もちこ
2025-02-12 14:53:07
805文字
Public
 

アイアイキャプテン

パバナっち。ボロボロで意識が朦朧としているバソ。

ボロボロで意識がふんわりしたバが駆け寄ってきたパとナの頭を撫でる。
バ「痛くないかい?」
パ「それは!貴方のほうが!」
バ「ふふ、元気そうだ。大丈夫だね。」
バ「お前は?どこも痛くないかい?」
ナ「...ああ」
バ「そうか。良かった。」
ふ、と優しく笑って目をゆっくり閉じていく。
バ「私は、少し眠るから、他の船員たちも無事か、見てきてくれるね?」
パ「....」
ナ「....船長は、大丈夫なのか」
バ「少し休めば大丈夫さ。」

だらりと脱力したバの腕。
虚ろな目とか細い声。最悪の事態を2人は予測した。
パ「...キャプテン、この後も貴方の指示が必要になります。ですから手放さないでください。」
バ「て、ばなす」
ナ「船長の命だ」
バ「はは、そうだなぁ。眠っては、だめ、だな」
ナ「皆が待っている。耐えてみせろ。」
パがバを担ぎあげナがエネミーをなぎ倒して行く。はやく、はやくマスターのところへ。

急ぐ2人の耳に小さな歌声が聞こえてきた。か細くも楽しげな声で。...知らない歌だった。
きっと本来は大勢で楽しく踊りながら歌う曲なのだろうなと思った。
弱る彼の力と心地の良い歌声。
どうか間に合って。守らせて欲しい。そしてその後教えて欲しい。歌の名前を。
もし良かったら、歌ってほしい。いつものよく通る声で。楽しそうに笑って。

そしてふと、バは言ったのだ。
お前たちが無事ならそれでいいと。またお前たちで船長を決めて旅を続ければいいと。そうすれば自分もきっと共に旅ができる。きっと変わらず楽しいさと。
パが痛みに耐えるように表情を歪めた。ナはパの肩に手を置き笑いかけた。
「大丈夫だ。」
パは不安げな顔のまま頷くとまた前を向く。
2人は走る。
キャプテンは彼しかいない。彼の物語はまだ終わらない。だから急げ。
...一瞬、潮風のにおいがした。...走るふたりの背を何人かの手がそっと押した気がした。