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三毛田
2025-02-20 22:05:53
1085文字
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1000字3
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09 09. 心に閉じ込めた言葉
9日目
俺は閉じ込めたのに、君はさらけ出す
いくら俺は俺だといっても、何処かに罪悪感のようなものはあったのだろう。
「きゅ」
彼の名前を呼ぼうとして、沢山の人に囲まれている姿を見たら、そこに自分が割って入っていくのは無粋では? と考えてしまい、挙げようとした手は途中で止まる。
他者を好きになる資格などないのでは? と、喧騒から遠ざかりながら考え。
仲間としての好意であるならば、許されたいと。
「たーんこー!」
「わっ」
背中に飛びつかれ、前のめりになる。
なんとか踏ん張り、転倒することは避けられた。
「穹」
「ご、ごめん。そんなに驚くとは思わなかった」
「三月にはやるなよ」
「やらないよ。なのにやったら、潰れちゃうもん」
「分別はあるんだな。降りろ」
「やー」
まるで幼子のような声を出し、全身で俺に抱きつく。
「
……
彼女たちはいいのか」
「知り合いでも何でもないし。それに」
「それに?」
「折角丹恒と待ち合わせしてたのに、邪魔されたんだもん」
俺の頭に頬ずりしながら、不満そうな声。
「
……
」
そんなこと言われたら、己にとって都合のいいように考えてしまう。
「丹恒、このままおんぶして」
「仕方ないな」
「やった~!」
「暴れたら、振り落すからな」
「はーい」
穹の尻の下に手を添え、支える。彼も、落ちないよう俺にしがみつく。
「丹恒、力持ち」
「お前を支えるくらいなら、他愛ない」
「そっか。嬉しい」
嬉しそうな声を出し、また髪に頬ずりして。
心臓が、うるさい。ドクドクと、その音が耳にまで届く。
「なあ、丹恒」
「どうした」
「俺、好きな人がいるんだ」
「
……
そうか」
「うん。俺、その人が好きで好きでたまらないんだ」
「
……
」
ドキドキしていた心臓が、急に静かになり。それから、指先まで冷えていく。
「だから、逃がさないよ」
「ぇ」
耳元で、低い声が。
振り返ろうとしても、出来ず。
「っ」
耳飾りがついていない方を、噛まれた。
「き、穹!?」
「なのにね、この話をしたら呆れた顔で『丹恒、御愁傷様』って。賢い丹恒なら、もうわかるよな?」
「ひっ」
今度は、歯を立てた場所を舐められて。
尻を支えていた手を離しそうになったが、何とか耐える。
「丹恒、好き。俺のものになるまで逃がさないから、覚悟してて」
「ひぅ」
優しく耳を噛まれ、思わず悲鳴が。口を手で覆いたいけれど、それもかなわず。
「列車に戻る?」
「い、いや
……
」
「このまま、買い物できる?」
「それ、は
……
」
「明日とかに延期しても、俺は怒らないけど」
そう言われても上手く考えられない。
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