2025-02-13 22:48:47
1032文字
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告白

ノリの軽いライシュロ。シュの事大好きなラ。(毎回そうでは……)


……すごく正直に言うと、今でもあいつは惜しいことしたよなって思う」
 直前の会話の流れは忘れたが、暖炉の火を掻きながら、何か世間話の続きのように言われた。彼としては失恋の古傷を抉られる話には違いなかったが、何故だかその時はやめろと返す気にはならなかった。
 無闇に茶化すような調子ではなかった。
「俺もきみと義兄弟になるチャンスを逃した訳だし」
「あのな……
 彼が溜息を吐くと、笑うでもなくそこへ近付いてくる。長椅子の隣に座り、真面目に言ってるんだよと目を見開いた。
……お前はどうなんだ」
「どうって?」
「妹と離れ離れになる事に、抵抗はなかったのか」
 二人は傍目から見ても仲の良い兄妹だった。考えようによっては、彼はその仲に割って入り引き裂こうとしたとも取れる。実際、彼女の友人たる魔術師は遠くへ行くなんて嫌だと抵抗を示していた。
 男はきょとんとした顔をした。なんだそんな事か、という顔だった。
「そりゃあ、寂しいだろうけど。でもあいつがそう決めたんならそれでいいと思ってたよ」
「本当にそう簡単に納得出来たのか?俺は彼女をなにも物見遊山に連れて行こうとした訳じゃない」
 一生に一度の恋だった。それは求婚そのものを断られようが、今も変わらない。鮮やかで、優しい終わりだったと彼は思う。
「分かってるよ。外国に嫁ぐって事だ。多分一筋縄じゃいかないって事も……でも、どんなに遠い所に行ったって、隣にきみがいるじゃないか。だからきっと」
……
 今度は相手が溜息を吐く。そうしてしみじみと呟いた。
「俺が代わりに行きたかったな」
……その言い方だと、お前が俺と結婚してもいいような言い草だな」
「えっ?」
 急にひっくり返ったような声がしたので、彼は少し驚いた。いま何か良くない事を言っただろうか。
 目の前で、白かった頬がかっと真っ赤に染まり、一瞬で耳から首まで同じ色になる。
「あの……えぇっと……あっそうか、そうだね……
「ん?」
 何が『そうだね』なのか、彼には良く解らない。
「ごめん、そんなつもりじゃ……いや全然そんなつもりではあるんだけど……こんな流れで言う筈じゃなかったっていうか……
「何を」
「わー!ごめん!!ちょっ、ちょっと外で頭冷やしてくる!!」
 叫ぶなり、相手は突然弾かれたように立ち上がったかと思うと、本当に外へ飛び出していってしまった。
 彼はひとり室内に取り残され、何なんだ、と首を捻るばかりだった。