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tknyoko11
2025-02-12 23:56:44
2226文字
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2025 leokumiweek Day4 デートスポット
久々に白夜へ来たレオンと出かけられるのが嬉しいタクミの話 Japanese only
レオンは当然実質デートのつもりだと思ってます。
「レオン王子、寒くはない?」
「うん、平気だよ。この着物用コートのおかげかな」
隣を歩くレオンの言葉にほっとしつつ、タクミはちらっとレオンの方へ視線を向ける。今日二人で出かけるためにタクミが見繕ったお揃いの着物と長羽織。それはよくレオンに似合っていてなんだかちょっと誇らしかった。最近は双方の国も復興のために忙しいので、こうして他愛もない話をしながら城下町を並んで歩けるのは久しぶりで、自然と心が弾んでいく。会えなかった間のことを色々話したくてついつい前方への注意が散漫になり、気付いたらタクミはほかよりこんもり積もった雪の中に足を取られていた。
「わわっ!」
そのまま雪に向かって倒れこみそうになったタクミの腕をレオンの手がぐっと掴む。そのまま身体を引き起こしてくれたレオンは心配そうにタクミを見つめていた。
「タクミ王子大丈夫? というか、いつもはあんな転び方しないよね」
「あはは
……
その、今日二人で出かけるのが楽しみで
……
」
照れたようにそう言うと、レオンはちょっとだけ呆れたような表情を見せ、思わず見つめあった二人は同時に吹き出していた。
「ふふっ
……
それは流石にはしゃぎすぎじゃない?」
「だってこんなの久しぶりじゃないか!
……
レオン王子は楽しくないの?」
「もちろん楽しいよ? でもそうやってケガをしたらどうするんだい」
そんなヘマはしないとはさっきのことで言えないなとタクミは少しばかりしゅんとしてしまう。レオンはタクミのそんな姿に少しだけバツが悪そうな様子を見せ、ちょっと待っててと言って出店の一つへと足早に歩いていった。しばらくして戻ってきたレオンの手にはほかほかと湯気を立てる焼き芋があった。
「ごめん、タクミ王子は僕と出かけるのを楽しみにしてただけだよね」
「ううん、ケガしちゃったらそれこそ今日の計画が台無しだ。レオン王子は悪くないよ」
「じゃあ、これを一緒に食べたらタクミ王子のおすすめの場所に案内してくれる?」
「もちろん! ありがとう、レオン王子」
にこっと笑ってタクミはレオンの手から焼き芋を受け取ってはふはふしながら頬張った。隣で同じように焼き芋をもぐもぐと食べているレオンの姿を見ながら、レオンの落ち着いて大人びた行動ができるところは相変わらず羨ましいとタクミは思う。自分も国を支える王子として彼の良いところを見習おうと考えつつ、タクミは焼き芋の甘さをたっぷり堪能していた。
「焼き芋のこの甘さ、僕大好きだよ。身体もいい感じに温まってきたし」
「レオン王子もそう思ってくれて嬉しいよ。今から行くところも楽しんでもらえるといいな」
そう言いながらタクミはこれから向かう予定の城下町から少し先にある神社とその近くの湖のことを思い浮かべる。その神社は長寿で巨大な松の間に参道があり、この季節ならではの雪が降り積もった松の木の群れは厳かな雰囲気を誇っている。あの光景をレオンはどう感じるだろうか。また神社の帰り道からいける湖はこの寒さですっかり氷が張っている。ワカサギ釣りを楽しむ人も時々いるが、うまくいけば冬毛でもこもこの狐や兎が歩き回っていることもある。冬の時期のふわふわした動物たちをのんびり見るのも普段の忙しさから離れられて悪くないのではないかとタクミは思うのだった。
「今日って神社にもいくんだよね。せっかくだし、願掛けもしてみようかな」
「いいんじゃない? あの神社、すごく願いが叶うらしいから」
レオンの言葉にもっと国のことが落ち着いて二人で一緒にいれる時間が増えるようにお願いしてみようかなと考えるタクミを、レオンは静かに見つめてふっと笑う。
「タクミ王子は何かいい願い事を思いついたのかい?」
「まぁね。でも内緒だけどな!」
「へぇ、それどうせ僕と一緒にいろんなところに出掛けられますように、とかじゃないの」
「なっ! ち、違うって!」
いきなり自分の願い事をほぼ当てられてワタワタするタクミを見ながら、レオンは残っていた焼き芋をそっと呑み込み表情を緩めていた。
「
……
そんなに僕と一緒に出掛けるの楽しみにしてくれたんだ」
静かで、そして心に沁みこむようなレオンの優しい声音にタクミは思わずどきりとする。まっすぐこちらを見つめるレオンにこちらの感情は全て見透かされているような気さえした。
「い、いいだろ、別に!」
恥ずかしさが胸の奥からこみ上げてきてタクミはレオンから目を反らすと、ごまかすように残りの焼き芋を口に放り込んだ。くすくす笑うレオンの声を聞かないふりをしていたら、耳元からレオンが囁いてくる。
「じゃあ、今度は僕が暗夜のデートスポットを案内してあげないとね」
「んんっ!? で、デート!?」
思わずむせながらレオンの方を見ると、レオンは事もなげに肩をすくめてタクミを見つめ返してくる。
「そう、どこもとっても景色がいいんだよ。タクミもきっと満足してくれると思うんだ」
そう言って差し出してくるレオンの手を握り返しながら、タクミはものすごく身体が熱くなるのを感じていた。レオンは自分にただ景色を見てほしいだけなのか、それともデートスポットを二人で回るのが目的なのか。それが分からないけれど聞き返す度胸はなくて、タクミは雑念に負けないよう一生懸命お気に入りの神社と湖をレオンに案内するのだった。
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