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のたり
2024-06-11 01:36:16
1040文字
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hrsz
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甘い涙
付き合ってるけど両片想いなはるしず
遥ちゃんには他に好きな人がいるんだと思っていた。
どうして私と付き合ってくれてるのかな、なんて何度考えてみても答えは同じところにしか辿りつかない。
だから、あまり考えないようにしていた。
見ないふり、気付かないふり、聞こえなかったふり。
けれど、ある時聞いてしまった。遥ちゃんが嬉しそうに話す「お姉さん」。
ーーそっか。
遥ちゃんに、アイドルになるって希望をくれた人。そんなの、きっと敵わない。
「
……
遥ちゃんは
……
」
どうして、私と付き合ってくれてるの?
そんなの答えは簡単。遥ちゃんは優しいから。
でも欲しい答えはそうじゃない。本当は「雫が好きだから」って言って欲しくて。
なのに、どうして今更私はそんなことを聞こうとしてしまったんだろう。
「
……
雫は、別れたいの?」
「え
……
?」
「私のこと好きじゃなくなった?」
頭で考えるより先に首を振っていた。
「好きよ。遥ちゃんが好き。ずっと変わってないわ。遥ちゃんが他の誰かを好きでも、私が遥ちゃんのこと好きなのは変わらないの」
遥ちゃんの表情が曇る。どうしてかしら。少し怒っているみたい。
「
……
雫はそれでいいの?」
「
……
え?」
遥ちゃんの冷たいほどまっすぐな視線に身体が竦んだ。
「私は嫌だよ」
遥ちゃんの指が私の喉に触れる。ゆっくり耳の方へと、なぞるように動く手に、身動きが取れなくなる。
「雫が好きなのは私だけがいい」
そんなこと言われて、私はどう答えればいいの? もうとっくにそうだって何度も、ついさっきだってそう言ったのに。
「雫が強くて優しいことは知ってる。でも、私のことは独り占めしたいって言ってよ」
「
……
」
「よそ見しないで」
「
……
してないわ」
「私を誰よりも好きでいて」
「そんなの、とっくに
……
っ
……
」
涙が一筋こぼれ落ちた。一度堰を切った涙は止めどなく溢れていく。
「
……
雫も、そう思ってよ
……
!!」
遥ちゃんの頬を濡らす涙が綺麗だと思ってしまった。頬を伝って落ちていくのがもったいなく感じてしまうくらいに。
遥ちゃんの頬に手を伸ばす。遥ちゃんの目から流れ落ちる涙が私の指に触れた瞬間、ぞくりとした。
「
……
遥ちゃん
……
」
遥ちゃんに泣いてほしくない。甘えてほしい。私なんて本当は必要なくても、少しでも遥ちゃんの支えになれるならーー。いつもそう思っていたのに。
「
……
ごめんなさい
……
」
ーー今、泣いている遥ちゃんが、こんなにも嬉しい。
遥ちゃんに顔を近付ける。唇で掬った涙は少し甘かった。
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