三毛田
2025-02-16 17:27:49
1057文字
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05. 目と目が合う瞬間の

5日目
一瞬だけ嬉しそうに見えたその瞳

「それででね~。穹?」
 前に撮った写真を広げ、一枚一枚解説してもらっていた時だった。
 珍しく丹恒がラウンジに来たので、自然と彼へ視線が向いて。
 俺が反応しないことを不思議に思ったなのは、俺と同じ方向へと視線を向け。
「丹恒だ。ウチらがいる時間帯に、ラウンジに来るのって珍しいよね」
「そうなのか?」
「うん。丹恒って、基本的に資料室から出てこないから。列車の護衛ってことで乗ってるけど、最近はアーカイブの整理をしてる方が多いかも」
「自分の身は自分で守るようにしているから。でも、丹恒がいてくれて助かるわ。ああやって、アーカイブの整理を進んでやってくれるナナシビトって少ないから」
「姫子! どうしたの?」
「パムが、そろそろおやつの時間だから息抜きしろって部屋に来たから。ちょうどキリもいいし、糖分補給も必要だったから。きっと丹恒もそうよ」
 その言葉に、なのと二人で丹恒へ視線を向け。
「っ」
 彼と目が合った気がした。
 一瞬だけ。そうだと思ったのに。
 丹恒は、蓄音機の横からこちらへと歩んできて。
「どうかしたのか」
「丹恒も、姫子と同じようにパムに誘われたのかなって話してたんだ」
「ああ。パムに休めと言われたんだ。お前たちは何をしていたんだ」
「なのに写真を見せてもらってたんだ」
 片付け途中の写真をいくつか見せると、彼は納得したように頷いて。
「なるほど」
 それからしゃがんで、床に落ちてしまった写真を拾ってくれる。
「ほら、落ちていた」
「ありがとう」
 埃を軽く払い、箱に入れ。なのは邪魔にならないようにテーブルから退かす。
 それから、パムがラウンジにいるみんなにおやつを渡してくれて。
「穹、食べるか」
「え?」
 突然お皿を差し出されて驚いて隣の丹恒を見ると、ちょっとだけ眉が下がっている。
「まだ、口をつけていないフォークで切り分けただけだ。だが、お前が他者の食べかけは嫌だと思うのであれば、それでかまわない」
「ううん。口をつける前のフォークで切ってちょっと食べただけなんだよね?」
「そうだ」
「じゃあ、貰うよ。苦手な味だった?」
「苦手……そうだな。甘すぎるのは、苦手だ」
 俺の言葉を繰り返し、自分の中に会った感情を整理するような言い方。
「なるほど。飲み物は?」
「そっちは、お菓子が甘いからとパムが苦めのものを出してくれたから平気だ」
 そう言われ、俺は砂糖とミルクをたくさん入れないと飲めなかったなと思い返す。
 おやつを食べながらでも、ちょっと苦いもの。