実家が農家だという同僚から、旬の野菜を受け取った。料理をしない人には、調理されていない大量の野菜というのは扱いにくいものらしい。他にもらう人がいないらしいから、喜んで全部もらってきてしまった。
買うと高いのに勿体無い。
家にある魚焼きグリルを使うときがやってきた。一年に数度しか使わないのは、当然洗うのが面倒くさいからだ。しかも魚を焼くものだから脂がベタベタするし、生臭い。解決法は、魚を普段の食事から排除するしかない。
と言うことで、普段は魚焼きグリルを使わないで生活している。
しかし、魚以外であれば喜んで使う。
今日焼くのは、頂き物のそら豆だ。鞘を剥かずにそのままグリルにつっこみ、皮が焦げるくらいまで焼いて、ひっくり返して中が蒸し焼きになっている。
熱々のまま皿に乗せてベランダに運ぶ。
火傷しそうになりながら皮を剥いて、塩をふりかけて食べるのが最高にうまいのだ。もちろんふりかける塩は岩塩だ。お皿の上にがりがりと削っておいて、あとはつけながら食べる。
ベランダに机と椅子を用意して、冷蔵庫ではもちろん瓶ビールを用意してある。栓を飛ばして雑に食べるのが最高なのだ。
隣に屑籠を用意して、そら豆を食べた端から焦げた皮を薄皮を捨てていく。手を汚し、そのことを気にしない状態で食べるつまみが一番美味しい。
少し塩味が強いそら豆はビールとよく合う。
今日はこれ以外の料理をしない。そら豆とビールでお腹をいっぱいにする。背徳的な食生活だ。明日休みでなければ、決してできない。
ベランダにいて風を感じていると、窓を閉め切っているときは聞こえない音が聞こえてくる。普段は閉め切っている生活の気配だ。
近くの家には赤ん坊がいるらしい。鳴き声が聞こえてくる。
今までは聞こえたことがなかったから、遠くの家にいるのだろうか。ベランダにいてもかろうじて声が聞こえるくらいだ。外にいてようやく聞こえるのだから、このマンションが防音がはっきりしているのが、よくわかる。
いい夜だった。
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