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tknyoko11
2025-02-14 23:50:17
2109文字
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2025 leokumiweek Day6 抵抗
バレンタインチョコをお互いに先に渡したいレオンとタクミを見守ってるカムイの話 Japanese only
カムイには軽率に二人の無自覚いちゃいちゃに巻き込まれてほしいし、巻き込まれても「仲いいな~」ぐらいで見守ってくれそう
「レオン王子! 今年こそ僕のチョコを先に受け取ってもらうからな!」
「何言ってるんだよ、今の流れはどう考えても僕が先に渡す雰囲気だったじゃないか」
「
……
二人とも、さっきからずっとそれ言ってるね?」
透魔王国の城の大広間、たくさんの贈り物に囲まれた玉座に座るカムイの目の前では、お互いにチョコを渡そうと躍起になってプレゼントの箱を押し付けあっているレオンとタクミの姿があった。二人は少し前まではそれぞれの国の近況を真面目にカムイに伝え、お互いのきょうだい達からの愛の祭りの贈り物を届ける使者の役目をきっちり果たしていたのである。それが終わってお互いに向き合った瞬間、レオンとタクミは急に自分が持ってきたチョコを先に相手に渡そうと(カムイから見て)微笑ましいやり取りを始めたのだ。話を聞いていると、これまでの愛の祭りではレオンの方が先にタクミへチョコを渡すのが通例になっていたらしい。それに何故か納得いかないタクミは今年はなんとかレオンへ先にチョコを渡そうと譲らないのだ。愛の祭りの時期、白夜暗夜のきょうだい達が集まってたくさん贈り物をしあうのはいいなぁとカムイは思っていたが、どうやらかわいい弟達の間では知らないうちに仁義なき戦い(?)が始まっていたのである。
「だって、毎年レオン王子ばかり恰好つけて! たまには僕のを先に受け取ってくれたっていいじゃないか!」
「格好つけてるわけじゃないけど、先に渡すのは譲れないよね」
お互いに相手が渡そうとするプレゼント箱を片手で押し返して抵抗し、一歩も引かない二人の姿にカムイは苦笑する。自分の大切な相手だからこそ、真っ先に贈り物を受け取ってほしいという気持ちが熱を持ちすぎてこんなことになっているのだろう。最初の険悪さからは想像できないやり取りは嬉しいものだが、このままでは日が沈んでも二人はずっとこうして膠着したままだ。そもそも愛の祭りで重要なのは贈り物を先に渡すことではないけれど、それを説明したところで今の二人には伝わらなさそうだ。
「えっと、まだ時間かかりそうなら二人からの贈り物を確認しておくね」
そう言ってカムイはまずタクミからもらった贈り物を手に取る。小さなリボンのついた箱の中には、星やネコなど様々な形をしたチョコが入っている。最初にもらった時は形がいびつなものが紛れ込んでいて謝られたこともあったが、慣れない暗夜のお菓子も一生懸命作ろうとしたタクミの努力が伝わってきて微笑ましかった。一つ取って口に入れるとほろ苦さが心地よく口の中に広がっていく。ついで、レオンの贈り物の箱を開けると中にはチョコチップクッキーが入っていた。レオンは毎年違うチョコ菓子を作ってくれて何が入っているのか楽しみにしているところがある。1枚口にすればさくさくとした食感に優しい甘さがほっこりした気持ちにさせてくれた。
「うん、どっちもすごくおいしい! 僕のでこれだから、二人がお互いにあげるのはもっとおいしいんだろうね」
レオンとタクミの関係はさすがに鈍感だと言われがちなカムイも知っている。(というより他のきょうだいの態度で察した部分もあるが)当然、自分とほかのきょうだいに渡しているチョコと、レオンとタクミがお互いに渡しあうものが全く違うものだということも。そして、それだけの気持ちを込めて作ったものなら先に渡す渡さないなんて些細なことだ。後は二人次第かなと考え、カムイが座ってにこにこと二人のことを見守っていると、顔を赤くしたレオンとタクミが少しバツが悪そうな様子で贈り物の箱を交換しはじめた。
「しかたないな
……
でも来年は僕のチョコを先に受け取ってもらうぞ!」
「それはこっちのセリフだよ。カムイ兄さんがああ言ってるから譲っただけなんだからね」
相変わらず素直じゃない言葉とは裏腹に二人はいそいそと贈り物の箱を開けていく。なんだかんだお互いからのプレゼントを楽しみにしていたのが丸わかりだ。カムイの目の前でレオンが開けた箱の中には自分と同じような小さいチョコがに加えて真っ赤なハートのチョコがたくさん入っている。わざわざレオンの分にだけハートのチョコを作るタクミの姿を想像するとかわいらしい。そして、タクミが受け取った箱の中にはマカロンと呼ばれるお菓子が入っていた。毎年違うチョコ菓子を作ってくれるレオンだが、さらにタクミには別のお菓子を作っているのだからすごいものだ。そんなことを考えているカムイの目の前でレオンとタクミはそれぞれが送りあったお菓子をもぐもぐと食べて、お互いに顔を見合わせて笑いあう。
「レオン王子のマカロンおいしい
……
普通に店で売れるよね、これ」
「タクミ王子のチョコもおいしいよ。前よりずっと腕をあげたね」
「まぁ
……
レオン王子においしいって食べてもらいたかったし。ありがとう
……
変な意地張ってごめん」
「ふふっ、僕の方こそありがとう。こっちこそ悪かったよ。来年も楽しみにしてるね」
先ほどまでのやり取りはどこへやら、すっかりほわほわした雰囲気の中で微笑みあう弟たちの姿にカムイは満足するのだった。
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