のたり
2023-04-03 07:53:58
767文字
Public hrsz
 

魔法学校パロしずはる

出会い編

座学も実習も生活態度も我ながら悪くないと思う。実際、そんなに困ったこともない。学校が始まるまでは授業についていけるか心配だったけれど、問題なくやっていけそうだ。
杖を一振りする。ふわっと蕾だった花が開く。うん、悪くない。
そろそろ寮に戻ろうかと思った時、少し向こうで何かが光るのが見えた。私以外にも誰か魔法の練習をしてるのかもしれない、そう思ったとき、ぶわっと辺り一面が光に包まれた。私も気付けばその光の中にいた。
咲き乱れた花が舞い、水飛沫が散る。
凄い。こんなの見たことない。先生より、ずっと。まるで、異世界にいきなり飛ばされたみたいだ。
見惚れていると、やがて花は散り、水飛沫は雫となってパラパラと地面と水面に落ち、光は空気に溶けるように消えていった。
元に戻った世界の中、彼女はそこに立っていた。
……
薄いグリーンの髪。切長のブルーグレーの目。
「ごめんなさい。人がいたなんて気が付かなくて」
口を開いた瞬間、雰囲気が柔らかく解けた気がした。
「すごいね、今の。あんな綺麗な魔法、私、初めて見たよ」
興奮気味にそう言った私に、彼女は苦笑いした。
「ありがとう。でも、たいしたことじゃないわ。私、たくさん練習してやっとできるようになったばかりだし」
「ううん、すごいよ。どれだけ練習したらあんなことできるように……
表情が少し曇ったように思えて、言葉を止める。
……どうかした?」
「いいえ、なんでもないわ」
彼女は胸に手を当てて、どこか切ない笑顔を見せた。
……ありがとう。そんなふうに褒められたのは初めてだわ」
謙遜しているようには見えなかった。本気でそう言ってるんだと思った。
……でも私は、本当にすごいと思うよ」
「ありがとう」
彼女はふふっと、今度は嬉しそうに笑った。
それが私と雫の出会いだった。