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のたり
2023-06-17 17:25:25
1290文字
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hrsz
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アイス
ダブルソーダを半分こするしずはる。
「雫、アイス食べない?」
「え?」
真面目な顔でそう言った遥ちゃんは、手にアイスを持っていた。
「咲希がくれたんだけど
……
」
「あら、懐かしいわね。ダブルソーダだったかしら」
パッケージは透明だから、箱入りのものだろう。昔、咲希ちゃん達が遊びに来た時、縁側でみんなで食べていたのを思い出す。うまくふたつに割れなくて大騒ぎしていたわ。
「これ、棒がふたつ付いてるけど2人分なの?」
「遥ちゃん、食べたことない?」
「うん。見たことはある気がするけど
……
」
「そうなのね。別に1人で食べてもいいと思うけれど。ほら、真ん中がへこんでいるでしょう? ここでふたつに割るの」
「なるほど、割るんだ」
遥ちゃんがビニールを開けて、アイスを取り出したから、ビニールを受け取った。
ふたつの棒を握って、一度、横に開くように力を入れたけれど、遥ちゃんはすぐに止めた。
「
……
思ってたより固い
……
」
「そうね」
「引っ張るんじゃなくて山折りにする感じなのかな」
真剣な横顔が少し昔のしぃちゃんに被った。
「あ」
パキッと音を立ててアイスは割れたけれど、上手に二分割とはいかず、片方が途中で折れてもう片方にくっついていた。LとIになった形もあの日と同じだと思って、つい笑みが漏れる。
「
……
ごめん、失敗しちゃった」
「だいたいそうなるのよね」
大きいほうを差し出した遥ちゃんの逆の手から小さい方を奪うように貰う。
「私はこっちで十分」
考えてみれば、こうやって誰かと半分こにして食べるのは初めてかもしれない。あの日も私を入れると5人だったから、半分にしたもう片方は冷凍庫にしまって別の日に食べた記憶がある。
「あ、じゃあ
……
」
遥ちゃんが戸惑いがちに私の口元にアイスを差し出した。
「出っぱってるとこ、食べて」
「
……
」
「それでちょうど半分になるでしょ?」
そう言って遥ちゃんは微笑んだ。一瞬、照れ臭くて躊躇してしまった自分がむしろ後ろめたい。そうよね、遥ちゃんはそんなこと気にしていないんだから。
「ありがとう」
そう返事して、アイスに顔を近付ける。髪が前に流れてアイスに付きそうになったから、手で髪を抑えた。アイスの出っぱった部分を齧る。冷たくて甘い。どこか懐かしい味が舌の上で溶ける。顔を上げたとき、遥ちゃんと目が合ってドキッとした。遥ちゃんの目がさっきとは違って、ちょっとした艶を帯びていたから。
遥ちゃんは私の視線にハッとしたような顔をして、それから苦笑いした。
「
……
あ、どんな味だった?」
「え、あ、そ、そうね、冷たいわ、とても」
「そっか」
答えになっていないようなことを返してしまったわ、と思ったけれど、遥ちゃんは少し落ち着いたような表情で、小さく微笑んだ。そしてアイスを口にする。
「ソーダ味ってこんな感じなんだね」
「気に入った?」
「うん。雫の髪と同じ色で綺麗だし」
「
……
」
そんなことを言われて、一度落ち着いたのにまたドキドキしてしまう。
「
……
もう、狡いわ、遥ちゃん
……
」
「え」
本気でわかっていないようで、なんで? なんて、遥ちゃんは少し焦ったような顔をした。
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