三毛田
2025-02-11 21:36:31
1111文字
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100 100. この道を二人どこまでも

100日目
進みたい。もちろん仲間とも一緒に

100 100. この道を二人どこまでも
「丹恒、好き、大好き」
「ああ。俺も好きだ」
「本当? 嘘じゃないよな?」
「なぜ疑う?」
「だって。丹恒と恋人になれたのが、夢みたいで……
「同じ気持ちでないならば、俺は恋人にならない。相手から一方的にもらうだけだと、むず痒くなる」
 手甲をしていない方の指が、俺の頬を優しく撫でる。
 ほんのりヒンヤリしていて、気持ちがいい。
 好き。
 好きが溢れそうになって、止まらない。止められない。
 だから、こうして彼に向けて口にする。
「ふふ」
「嬉しそうだな」
「そりゃあ、嬉しいよ。丹恒に触れてもらえるの、好きだから」
 頬に触れる指を上から押さえつけるように触れ、ずらす。
 そして、手のひらに頬ずり。
「穹。お前の手は熱いな」
「嫌だった?」
「嫌じゃない。俺の低温は低いから、ちょうどよくなる」
 ふふ。と、丹恒の唇から吐息のように小さく漏れる声。
「キスしたい」
 自然と言葉が零れ落ちた。
「ああ、いいぞ」
 すっと目を細めて、ゆっくり顔を近づけてきて。
 ふにっと、柔らかなものが唇に触れる。
 初めての、キス。
「キス、しちゃった」
「嬉しそうだな」
「そりゃ、嬉しいよ。丹恒とキスできたんだから」
 ふにゃふにゃと、情けない笑いしか出来なくて。
 でも、彼はそれを笑うことなく優しく見つめてくる。
「もう一回、いい?」
「ああ」
 今度は俺からキスを。
 柔らかい唇。
 ずっとずっとキスしていたいけれど、初めてのキスだからキスの合間の呼吸の仕方なんて知らなくて。
 気づいたら、二人で肩で息をしていた。
「次、は……ちゃんと、呼吸しろ」
「それ、は。こっちの……ん。台詞」
 呼吸を整えて。だけど、なんかおかしくて笑い合う。
「好き」
「ああ。俺もお前が好きだ」
 その言葉が、じんわりと胸の中に広がっていって。
 きっと、それが幸福感。
「皆に報告してもいいかな」
「報告しなくても、俺たちのことは勘づいているだろう」
「でも、ちゃんと知らせた方がいい気がするんだ」
 そう。気づかれていたとしても、きちんと報告した方がいい気がするのだ。
 そうしないと、後で大変なことになる。俺の中のよくわからないセンサーがピコピコ動いて知らせてくる。
「少々恥ずかしいな」
「わかるよ。でも」
「ああ。お前の言わんことは理解できる。その……お前の口から、頼んだ」
 恥ずかしそうだ。頬がじわじわ赤く染まっていく。
 可愛い。
「じゃあ、行こう」
「あ、ああ」
 急に緊張したのか、声と表情は強張って。
 これからも二人で歩んでいけたらいい。
 もちろん皆とも。