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ガイベル
2025-02-18 00:00:00
3493文字
Public
お話
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Birthday Prelude
同棲済☀️🌻
日付変更線を、すこし過ぎたころ
サニーは今日になった瞬間に、バジルへお祝いの言葉と軽いキスを贈った。
二人が恋人関係になり、成人もして一緒に住むようになり
……
と、少しずつ関係を深める中で、記念日や誕生日は相手のお願いを叶えたり、いつもより特別な事を計画したりする
……
日になっている。
『今年は、サニーくんに一番にお祝いされたい』
というのが、まずはじめのバジルからの希望だった。
今までも、朝起きて一番最初におめでとうと言う事が多かった気もするけれど、どうやらそういうことでもないらしい。
基本的には規則正しい就寝を守っているバジルが、今日は眠そうになりながらも『まだ起きている』と、ずっと頑なだった。日付変更を待つ間にお腹いっぱい食べたり、お酒も飲んでいるにしては、よく持ったと思う。
日が切り替わってからは、お祝いの流れでハグしたり
……
イチャイチャと軽いスキンシップを重ねて
……
でも、さすがにもう寝ないと。何故かって、夜更かしの影響で次に起きたら、せっかくの大事な一日がまるまる終わりかけていた
……
という事になりかねないから。
特別な日にまさか、これだけで終われるわけもない。
夜が明けたらバジルにはまだ秘密にしているプレゼントとか
……
サプライズとか
……
あるのだ、一応。
サニーは一瞬だけ目線をバイオリンケースに向け、すぐ何事もなかったようにグラスに残っているアルコールを飲み干した。
……
既に若干舟を漕ぎ始めているバジルと一緒に、口内をなんとかミント畑にしてから寝室にたどり着く。
サニーはバジルの額におやすみのキスをして、毛布をかけた。
「んーーー
……………
、ぼく、まだ
……
ねない
…………
おきてる
……
」
「
……
はやくねて
…………
」
バジルが眠るのをここまで渋るのは珍しい。いつもとは立場が逆転しているようだ。
僕はもう目を閉じて、気づかないフリをしようとしているけれど
……
欲と期待を孕んでいる潤んだ瞳が、近距離で僕を見つめている視線を感じる。
間を置かずに、バジルが囁く声が耳元で響いた。
「ねえ、サニーくん
……
さっきの続き
……
してくれないの?」
……
こ、この、酔っ払い
……
!!
無邪気な言動が一番タチが悪い。
サニーもこのまま素直に応えたい気持ちが頭をもたげるが、どう考えても状態がよくない。自分も彼も、結構酔いが回っているんだ。これは予測ではなく、ほとんど経験則からくる選択と言ってもいい。
「
…………
今日の夜にまた、酔ってなかったらね」
バジルと、それから自分自身をなだめるように、その背を撫でながら言葉を発する。
そう、今のバジルは酔っ払い。ご機嫌なのは良い事だけど、それで身体がついてくるかは別だ。
今の状態で、例えばもし
……
彼を激しく揺さぶってしまうようなことが起これば
……
──いや、揺する
……
とか、そういうのは
……
なんというか、明け透けな表現だけど──
それで、意図せず胃の内容物をリバースする可能性もゼロではない。酷い言い方になるがバジルか僕だけで済めばマシで、無事だった片方もそれに引っ張られてさらに部屋中を大惨事にする、という最悪な状況にするわけにはいかない。たぶん一日、お祝いどころではなくなる。今は完全に我慢の時だ。眠りにつく、あともう少しだけ。過去の夢の中のように、完璧に感情をコントロールするんだ。
……
そもそも僕たち二人は、どっちも用意周到とはとてもいえない。それはこれまでで十分すぎるほどの自覚がある。相変わらず、大なり小なりといった失敗ばかりをして、許し許され、なんとかここまでやってきている。そうしてやっと、それくらいの状況判断はできる程度になった。
……
はずだ。
だけど、バジルは尚も食い下がる。
「だって、きょう、ぼく誕生日なのに
……
」
「うん。わかってるよ」
「サニーくんのいじわる
……
」
少し悲しそうな甘えた声で、するすると脇腹や腰あたりを撫でられる。本当に煽るのをやめてほしい。僕だってバジルの為(と部屋の平穏のため)を思っているのだ。
気を抜くと簡単にバジルの言動に引っ張られそうな心を堪える。
……
そういえば
脳内設定
ヘッドスペース
でも、彼は唯一、オモリの全感情をアイテムも使わず好きに振り回せる
プレイアブル
player character
だった
……
ような気もする。考えてみればあの世界で破格の能力だ。彼への無意識な特別扱いを棚に上げ、頭の中で頭を抱えた。
当たり前だが現実ではサニーがバジルの行動をコントロールできない。
……
だから、大切にしなくちゃいけないのに。本当に、ここはなんとか、寝かしつけなくてはいけない。
「おやすみ、バジル
……
」
「
……
やだ。」
「バジル
……
」
「だって
……
」
「うん」
「ぼく、あんまり夢見られないから
……
」
「ん
……
」
「もうちょっとだけ、起きてたいんだ
……
」
「
……
そっか」
「サニーくんとこのまま、一緒にいたい
……
」
切実そうにぐりぐりと頭を胸元に擦り付けてくるバジルを好きにさせ、ゆっくりと髪を梳くように頭を撫でる。
「一緒にいるよ
……
」
「
…………
うん
……
」
「ほら
……
よしよし
……
」
いつもは彼の方が僕にしたがる、年長者のような甘やかしを返す。なんとなくバジルも、本当に先ほどの続きだとか
……
そういう事をしたい、というよりも、今、僕と起きていたい一心なのかもしれないと思った。
そんな言葉とは裏腹に、とろりとした目は今にも眠りに落ちていきそうだ。
「ね、サニーくん
……
」
「ん
……
」
「じゃあ、いうこと聞いて、もう寝るから
……
」
「
……
うん」
「
……
そうしたら今日の夜は、いっぱいしてくれるってことだよね
……
?」
……
ぼく今日、誕生日、だもんね。
と、バジルは嬉しそうに期待のこもった様子ではにかんだ。
…………………
……
もう
…………
この
……
!!!
バチン!!
いきなり頬を張った音にびっくりしたバジルの目がまんまるになる。それはサニーがバジルを思わず叩いた音
……
ではなく、"サニーが自分自身の頬を打った音"だった。びっくりさせちゃったのは、ちょっと申し訳ない。
でも危なかった。自制自制、自制だ。
ほとんど自分の気つけの為にしたようなそれは、実際に響いた音ほどには痛くない。
「ど
……
どうしたの?」
突然のことに困惑しつつも、心配そうな顔になったバジルが赤くなっているだろう僕の頬を撫でる。
……
年々、バジルが誕生日だからといってこんな風に僕にワガママを振りかざすようになってきたのは、少しめんどくさくもあるけれど、その反面、嬉しいようなむず痒さもある。
願い事や欲しいものを聞いても、"ぼくは今のままでじゅうぶんだよ"だとか、"満足してるから
……
"と、手のかからない子どもの模範解答みたいな振る舞いをしていた子どもは、いつのまにか見る影がなくなってきた。
「
……
ほとんど、バジルのせいだけど」
「
……
??」
「
……
いいよ」
「え?」
「バジルのお願い。叶えるって、約束する」
そう言って、彼の頬を食んだ。歯は立てないように唇で、柔く。
……
先程から煽られ続けた衝動の解消には少し、弱いけれど。あれ、なんていうんだっけ?キュートアグレッションとか、なんとか。
突然のそれにも、きゃあ、とか、いたいよ〜、とどこか嬉しそうにはしゃぐ声が聞こえて、もう今日は彼が楽しそうならなんでも良い、と思った。
結局またしばらくそうして二人でくっつき、じゃれあっていたから
……
特にあたためていなかったベッドの中も、もうずいぶんポカポカと暖かくなった。サニーにも徐々に睡魔の影がやってくる。
「
………
」
「さにーくん、ねちゃうの
……
?」
「ん
……
」
「ね
……
約束だよ、わすれないでね
……
」
「うん
……
」
サニーはもう一度だけ、甘やかすようにバジルに唇を重ねる。
それから彼を抱きしめる腕に力を込めると、二人は静かに眠りに落ちていった。
end
_
Good Morning to All
お読みいただきありがとうございました。
2人が眠るまでの話、未完成放置も含めて何回目だろうか(お祝い感
…
?)
夢バジルについての設定や認識は他キャラ同様に共通と思っています。
根底に『自分はバジルの感情影響を受けやすい(逆も然り)』認識がありそうなの、
えっちだな
少し切なくてかわいい
_
いつかやらかすかもと思っていた作成中の文章の全消し(復活不可能)を今回ついにやりました。ワハハ嘘だろこの実績解除
……
あるんだ、本当に
挫けるかと思った ワハハ いい加減PCを買え
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