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うずめび
2024-07-27 22:48:48
6043文字
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岳博
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きっとあなただけじゃない
岳博で岳さんに触れたい・触れられたい博の話です。ぬるいですがR18です。いちゃいちゃをどこまで頑張れるかをやってみました。
きっとあなただけじゃない
自身の身長よりもずっと大きいひとからベッドの上で抱きしめられている。体格さも相まって端から見ればまるで幼子がぬいぐるみを抱きしめるような様子だろうが、けれども腹にゆるりと回る手が戯れのように時折艶めいた雰囲気を纏うものだから、ドクターは背後から抱きしめるひとへ声をかけた。
「重岳
…
?」
「ああ、すまないなドクター。貴公が傍にいると思うとどうしてもな。しかし、貴公はここのところ随分と根をつめていただろう?」
腕の中から向き直り、見つめた重岳は手の雰囲気とは裏腹に労るような穏やかな笑みを浮かべている。
確かにここ最近のドクターは多忙だった。たくさんの決済書類を処理したかと思えば、はたまたラテラーノでアイスクリームマシンが暴走して街中がアイスクリームまみれになっている、との冗談のような通報を受けて鎮圧の作戦を指揮し。本当にアイスクリームまみれになっていた街から帰ったかと思えば、また書類の山に埋もれて。
それからどうにか書類を処理して、合間に別の作戦の指揮もして。ようやく目処がついて、もぎ取った休暇が今日だった。経緯を思えば根を詰めていたといえるのだろう。
「なに、熱に触れるだけが互いに傍にいる意味というわけでもない。今も貴公が腕の中で安らいでくれているのを見ればこそ、満たされる心地がするものだ」
気を遣わせてしまってすまなかったな。時期に落ち着く。そう言って優しく頭を撫でてくれる事は嬉しかったものの、触れたいと思うのはあなただけではないのにとドクターは思う。
確かに忙しかったから休みたいのは事実であるものの、ただ休みたいのであれば一人で自室に籠っている方が都合がいい。けれどそうではなく重岳の部屋に来た理由は、ただ傍にいたいという理由ばかりではなくて。小さくため息をつけばどうしたと声をかけられた。まったくこのひとは本当に。
「ドクター?」
眼前でぱちりと目を瞬かせたひとの唇へ触れるだけの口づけを落として、腹に緩く回っていた右腕に触れる。力の抜けた腕を両手で掴み、そのまま服の裾から中に入れて素肌の胸の中心を触らせた。自身でも感じる鼓動の高鳴りは通じているだろうかと思いながらドクターは口を開く。
「
―――
触れたいのは君だけじゃない」
私に触れること、求めることをためらわないで。君が触れてくれるなら、求めてくれるなら私は応えたいし、受け入れたいと思うんだよ。
言葉を伝えるとともに真っ直ぐに見つめた美しい赤い瞳が一つ瞬きをしたかと思うと、掴んでいた右腕がするりとぬけて両腕が体に回って抱き寄せられた。肩口に埋められた顔から聞こえるのは深々としたため息。
「
―――
まったく貴公には敵わんな。負担をかけまいと思っていたが、それこそが余計な気遣いであったか」
「君が私の事を労ってくれているのは嬉しいよ。けれど、それで君だけが我慢や遠慮をするのはね」
重岳からすればどうあれドクターはか弱いから致し方ないとはいえど、思いびとが求めてくれているのにどうして無下にできるだろう。それにドクターとて伝えたように重岳に触れられたかったので。宥めるようにさらりと一つ角に触れれば、顔を上げた重岳と視線が絡んだ。視線に確かに混じる熱が愛おしい。
「仕切り直しをさせてくれ。
―――
貴公に触れてもよいだろうか?」
「君になら喜んで」
そうして穏やかに笑った人に口づけられてそのままベッドの上に寝かされるかと思いきや、背中から深く抱き込まれて体に触れられた。重岳曰く、貴公が腕の中にいると満たされるというのは事実だからな、とのことだが何だかいつもと違って気恥ずかしい。
今も背後から抱き込まれたままくつろがされた服の裾から手が入り、ゆっくりと腹を撫でては胸元に指先が触れる。服が擦れる感覚とともに爪をやわく立てられてしまうから熱を逃がそうとするのに、思わず後ずさった先には重岳がいるものだからなおさらにその体温で熱くなってしまう。
「ああ、随分と熱いな」
愛らしいと耳元で囁かれて項を甘く噛まれる。予想外の刺激に声をあげれば穏やかな笑声が背後からあがった。
「っ、重岳」
「うん?どうした、ドクター」
普段は曖昧な自分の体が与えられる快感から変化していく様を見ていられなくて、後ろを振り返ろうとするのに優しくも確かに抱きとめられてしまって。
「すまないな、もう少し私のわがままに付き合ってくれないか」
―――
貴公が私を知りたいように、私も貴公のことが知りたい。常とは違う触れ方をすることを許してはくれないか。
穏やかながらもどこか切実な囁きにドクターは腕の中で顔を上げた。逆しまの視界の中で揺らめく瞳を見て小さく頷く。重岳が求めてくれるのであれば、羞恥心があれど応えてあげたい。
「構わない。ただ、後でたくさん口づけをくれたら嬉しいな」
この体勢では中々難しいからと告げれば、あい分かったと重岳が笑う。向き直ると大きな手のひらが器用に動いて上着を落とし、ゆっくりと下肢に向かう。触れるならと微かに腰を浮かせば、下着ごと全てを脱がされて素肌をさらす。服が離れる際に、熱を持ったそれから溢れたものが透明な糸を引くのを見てしまって吐息を漏らす。
期待か、羞恥か、あるいは両方か。判別もできないままに開かされた足の合間に重岳の指が触れ、分厚い手のひらに触れられてしまうものだからああ、と声が寝室に落ちていく。声を聞いてあやすように首筋に口づけが落とされて紅い跡を散らされるのが嬉しい。
「私の手で貴公に熱が与えられるのを見るのは、何度経験しても得難いものがあるな」
感慨深げな囁きとともに水音をたてて中心を擦られる。とろりと漏れるものを纏う手のひらがなんとも艶かしい。擦られる度に腰が跳ねて、足がシーツを蹴る。なにもかもが熱くて気持ちがよくて、ぽたぽたと目じりから涙が溢れた。
「はっ
…
ん、っチョンユエ、」
舌足らずに名前を呼んで、けれどもそれに応えてくれる人は背後にいるものだから、いつもの口づけは落ちてこない。それが惜しいと思いながらも、返事をするように抱きしめる腕の強さが増すことが愛おしい。何事にも泰然自若といったひとの確かな執着と思いを感じるようで。腕を手で掴めば声をかけられる。
「そろそろか、ドクター」
かけられた声に頷くとともに手が追い立てるように熱に触れる。分厚く大きな手のひらが熱を握っては聴覚を犯す水音とともに擦りあげ、鍛練で固くなった指先が先端に刺激を与えるものだから、腰が戦慄いた。合間に胸の熱に触れられてしまえばもう限界で。
「
―――
っ、つ!」
声ならぬ声とともに体を折り曲げてドクターは熱を吐き出した。乱れた息を吐いて快楽に震える体を抱きしめてくれるから、ゆるゆると力を抜いていく。合間にしゅるりと尾が頭を撫でてくれるものだから小さく笑声をたてると、緩やかに体勢を変えられて腕の中で向き直る。さっそくとでも言いたげに額に口づけを落としてくれるのが優しい。
額、目じりと過ぎて唇を重ねてくれるから待ちきれなくて自身から口を開く。目元だけで穏やかに笑われて唇を食まれるのが心地いい。
「んん
…
」
口づけの合間にベッドにそっと横たえられ、重岳が一度離れる。貴公と触れあうにはいささか邪魔だからなと、着ている道着を脱いで素肌をさらす。鍛え上げられた体は逞しくも美しくてドクターはいつも彫像のようだと思うのだが、反してその体も心も冷たい彫像などではない事を知っている。誰よりもあたたかく情深い愛しいひと。
「ドクター」
戻ってきてくれたひとの頬に手を添えてもう一度と口づけを乞う。何度でもと返される声とともに覆い被さるようにして重岳が唇を重ねる。穏やかに与えられる熱の合間を縫うように手が胸元に触れ、より下へ落ちていく。開かれた下肢の間に伸ばされた手を感じて鼓動が跳ねた。やっと、と思う心がはしたない。
「っ、重岳」
欲しいとゆするように名前を呼べば宥めるように一つ口づけをされて、ゆるゆるとそこに触れられた。合わせられる視線に頷くと前から溢した熱の名残を纏った指がゆっくりと中へ入っていく。
まだ触れられたばかりだというのに、腹の中が期待するようにうねるのを感じてしまう。だって知っている。何よりも熱いもので中を埋められる感覚を。
「ん、んっ
…
はや、く」
思い浮かべてしまえばよりその感覚が恋しくて声に出してしまう。端くれだった指とて重岳の一部を受け入れていると思えばこそ愛おしいのだけれど、何よりも深い場所を明け渡しては繋がる感覚には及ばない。声を聞いた重岳が少しばかり悩ましげに微笑む。
「私とて貴公に触れたいのはやまやまだが、それで貴公を傷つけてしまうのは本意ではないな」
だから今暫く我慢してくれと中を慣らす指を増やされる。中を確かめるように押したかと思えば、ゆるゆると抜き差しをされて、その度に腰が微かに跳ねてシーツに皺を残していく。
時折あやすように体を這う尾の感覚が熱を煽ってしまうから、すがるように抱きしめた。ひやりとした感覚が心地よくてすり寄ると、尾の先端が微かに揺れるのがどこか愛らしいものだから、そっと掴んで口づけを落とした。
「ドクター
…
あまり煽ってくれるな」
「っ、つ
…
煽っているかはわからないけれど、近くにあるとどうしても、ね?君の尾はつい触りたくなってしまう」
種族的な特徴に乏しいドクターからすれば重岳の尾は自身にはない素敵なものだったから、つい目が惹かれては手を伸ばしてしまう。戦場や鍛練で鋭く空気を裂く姿も、ドクターに会うと歓迎するようにゆらりと揺れるのも好きで。
思うがままにとつとつと伝えると深々としたため息とともに中を深く抉るように指を動かされた。焦れったいとでも言いたげに擦りあげられてくぷりと音を立てて指が抜ける。
「
―――
こうも率直に好意を伝えられては、触れずにいるのが難しいと言うものだ」
気恥ずかしげな声と表情の中に確かな情欲を見て鼓動が跳ねる。尾をゆるりと体からどかされ伺うように見つめる瞳に頷けば、添えられた熱がゆっくりと体に入ってくる。何よりも望んだものに中が招くようにうねり、締めつけてしまう。
「ぁあ
…
!やっと、きみと。んん、っ
…
」
舌足らずに名前を呼んで手を伸ばし背に抱きつく。分厚く熱い体に抱き込まれるついでに髪留めに手を伸ばして結び目を引く。糸が解けてベッドに音もなく落ちると同時に、いつもは結ばれている長い髪がはらりと流れ落ちるのが美しい。
「
…
うん?ああ、髪留めを外したのか。くすぐったくはないか?」
ドクターの体に落ちた髪を気にしてか、ゆるりと払い除けようとするものだからこのままが良いのだと首を横に振った。髪をおろした姿は美しく、それに何より。
「君がいいならこのままでいて欲しい。この方が君をずっと近くに感じる」
長い髪でできた影の中で瞳がより瞬くのも、髪に焚き染めた香の香りがいつもよりも深く感じるのも気持ちがいい。触れるだけの口づけとともに囁いた言葉を聞いて重岳の頬と耳が微かに赤く染まるのが愛おしい。拙いながら腰を微かに進めれば情事の最中にしか聞けないぐるる、と喉をならすような声がする。
「っ、全く貴公は本当に参ってしまうな」
ぐちゅりと水音を立てるとともに重岳がより深くへ熱を埋めていく。中を割り開かれるのは確かに圧迫感があって苦しいはずなのに、それよりも愛しいひとが触れてくれているという事実が気持ち良さへ塗り替える。
いつもは長めに慣らす時間は互いに欲しいと思う心で短くなり、ゆるりと体を揺すられた。指で触れられた比較的浅い所を熱が擦り、徐々に深い所へ向かうのを中で感じてしまう。前からひっきりなしに溢れるとろりとした熱が下肢を伝い、それを纏ってより水音を立てられるのが堪らない。
「は
…
っ、んん、っ」
戦慄く腰を体格をもって押さえこまれ、声をあげる口をやわらかく塞がれた。口づけの合間に見つめる瞳が熱で潤んでいて、いつもより濃い色を晒しているのを見て中がきゅうと絞まる。自分でも確かにこの優しくも寂しいひとを暖められているという事実こそが嬉しくて。
―――
僅かでも寒くないように、寂しくないようにいさせられてあげたなら。
ぐずぐずに溶けた中を熱が何度も擦りあげて、やがて奥を押し開くような動きに変わっていく。最奥に触れる事を願う動きに重岳を見つめれば、微かに眉間に皺を寄せながら乞われた。
「
―――
貴公の深くに招いてはくれないか」
無理なら構わないとそんな切実そうな顔でも気遣われてしまうから、このひとの優しさに小さく笑声をたてる。もっと欲しがりになってくれても良いのになと。
「言っただろう、君になら喜んでと」
―――
おいで、重岳。
声とともに頭を一つ撫でて足で腰を抱きよせる。自ら招く動きに合わせて重岳が体を寄せて、とうとう奥が熱を受け入れた。ぐぷりと腹の奥から音がして、中を貫かれるとともに耐えきれずに前から白く熱いものが溢れる。もっとと中が絞まって愛しいひとの熱をより感じ取ろうとしてしまう。
「っつ
…
ドクター」
熱い囁きとともに重岳が動く。ずっと痙攣する中に熱を埋めては、胸元に赤い痕を散らしていく。ピリッとした痛みの後に胸元の熱を口で愛撫し、甘く歯を立てられてしまうから思わず首を反らせば、首元を優しく噛まれてしまうのだから逃げ場がない。どこもかしこも重岳の思いと熱を刻まれて、けれどもそれを与えられていることが嬉しい。ずっとこうして君の熱を感じられたら。
そう思うのに体は既に限界が近くて。絶えず震えては小さく達しているものの、より大きな波を感じてしまう。まだと思うのに満たされ続ける快感にそれは溢れる寸前で、ドクターは重岳の背に手を回した。
「っ、もう」
限界を訴える声に頷かれて重岳がより深くへ熱を進めた。あえかな声を漏らす唇を合わせられ、腹の間で擦れていた熱を濡れた音とともに擦りあげられて背がしなり、腹の中がひときわ強く震えた。
―――
このひとの熱が欲しい。
「っ、んんっ
――――
!」
自らが達すると同時に重岳の熱も腹の中に注がれる。どくりと脈打つものの熱さに漏れるはずの媚声は重なった唇が優しく食んで飲み込んでしまう。抱き止める腕のかわりとでもいうように沿わされた尾が、傷付けないように流れていた涙を拭ってくれるのが嬉しい。
「ドクター」
穏やかに寄り添ってくれるひとがあたたかくて、ドクターは身を任せる。さらさらと尾がシーツの上を滑る穏やかな音ばかりが寝室に優しく落ちていく。
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