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三毛田
2025-02-14 20:56:13
1089文字
Public
1000字3
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03 03. 振り向いてと背中に念じる
3日目
君に振り向いてほしくて
こっちを向いて、俺だけを見て。
なんて、子供みたいな駄々こね。
ただ視線を向けただけで、こちらを振り返るはずなんかないのに。
そう思っていた。
「三月。穹を置いていっている」
「え? 本当だ! ごめん。気づかなかった」
なのは、慌ててこちらへ走り寄ってくる。
丹恒は、もしかしたら俺がわざと足を止めて振り返れと背中に念を送っていたことに気づいたかもしれない。
それでも、何も言わずいつでもなのを守れるようにと周囲を警戒していて。
きっと、ここまで来たらその範囲に俺も入れてくれる。ハズ。
「大丈夫? 疲れた? それともお腹すいた?」
「腹が減ったのは、なのじゃないのか?」
そう返すと、特徴的な可愛らしい瞳をキョトンと丸くして。
「そうかも」
素直に頷いて、お腹をさする。
途端、俺のお腹もぐぅと音を立てて。
なんだかおかしくて、顔を見合わせて笑い合う。
「じゃあ、そこのお店に入ろう! いい匂いがするんだ~」
「丹恒も、そこでいいか?」
「ああ」
傍に来た丹恒の手を引いて、三人で店に入る。
「いい感じにお腹いっぱいになった」
「ね~。これ、もらったんだ。みんなで食べよう」
と、なのが渡してきたのはチョコレート。
「チョコ?」
「今日はバレンタインだからね!」
「へー」
包装を開け、口の中へ。甘くて美味しい。
「丹恒?」
「穹、穹」
丹恒は食べないのかと見ていると、なのが手招き。
「丹恒は、甘いのはちょっと苦手みたいだから、そこのお店でビターのやつを買って渡してあげて」
「わかった」
教えてもらったお店に行って、店員さんに聞いて買ってくる。
「はい、丹恒」
「なんだ」
「こっちなら、甘くないって。だから、もしかしたら食べられるかなって。いらない?」
「いや
……
」
ちょっとためらいがちに、差し出したチョコを口へ持っていき。
「これなら、食べられそうだ」
口元に笑みを浮かべ、嬉しそうに。
あー、駄目だ。
好き。
「穹、お前も食べろ。お前が買ってきたんだから」
一つ手にして、俺の口へ。
「ちょっと苦いけど、美味しい」
「よかったな。そういえば、今日は感謝を伝える日か。俺も列車のみんなに買って帰ろう」
「美味しそうなの、教えてもらったから俺も行く」
「そうか。それなら、頼んだ」
箱をポケットに入れて丹恒の手を取る。
ちょっとだけ驚いてたけど、嬉しそうでもあり。
俺も新しいのを買って丹恒と交換する。
「美味しそ~! 二人ともありがとう!」
「本当ね。ありがとう」
「二人ともありがとう」
「うむ。ありがとう」
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