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のたり
2024-11-01 19:13:32
850文字
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hrsz
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雫さんの顔
私の周りには容姿への言葉が纏わりつく。
「せっかく美人なんだからちゃんとして」
「外見だけは完璧なのにね」
「やっぱり絵になるわね」
子どもの頃から言われ続けた言葉たち。
他人の視線にはもう慣れた。写真や絵のモデルになってほしいと声をかけられるのにも。嫌かと言われるとそういうわけじゃないし、もうあまり気にすることもなくなった。でも、私は美人だと思われたいわけでも絵になりたいわけでもないことを時々不意に思い出す。
「雫は、自分の顔、好きじゃない?」
「え?」
「あ、ごめん。触れられたくない話だったら
……
」
「いいえ、そんなことないわ、大丈夫よ」
ただ、少し驚いただけ。そんなこと言われたことがなかったから。
「なんとなく、褒められてもそんなに嬉しそうじゃないな、と思ってたから」
「そうね
……
。でも、自分の顔だし、好きとか嫌いじゃないと思うの」
「そっか」
遥ちゃんは同意も否定もしていないような顔でただ頷いた。
「私は雫の顔、好きだよ。よく性格は顔に出るとかっていうけど、雫を見てるとたしかに、って思うから」
「性格?」
「うん。優しそうでいつもひたむきそうで、雫は見かけ通りだなって思うよ」
「
……
そうかしら」
「少なくとも私はそう思うな」
遥ちゃんは少し照れくさそうに笑った。私もつられるように笑う。
「遥ちゃん、私のこと、買い被り過ぎよ」
「そうかな?」
「ーーでも、嬉しいわ」
「そう?」
「ええ、ありがとう」
「どういたしまして。
……
まぁお礼を言われるようなことは言ってないけど」
そうね、きっと遥ちゃんにとっては、取るに足らない話よね。
ーーでも、嬉しかったの。胸が熱くなって、遥ちゃんが癒してくれて初めて、今でも感じていた傷に気付けたから。
「ーーみのり達遅いね。雫、先にストレッチ始めちゃおうよ」
「ええ」
ストレッチマットを用意し始めた遥ちゃんの背中を見ながら、胸にそっと手をあてる。やっぱり温かい。遥ちゃんが灯した小さな光がずっとこれからも消えないような気がした。
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