ぽふむん
2025-02-15 22:30:00
1678文字
Public ワンドロ
 

私の赤気

#童しの版深夜の真剣物書き60分一本勝負
「オーロラ」をお借りしました。

鬼飼いの後、薬で人に戻し、結婚……という名の監視する事になった……と言うifです

赤気というのは、オーロラの事。
日本でも気候条件が合えば赤く見えるそうでいくつか記録があります。

ヤンデレの、童磨の元カノ気取り(童磨はその気はありません)の元上弦の弐の目線です

童磨は人に戻ったから、元上弦の弐の女は行き倒れていた女の死体に憑依したから陽の下でも平気という設定です。

海が燃えている。
いや、燃えているのでは無いと言う。
あの赤い光はなんだ。

朝焼けや夕焼けでは無い。
だって今は丑三つ時なのだから。

共に居たあのお方は言った。

赤気と言うらしい。

凶兆なのだと人々は言う。
だけどそんな事、アタイたちには関係ない。

だって、アタイらは鬼なんだから。
あのお方は言った。

「強い鬼を数体作ろうと思う」

そうして、本当に数体強い鬼をお作りになった。

その中の一体は、アタイの情夫だった。
いいねぇ。
若い男

その鬼は、珍しい白橡の髪
虹のような瞳を持つ男だった。

その鬼は博識でねぇ……
こちらの国では赤く見え、極稀にしか現れない赤気は、外つ国では虹のように色んな色に変わると教えてくれた。

虹色の緞帳カーテン

この鬼の瞳のようだ
この鬼はアタイのもの。
アタイは上弦の弐という地位を利るび用し、陸のこの鬼の肉体をいいように扱った。

なかなか勃たない野郎だったけどね。

ある日、アタイはこの鬼を挑発したら返り討ちにあっちまった。
負けちまった。喰われちまった。
吸収されちまった。

いつの間に、そんな力を蓄えていたんだろうねぇ。
陸が弐を討つなんて。

悔しいが

ああ

気持ちよかったねぇ。
ズブズブとあいつの身体に吸収されるあの感覚。

たまらなかったねぇ。
アタイ達はひとつになったんだ。


あの日までは

あの日……あのちんくしゃ女の毒で、あの男の身体から追い出された。
吐き出された。

もう本体の身体は無いけれど、魂だけ……打ち捨てられた死体に取り付いてあの男を探し出してみれば


何だ、あれは


「これも似合う。これもいいな🎶んもぅ❤しのぶちゃんってば、何を着ても似合うんだからぁ❤この男たらし」

あのちんくしゃを前にして、あの、かつて鬼だった男は体をくねらせてる。
アタイが人だった時には着たこともない、綺麗な布に埋もれたあのちんくしゃ。

「絶妙に嫌な言い方はやめてください‼️私が殺したのはあなただけです」
あのちんくしゃは、たくさんの布に巻かれ、疲れ、呆れ果てているのに
「うん❤そうだよね」
完全に駄犬になりさがったあの男。
ちんくしゃをうっとりと見つめていた。
こんな腑抜けたやつじゃない。
アタイの赤気は。
こんな瞳
アタイに向けてくれたことは無い。


「ねぇ~ん、俺たちの祝言に何人呼ぶぅ」
やっと衣装を決め、家路につきながら、なおもあの男はくねくねくねくね
「何人も何も、私達の事情を知る関係者は限られてます」
そんな様子に、子どもを見守る母親のような瞳を向けるあの女。

「そうだね。俺は黒……巌勝殿、猗窩……狛治君くらいかな……
ああ、アイツらも鬼という毒を抜かれてしまったのか。

「そうですね……ああ、私は今からお墓に挨拶してきます。あなたは先に帰ってください」
「連れて言ってくれないんだ」
「当たり前です……こんなこと、御先祖様に顔向けできません」

「もう、照れ屋さん」
あの男が言うと、ちんくしゃは草履を脱ぎ、それで男の背を叩いた。

「ふふふ、美味しいご飯作って待っているね」
あの男は、そんなことされても全く気にせず手を大きく振って、ちんくしゃの背中を見送った。

アタイはあの男の背後に近づいた。
人に戻ったからか、あのちんくしゃに夢中だからか分からない。

簡単に近づけた。
耳元で囁いた。

「アタイは呼んでくれないのかい」

あの男、ギョッとしたようにこちらに振り返った。
アタイはあのちんくしゃの背中を一瞥し、ニヤリと笑う。

「八つ裂きに……その前に、どう辱めてやろうかね。あの女」

ジットリと言えば あの男がアタイを睨んだ。
「消えろよ」
あの娘に手を出したら もう一回殺す……と言わんばかりの元上弦の弐の怒気。

虹が赤気に変わる。

ああ、この瞳
たまらない。

もっとおくれ。


私には一度も向けてくれなかった、あの瞳が

赤気に変わる

怒りの色だ。

あぁこの瞳

もっと


おくれ