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のたり
2022-10-31 07:41:33
1256文字
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hrsz
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ヴァンパイア 01
はるしずパラレル
大きな屋敷に住んでいるのは、お嬢様とお手伝いさんが1人。
そのお嬢様は少女の姿のまま、100年以上生きていると言う。
***
思ったよりずっと手入れが行き届いている家だった。たしかに古いけれど、朽ち果てるどころか草もちゃんと刈られていて、『日野森』と達筆で書かれている木の表札は、磨かれて艶が出ている。
「
……
うーん
……
」
本当にこの家で合っているんだろうか。少なくとも、少女の姿のまま100年以上生きているお嬢様が住んでいるという雰囲気がない。どこか茶屋にでも寄って情報収集したほうがいいかもしれないと思った時、後ろから声をかけられた。
「もしかして妖怪退治の人ですか?」
高い声に振り返ると、明るい茶髪の女の子がいた。
「
……
妖怪退治?」
「あれ、違いました? 日野森さん家に御用なんですよね?」
「えっと、この家の方とお知り合いですか?」
「まぁ、そうですね」
慣れたふうに茶髪の子は外扉を開いた。
「愛莉ちゃーん。お魚持ってきたよ〜。あとお客さ〜ん」
魚? 手に持っていた籠には魚が入っているのか。程なくして、足音が聞こえ、玄関の扉が開いた。
「はいはーい」
家から出てきた少女と目が合う。私を見てわかりやすく表情が険しくなった。彼女が噂のお嬢様なんだろうか。けれどそれにしては茶髪の子の接し方が普通過ぎる。
「見ない顔ね。もしかして妖怪退治の人? そうだったらお帰り願いたいんだけど」
「違うみたいだよ」
答えたのは茶髪の子だった。
「あ、そう。じゃあ何?」
あからさまな警戒に心の中でため息をつく。
「一応、肩書きはヴァンパイアハンター」
「ヴァンパイアぁ?」
「それってたしか人の生き血を吸う妖怪じゃなかった?」
「やっぱり妖怪退治じゃない!」
「退治しにきたわけじゃないよ」
「じゃあ何よ」
きゃんきゃんよく吠える。番犬みたいだ。眉間に皺が寄りかけた時、玄関の奥にもうひとつ人影が見えた。
「愛莉ちゃん?」
静かだけれど、存在感のある声だ。
「お客様?」
「多分違うわ」
「ヴァンパイアハンターさんだよ!」
「まぁ」
顔が影になって見えない。けれど、きっと彼女だと思った。100年以上生きていると噂されているのは。
「とりあえずあがって貰ったらどうかしら」
「とりあえずって、あんた
……
」
「ヴァンパイアハンターさんなんて初めてだもの。お話聞きたいわ。みのりちゃんもあがっていって。頂いたお茶菓子があるの」
みのりと呼ばれた子が嬉しそうに家に入っていくのを見て、愛莉と呼ばれていた子は諦めたようにため息をついた。
「言っとくけど、この家のお嬢様が100年以上生きてるっていうのは嘘よ」
「嘘?」
「この家のお嬢様は亡くなったお祖母様と瓜二つなの。それで同一人物だと勘違いしちゃう人がいて噂が立ったのよ。時々いるのよね、その噂を信じて退治しに来る人。まぁこの辺の人は知ってるからいいんだけど」
「
……
そうなんだ」
そうか、嘘か。気落ちした自分を慰めるように、そうだよね、と心の中で呟いた。
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