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のたり
2024-10-16 07:48:45
907文字
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hrsz
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モモジャン初の朝練の日
少し早めに行こうと思って向かった屋上に、雫はもう来て、ストレッチを始めていた。
私に気付いた雫が、気のせいかもしれないけれど、どこかほっとしたように笑った。
「おはよう、遥ちゃん」
「おはよう、雫」
「早いのね」
「雫もね」
「いい天気でよかったわ」
「うん」
当たり障りのない会話はすぐに途切れた。でも不思議と居心地がいい。空は高くて秋めき始めた風は気持ちいい。こんな気持ちで空を眺めたのは久しぶりかもしれない。
送ったことはないけれど、これが普通の学校生活ってものなのかな。そう思ったら少し可笑しくなった。多分、私達はこの学校で一番と言っていいほど普通とは遠い世界にいたのに。そしてこれからまたその世界に向かっていこうとしているのに。
「雫、チアデってどんなストレッチしてたの?」
「ええっと
……
、前屈とか、あとこうやって背中を
……
」
「あ、それASRUNでもやってた。どこもそんなに変わらないのかな」
「そうかもしれないわね。発声とかはどんな感じだった?」
「わりと各自でやってたな。歌う子もいたし音域チェックしてる子もいたし。チアデは?」
「私達は全員でやっていたわ。エーとかアーとか。先生が音出してくれて」
「へぇ。やってみたいな」
「音はないけれど一緒にしてみない? 遥ちゃん」
「うん、やろう」
隣に並んで、一度顔を見合わせる。ふたりで息を吸い込んで、同時に声を出した。少し雫の方が声が小さい。音量を落とそうかと思うか思わないかのうちに雫が私に合わせて声を大きくしてきた。
声が綺麗に重なる。気持ちいい。
もっとちゃんと、一緒に歌いたい。
歌い出したら、雫も歌ってくれるかな。雫の方を見たら、雫と目が合って、きっと一緒に歌ってくれる、と思った時、屋上の金属の扉が開く音がした。
その音に声出しを止めて扉の方を向く。みのりと愛莉だった。
「愛莉ちゃん!」
「早いのね、あんたたち。遅刻しちゃったかと思ったわ」
「お、おはようございますっ!!」
「おはよう、みのり」
準備をし始めるみのり達の様子をしばらく眺めてから、自然に雫と顔を見合わせた。
今度は一緒に歌いましょう。
雫がそう囁いた気がした。
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