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もちこ
2025-02-12 15:05:00
670文字
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ハッピーエンドが快晴とは限らないから
海から離れるしかなかったバソ。最初は平気だったものの段々と心が壊れ始めるのを感じる。
でも思い出して これはどんなお話だったのか。
土砂降りだった。水のカーテンだった。
少しだけ海の中に似ていると思った。
全然違った。
腹が立った。
段々思い出せなくなる海の匂い。
波の音。
頭の中がぐちゃぐちゃになる。
自分は絶叫したのだと思う。
でも聞こえなかった。
大雨だからじゃなくて、そうではなくて、本当に絶望して叫んだから聞こえなかったんだと思う。
「狼さんかしら?」
「...でも違ったのね」
「海に恋をした海賊さん」
「息ができないのよね」
「溺れるような恋だったのよね」
「でも気づいて」
「恋をした相手はあなたの事をどう思っていたのか」
「このお話はどんなお話なのか」
「気づいて。このお話は、」
うるさい雨の音。雷。強い風。
波の音。
荒々しい波の音。
強い雨。
雷。
これは、嵐だ。
地面が大きく揺れた。思わず手を着いた。
濡れた木の感触。
また大きく揺れた。冷たい波のしぶきが顔にかかる。
「私は、」
なんとか立ち上がる。緩んでいた頭のバンダナを結び直す。
「私は恋をしていたよ」
「ずっと」
「それだけで十分だったから」
「それなのに」
困ったように笑う。
ひどい嵐が船を襲っている。
よろよろとなんとか歩き、舵を握る。
「想っているだけで私には十分だったのに!」
あははと大きく笑う。だって、こんなことって。
思ってもいなかったんだよ。
雨、雷、揺れる船、荒々しい波。空は暗くこんなエンディングはやっぱり
「ハッピーエンドに違いないね」
少女は満足そうに頷いて本を閉じた。
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