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青
2025-02-16 21:43:35
883文字
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無題
仲良し現パロおこトリ。雑魚寝。
「
……
あっつ
……
」
暑い訳だ。季節は夏場だし酒が入っているし、狭い部屋のクーラーはタイマーで消えている。おまけに両側を人間に挟まれている。それも自分より体格のいい男どもに。三人で見に行った映画が思ったより面白かった。コンビニに寄ってそのまま同じ部屋になだれ込んで、感想からくだらない日常の話までつらつら喋り続けている間に折り重なって床で寝てしまったらしい。
(
――
人んちで寝落ちしたの、生まれて初めてかも)
自分でも少し驚いている。
彼は元々あまり寝付きがいい方ではない。進学を機に育ててくれた義母の元を出て一人暮らしを始めてからは、益々酷くなった。一睡も出来ずに朝を迎える事もあり、酒を覚えてからは度々それに頼った。
だというのにまさか、知らないうちに他人と一緒に寝込んでしまうとは。
まだ明け方前、友人達は起きる気配もない。ひとりは仰向けになって実に幸せそうに寝こけている。毎日こう眠れたら人生なにか違うだろうな、と彼は思った。薄ら憎たらしいので鼻を摘んでみたが、変わらず起きなかった。健康的で実に羨ましいことである。
もうひとりは壁際で長い手足を曲げて、丸くなって窮屈そうに寝ている。それでも寝息は安らかで、結んだままの長い黒髪が乱れて額に貼り付いていた。彼はそれを手を伸ばして少し掻き分け、身を起こして暫く顔を眺めていた。
ジュースみたいな酒の酔いはすっかり覚めてしまった。でもまだ眠いな、と彼は思う。
ひとつ伸びをしてから白いシャツの背中に擦り寄ると、首筋からふわっと汗の香りがした。自分より広い背中だった。この人の香りは、何だか他の誰とも違う。
(
……
)
大人の男に背負われた経験はない。産みの母と自分を捨てた父親は顔も憶えていない。
誰かに似ている筈もない。
それでもそこにいるだけで、不思議と心が落ち着いた。悪い夢を見そうな予感が砂糖のようにほろほろ崩れて、目を閉じても奈落の底に落ちるような感覚はない。
ここにいていいんだ。言われた訳ではないけれど、そんな気がして、彼はすうっとまた深くて心地よい眠りに落ちていった。
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