの絵も買い取らせて欲しいな。
――これ、いくらだい?」
既に俺は、どれほど高額になったとしてもこの絵を買おうと心に決めていた。そして、誰にも見られないところで、そっとアーサーの為に、そしてこの少年の為に涙を流そうと。
彼らが沈んだのは北大西洋だ、俺が存分に泣いたとしても、その涙が溢れかえる事は無いだろう。
「ええと、値段はない
……よ。」
戸惑ったような顔でフェリシアーノがそう答えた。
「値段はない
……?あっ、そっか売る気はないって事かい?それはごめんよ。だけど、今度こういう絵を描くときは是非
――」
「ううん、そうじゃないよ。今度描く予定もいまのところ無いし。えっとね、それは失敗作っていうか
……うん、棄てるつもりだったんだ。」
それはまたどうして?と問いながら、俺はこっそり考える。
まあ確かに、この絵はいつものフェリシアーノの画風とかけ離れているし、技法も何もあったものじゃなかった。だから、彼にとって失敗作なのは仕方ないのかもしれない。けれど、もう二度と描くつもりが無いというならば、是非とも譲って欲しいところだった。
俺がじっとフェリシアーノを見つめると、彼はそっと目を伏せて、そして曖昧に微笑んだ。
「だってその絵はきっと
――遺書だから。」
突然の物騒な言葉に、俺はギョッとしてフェリシアーノを見返した。彼の寂しげな笑顔は、絵の中の少年のそれととてもよく似ていた。
混乱した俺を宥めたフェリシアーノは、安物のコーヒーを淹れて俺に向き合った。
緊張したままカップを受け取り、そして口を付ける。
泥水のような苦味は、フェリシアーノがいつも淹れてくれるのと同じ味だった。
美味しい物が好きで、意外にも舌が肥えているはずのフェリシアーノが、どうしてこんなにも不味いコーヒーを飲んでいるのか、アルフレッドは知らない。昔それとなく尋ねた時は、「なんとなくだよ」とはぐらかされた覚えがある。
だけど、なんとなく。悲しみや後悔などの苦い気持ちを流し込む為に飲んでいるのではないかと、俺はふとそう思った。
大丈夫だよ、もうヘンな事は考えたりしてないからとそう微笑むフェリシアーノは、やはり無理をしているようにしか見えなくて、俺は思わず言葉を紡ぐ。
「
……わからないんだぞ。今の君は、それほど人生に絶望してるようには見えない。」
かつてならば、あの事故の直後ならわかる。だけど、十年以上が経過した今になって、どうして。曖昧に頷くフェリシアーノに詰め寄るようにして問うと、フェリシアーノは「だからこそだよ」と呟いた。
「だからこそ、会いたくなったんだ。」
その言葉に、俺は脳を金槌で殴られた気分を味わった。誰に会いたくなったか、そんなものは言われずともわかる。
もういいんじゃないかと思った、そう淡々と語るフェリシアーノの言葉に、俺は口を挟もうとして
――、それでも何も言えなかった。
「もし、その絵が俺にとって納得できる出来栄えだったら。
――たぶん俺、あの子に会いに行ってたと思う。」
その言葉に、俺は大きく息を呑んだ。何か言おうとして、いや叫ぼうとして、それでも俺は言葉を失って硬直する。
「だから、遺書。出来損ないの遺書だけどね。」
今にも壊れてしまいそうな微笑みを浮かべて、フェリシアーノは泣きそうに笑った。
俺は、何も言えないままキャンバスへと視線を落とす。
――死者に囚われるなと、おかしな事を考えるなと、そうフェリシアーノを叱るべきなのかもしれない。ああ、だけど。
今の俺には、それを言う資格があるのだろうか。
死者に囚われたまま、あの船に心の半分を委ねたままでいるのは、きっと俺も同じだ。
おかしな事を考える?
――俺だって、本当はアーサーに会いたい。格好付けて海に沈んだあの紳士に、言ってやりたい事は山ほどある。
(
――それに、きっと。)
多分、この絵の少年は
――ルートヴィクは、今のフェリシアーノが生きる理由だ。彼を忘れたりしてしまったら、フェリシアーノは間違いなく
――本当の意味で生きていけない。その確信があった。
「
……君は
……、今度描く予定は無いと言ったね?けれど、もしかしたらまた
――いつかおなじようにこの絵を描くんじゃないのかい?」
そんな事ないよと言って欲しくて、思わず尋ねる。
フェリシアーノは、まるで眩ゆい光に晒されたかのように目を細めると、頼りない笑みを浮かべて言った。
「
――わかんない。」
予想通りの答えに、俺は手の中のカップを睨みつけた。黒い液体の中に映り込んだ自分の顔は酷く険しく、まるで不甲斐ない俺自身を責めているようだった。
――何を言えば良い。俺にできる事は、本当に無いのか?
静かに空気を吐き出したその瞬間、波紋をえがきはじめた水面に、俺はふと誰かの面影を見出した気がした。
――If the sun and moon should doubt,They'd immediately go out.
To be in a passion you good may do,But no good if a passion is in you.
――なんだい、それ?
――ピカリング草稿 、無垢の予兆の一節だ。
『太陽や月がもしも自分を疑うならば、それらはたちどころに消え去るだろう。
情熱的であるならば、何をするのも構わない。しかしお前に情熱が無いならば、それは良い事とは言えない。』
良いか、アルフレッド。自分を信じ、まっすぐ胸を張って歩くんだ。例え太陽や月が消え去る日が来ても――その時は、お前自身が太陽になればいい。なんだって良い、命を懸けるに相応しい大切な物を見つけて、それを芯にして育め。――そうすれば、一念はきっと無限を満たす。
浮かんだ言の葉に、俺は黒い水面を一層強く睨みつけた。
――なんだい、君は。何を言えば良いか教えてやるとでも言いたいのかい?
――全く、お節介にも程があるよ。
俺は、静かにフェリシアーノに視線を合わせ、そして決意を込めて口を開いた。
「フェリシアーノ。この絵、やっぱり譲って欲しい。
……いいや、ちょっと違うな。この絵を俺に、預ける気は無いかい?」
一瞬、呆然としたフェリシアーノは、慌てて立ち上がろうとする。
「ど、どうして?今の話聞いてた?」
「ああ、聞いてたさ。
――うん、ちょっと結論を急ぎすぎたかもしれないね。ちゃんと話すから聞いてくれるかい?」
右手で彼を制し、なるべく普段通りに聞こえるようにと気を付けながら俺は彼を座らせる。
コホン、と小さく咳払いをして、俺は口を開いた。
「
――いいかいフェリシアーノ。俺は、人生というのは舞台そのものじゃないかと考えている。誰もが主役で、そして誰もが生まれついて役を与えられているんだ。生まれたからには誰もが自分の才能を全力で使って、自分の役を演じきるのが当然の義務だ。途中で自ら舞台を降りるなんて事は、あってはいけないんだ。」
これは、今なら思い出せる。アーサーの受け売りだ。
――いいか、アルフレッド。人間には誰しも生まれついての役割がある。その為に神は地位や才能を与えるんだ。だから俺もお前も、それらを全力で活用しなければいけない。それが、舞台を与えた神への礼儀であり、才を持たざる者へ見せるべき誠意だ。
「既に舞台を降りた者の事を、考えるなとは言わない。だけど、君は君の舞台に全力で向き合わなきゃいけない筈だ。
――少なくとも、今はまだ。」
その言葉が存外に強い口調になってしまったのは、恐らく俺自身にも向けられるべき言葉だったせいだ。
「
――それでも、俺はあの子にもう一度会いたいよ。」
ギュッとズボンの裾を握りしめたフェリシアーノに、俺は出来るだけ優しい笑顔を向けた。
「ああ、わかってる。だからこそ、君はこの絵を棄てるべきじゃないと、俺はそう思う。」
情熱的であるならば、何をするのも構わない。しかしお前に情熱が無いならば、それは良い事とは言えない。
アーサーの教えてくれた詩を思い出す。そうだ。フェリシアーノの情熱はきっと、この少年にあるものだ。だからこそ、棄ててはいけない。忘れてはいけない。彼が自分を見失い輝きを失いかけている今、俺は彼の太陽にならなければいけない。それが、遠い昔に俺自身に誓った事であり
――また、アーサーとの約束でもあるのだから。
「確かに君は彼のところに行きたがってる。天国にいる、彼の所にね。
――だけど君の場合は、だからこそ誰よりも真剣に生きていけるんだと思う。そして、もし俺の予想が正しいのだとしたら、この絵はきっと遺書なんかじゃない。」
そこまで言って、俺はコーヒーに口を付けた。熱を失いつつあるコーヒーは、やはり猛烈に不味い。
「
……だったら、なんだっていうの?」
恐る恐る、といった様子で尋ねてくるフェリシアーノに、俺ははっきりと答える。
「
……羽だよ。」
「ハネ?」
「きっと君は、天国に飛び立った鷲を追う為の翼を作ろうとしたんだ。」
呆然とこちらを見るフェリシアーノに構う事なく、俺はコーヒーを飲んだ。
ピカリング草稿を書き記したウィリアム・ブレイクは、多くの詩を書いている。
俺は、その中の一つ、天国と地獄の結婚の「地獄の格言」からの一節を思い出していた。
自らの羽で飛ぶ鳥に高く飛び過ぎるということはない。
フェリシアーノにはきっと、未だ無限の可能性がある。だけど彼は、ルートヴィクという翼を失った。だからこそ、自らの翼を作ろうとしたのだろう。
「
……きっと君は、いつかたくさんの羽を作って、そして翼を広げて彼を追うんだと思う。だけど、それは今じゃないよ。だから、今の君にはその絵は必要ない。
――それでも、その絵を描いた時に込めた想いは、彼を想う気持ちは、絶対に棄てるべきじゃないと思う。」
紡いだ言葉は柄にもなく静かな口調になった。こんな声が出せたのかと、自分でも驚くくらいに。だけど、フェリシアーノの瞳が揺れたのを俺は確かにこの目で見た。だから、大丈夫だと思えた。
――恐らくこの絵は、まだ本当の意味でフェリシアーノの翼にはなっていない。だからきっと。いつか彼は羽を広げて飛び立つに違いない。借り物の羽が、ルートヴィクの羽が、フェリシアーノ自身のものになったら。
――きっと。
「お金なら払うよ。だから、その絵を預からせてほしい。
――君に羽が必要になったその時に、本当の意味で向き合う必要が出てきたその時に、俺から買い戻せばいい。俺の死後も問題なく買い戻せるように、ちゃんと弁護士にでも頼んでおくよ。」
「
――良いの?重いよ?」
重い。それは決して、絵の重量の事ではなかった。
この絵に込められ想い。それはきっと、『死』に対する憧憬だ。
明るく前向き。世間から見た俺の像を考えれば、きっと似合わない絵に違いない。
だけど、だからこそ。
――俺は、その重さを背負う必要があると思えた。棄ててしまうのではなく、沈めてしまうのではなく、背負い、受け入れる強さが、俺にはきっと必要だ。決して忘れてはいけない想いを、真っ正面から見つめる為に。
「構わないさ。弱きを助け強きを挫く。それがアルフレッド・F・ジョーンズという男だからね。背負いきれないものがあったらいつでも頼ってくれよ。」
俺は茶目っ気たっぷりにウィンクを決め込んで、コーヒーを飲み干した。
空になったカップをテーブルに置いたその時、フェリシアーノが口を開いた。
「
……アルフレッドは、かっこいいね。どうしてそんなかっこいい事言えちゃうの。」
涙に震えるその声は、羨ましいと言っているようにも聞こえた。
(
――かっこいい、か。)
本当は全然、そんな事はなかった。十年以上も勘違いをして強がって、大事なものを見落としてた。滑稽だと思われても仕方ないくらいだ。ずっと同じ人を同じように大切に思い続けるフェリシアーノの方が、ずっとずっとかっこいいと思う。
だけど。
――もしそれでも、俺をかっこいいと言ってくれるのなら。
「そりゃ当然、
主人公 だからさ。」
――きっと、そういう事なんだろうと思う。そして、フェリシアーノ。
君も、君自身にとっての、そして俺にとっての 輝かしい
主人公 の一人なんだ。
結局あの後絵を譲ってもらう事になった俺は、タダでもいいと主張するフェリシアーノに紙幣を半ば無理矢理に押し付ける形となった。
――大切な事を思い出させてくれたお礼は、きっとどれだけの金を積んだって釣り合わない。だから、この貸しはこれからゆっくりと返していこうと、そう思えた。
絵を傷付けないよう気をつけながら帰路に着こうとした俺は、ふと振り返った。
「
……そうだ、フェリシアーノ。」
「なあに?」
フェリシアーノのきょとんとした眼に泣き腫らした跡があった事に気が付いたのはつい先ほどだった。
「
……そう簡単に舞台から降りないでくれよ?俺は俺の舞台の主人公だけれど、それと同時に君の舞台の熱烈なファンでもあるんだ。」
もし、ただ強がって無理しているだけならば、今すぐちゃんと頼って欲しい。空元気でごまかされたら、俺はもう心配する事すら出来ないから。
フェリシアーノは、そんな俺ににっこりと笑った。
「大丈夫。
……まだ飛び立つわけにはいかないもんね。」
その言葉は、彼自身にも言い聞かせているような気がした。
「俺は歩くよ。世界中を歩いて回って、そして色んなものを描くんだ。」
フェリシアーノの笑顔はどこまでも澄んでいて、
――先ほどまでの翳りはどこにもなかった。
大丈夫だ。今のフェリシアーノなら、きっと。
すとんと心の中に落ちてきた答えに、俺は思わず微笑んだ。
「それが良いよ。君の舞台はきっと、陽の光の当たる地上にあるから。」
俺は、ふととある言葉を思いついて、握り拳を突き出した。フェリシアーノは最初こそ戸惑ったものの
……、同じようにして拳を突き出し、そして俺たちは互いの拳をコツンと当てる。
「
――お楽しみはこれからだ!」
俺が叫んだのは、今流行りの映画の名台詞だった。
驚くフェリシアーノに、俺は心の底からの笑みを浮かべてみせた。
「
――今のは、俺たちの舞台の観客に対してなんだぞ。お互い、最高の舞台を作ろうじゃないか。」
あの映画は、まず拍手から始まる。そして、この台詞が入るのだ。
――お楽しみはこれからだ。
待ってくれ、君たちはまだ何も聴いちゃいないんだ。俺たちは、まだ何もしていない。
今の俺たちに、これ以上に似合う言葉が他にあるだろうか!
「
――うん、そうだね!」
フェリシアーノはそう頷いて
――今日一番の笑顔を見せた。
時間が押しているからと、俺は踵を返す。
本当は予定なんかちっとも無いのだけれど
――今日は雨が降りそうだから、仕方がない。
俺は、雲ひとつない空を見て、すこし皮肉げな笑みを浮かべる。恐らくは、アーサーがよく浮かべていたのと同じはずの笑みを。
――良いか、アルフレッド。自分を信じ、まっすぐ胸を張って歩くんだ。例え太陽や月が消え去る日が来ても――その時は、お前自身が太陽になればいい。なんだって良い、命を懸けるに相応しい大切な物を見つけて、それを芯にして育め。――そうすれば、一念はきっと無限を満たす。
――おおっ、なんかカッコいいんだぞ、その言葉!
――ハハッ、かっこいいのは当然だ。だって俺たちは、自分を見失わず信じる何かを持つ限りは、俺たち自身の物語の主人公なんだから。
――へぇ〜、凄いんだぞ!
――登ってこいよ、アルフレッド。俺たちと同じ舞台に。
やっとハッキリと思い出せた彼は、どこまでもまっすぐな瞳で俺を覗き込んでいた。
だから俺は、出来る限り背すじをピンと伸ばして、まっすぐに歩いていく。
(
……そうだな、俺も。)
あれから十数年が経った。今もまだ、傷が完全に癒えたとは言えない。ああ、それでも。
「
――お楽しみはこれからだ、アーサー。」
まだ、歩き続けよう。そして、いつか俺も舞台を降りる日が来たら。その時は、真っ先に君を探しに行こう。
きっと今も、俺の舞台を楽しみにしている、最前列の
観客 を。
たぶん君は、ティターニッシュに乗ってるだろうから、まずは勝手にカッコつけやがってと海に叩き落としてやるんだ。それで、きっと俺たちは大喧嘩するんだろうね。
言ってやりたい事は山ほどある。例えば、君が教えてくれた無垢の預言だとか、地獄の格言だとか、そういう詩の事。アレは難解で長くて、どう考えても当時十にも満たなかった俺に教える言葉じゃないと思うんだ。他にも言いたい事はそれこそ無限にあるんだ、覚悟していてほしい。
そして、言いたい事をぜんぶ言い終えたら、絶対こう言ってやるんだ。
「
――それでどうだい?俺が
主人公 の物語は。最高だっただろ?」って!
そう考えた瞬間、雨粒がひとつ流れ落ちそうになったから俺は慌てて歩を進めた。
ああ、やっぱり今日は雨が降りそうだ。
――だから、久しぶりに紅茶でも飲んでみようかな。
俺は晴れすぎた空を見上げて微笑んだ。
どこかで観ているであろう観客が、仕方ないなと笑った気がした。
(おわり)
✳︎あとがきっぽいもの✳︎
ツイッターでそっと描かせていただいた手描き動画の補足としてフェリシアーノ編を書いたのですが、今回のはその補完というか、没にしたアルフレッド視点になります。やってる事はフェリシアーノ視点と全く同じ。なので、内容としてはあんまり変わり映えしない気がします。
今回の主人公のアルフレッドは、ティターニッシュでは直接関わることが出来ないキャラクターでした。勿論、直接関わることがなくても彼は必要なキャラクターです。が、私は読んだ時にふと「これはアルフレッドが一番乗り越えるのに時間かかりそうだなぁ」と思いました。
同じく直接関わることができなかったマシューは、真実の探求という、彼にしか出来ない方法で事件に決着を付けました。真実を公表することが無くとも、マシューは自分の手で自分の心に決着を付けることができる。
――じゃあアルフレッドは?となった時、今回の話がふと浮かびました。
アルフレッドは、自分が蚊帳の外のままだった事や、いつの間にか船に乗ってたアーサーの事、そしてアーサーがカッコつけて船と運命を共にした事について、山ほど文句を言いたいのでは無いかという気がします。世間一般では「最後まで立派だった紳士」という評価がされれば尚のこと。然し、死者を悪く言うわけにもいかないでしょうし、アルフレッドはそういう感情を仕舞い込むしか無いのではないかなと。
そうして自分の感情を風化させようとしたアルフレッドの心の扉を、一枚の絵がこじ開ける。そして、彼自身の物語のプロローグとなっていく
……みたいなのを目指しました。言うなれば、倉庫のない倉庫掃除といったところでしょうか。
作中で登場した詩は、ウィリアム・ブレイクの詩です。ちなみに、「一念は無限を満たす」も地獄の格言からの引用です。
とある漫画の影響でチラッと触れたことがあるのですが、イギリスの人だし画家兼詩人だし、割とアーサーが気に入りそうな気がしたので今回ガンガン取り入れてみました。自分なりの和訳になってる部分もあるのでちょっとおかしいところがあったらすみません。
本当はその漫画で触れられていた、墓碑文にあるらしい「私が埋められたのは 水路のほとり だから友人たちは 思う存分 泣けるだろう」という文章をもじって入れてみたかったのですが、ちょっと資料を探しきれなかったのでなんとも中途半端になりました。ブレイクの詩はややこしかったり難しかったりオカルト寄りだったりしますが読んでみると割と面白いです。
「お楽しみはこれからだ!」の映画についても、ツイッターで触れた通りうろ覚え知識で書いてるのでもしかしたら間違ってるかもしれません。時代考証甘いですが、まあ史実と違っててもこれはパラレルワールドのネタだとか、どっかの宇宙人の陰謀で歴史が改竄されたとか、はたまたカジキマグロが真の歴史を食べちゃっただとか、都合よく解釈してくださると助かります。
閑話休題。
とりあえず、私の中でのティターニッシュ三次創作はこれにて今の所は完結となります。
素晴らしい作品に、改めて感謝を。
N星
おまけ
没にした会話
「こら、アルフレッド。自分が悪いわけでもないのに俯くな。
――卑しく見える。」
「いやらしく?
――それってアーサーの事かい?」
「違えよ馬鹿ぁっ!!!
――いいか、アルフレッド。顔を上げて、まっすぐに前を見るんだ。」
さすがに眉毛が不憫すぎたのでこの文章は最初の方カットしておきました。私が書く眉毛は本当扱いが安定して残念です。