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のたり
2024-10-30 18:45:31
1048文字
Public
hrsz
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さて、どうしようか
「なぁに? 遥ちゃん」
「え?」
きょとんとした遥ちゃんと目が合った。
「
……
あら? 遥ちゃん、今、私のこと呼ばなかった?」
遥ちゃんはきょとんとしたままで、「呼んでないよ」と言った。
「ごめんなさい、空耳だったみたい」
「ううん、いいよ」
そう言って遥ちゃんは優しく笑った。
『びっくりした』
「え?」
「え?」
『どうしたんだろう、雫』
今、たしかに遥ちゃんの口が動いていないのに、遥ちゃんの声が聞こえた。
「遥ちゃんって、もしかして腹話術、得意?」
「え? さすがにしたことないけど
……
?」
「そう
……
」
『腹話術なんて、いきなりどうしたんだろう』
ーーそうよね。
『もしかして雫、腹話術に興味あるのかな』
「そういうわけじゃないのよ? たしかに楽しそうだとは思うけれどーー」
「え?」
「
……
」
これってもしかして、私、遥ちゃんの心の声が聞こえてるんじゃないかしら。
「遥ちゃん、少しゲームしない?」
「ゲーム?」
「ええ」
何がいいかしら、と少し考えて、テーブルの上に出しっぱなしにしていたトランプが目に止まった。そうだわ。
「遥ちゃん、大富豪やりましょう!」
「時間もあるし、いいけど、突然だね」
「ーーほら、前にみんなでした時、遥ちゃんとっても強かったし、私も駆け引きを覚えたいなって思って」
つい早口になってしまった。変だったかしら、と思ったけれど、遥ちゃんはいつも通りの顔で「いいよ」とトランプを手にした。
「このあいだは雫に負けちゃったからね。手加減しないよ」
「ええ!」
遥ちゃんがトランプを切る。
『雫が駆け引き覚えたら、私、敵わなくなっちゃうだろうな』
「そ
……
」
そんなことないわ、と言いかけて慌てて口を閉じた。今のは遥ちゃんが口にした言葉じゃない。
「じゃあ配るね」
遥ちゃんが、私と自分の前に一枚ずつトランプを置いていく。前の時も思ったけれど、切り方も配り方もら手品師みたいで格好いい。何が違うのかしら。指先の動かし方とか?
「雫も綺麗だと思うな」
「ーーえ?」
「あ」
遥ちゃんが、しまった、という顔をして、それから苦笑いした。
「
……
もしかして、遥ちゃん
……
」
「雫もでしょ?」
ふたり、顔を見合わせて、苦笑いする。
「遥ちゃんでよかった、と言うべきかしら
……
」
「どうかな」
遥ちゃんが肩をすくめる。
『雫だから、聞かれて恥ずかしいこともあるし』
「そう?」
「うん」
『さて、どうしようかな』
『どうしたらいいかしら』
ふたりの声と心の声が重なった。
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