Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
かにやけんせつ
2025-02-11 01:11:08
1409文字
Public
魔法少女特務機関 Main Story
Clear cache
魔法少女特務機関 Fragment.001
#2023/7/12
#Aoi_Cyan
「あっつー
……
」
一人の少女が、折りたたみの日傘をさしながら歩いている。今は7月、暦の上では初夏。しかしながら、実のところ今年もとうの昔──たぶん5月くらいから──夏が始まり、そして今や猛暑に襲われていた。汗と化して無慈悲に流れ行く水分と塩分を、通学用リュックに入れていたスポドリで補給
……
しようとして、そういえば先程飲みきったばかりだと気づく。運良く目の前に自販機があったので、備え付けのゴミ箱に空のペットボトルを放り込み、スマホに登録されている電子マネーを使ってキンキンに冷えたスポドリを補給する。そしてその場でペットボトルを開けると、半分くらいまで一気飲みしてしまった。また後でお金をおろしてチャージしないと、と思いつつ、少女は1秒でも早く帰宅してエアコンの効いた部屋でゆっくりするために、もう一度歩き出す。
「頭いた
……
はやく帰ろ
……
」
足取りは重く、もうすぐ18時だというのに刺すような熱を向けてくる太陽から目を背けながら歩いていると、滴る汗が顎に溜まって地面に落ち、ひび割れてガタガタのアスファルトに点々と染みを作る。これだけ足が重いのはきっと、この大都会だというのに長らく修復されていない、ひび割れをとりあえずコンクリートで埋めて誤魔化しただけの、ガタガタでボロボロの道のせいもあるだろう。とはいえ今歩いている路地よりは表の大通りの方が優先なのは当然か、と思っていると、また重たい感じの頭痛が強くなる。
「
……
いっかい休も
……
」
流石にこれ以上歩いたら熱中症でぶっ倒れかねない。そう思って少女はビルとビルの間の細い路地裏に入る。いくら高温多湿の外とはいえども、日陰なら多少は涼しいはずだ。そこで休めば多少は帰る気力も復活するだろうか──そう思って壁に背中をつけようとしたとき、ふと耳に、どさ、という音が入ってくる。
「
……
?」
その音に興味を惹かれ、暑さにやられていることも忘れて路地裏の奥へと入っていく。外は明るいとはいえ、もう夕方から夜へと移り変わりつつある時間。ひとたび路地裏の角を曲がれば、陽の光が差し込まないそこはもう真っ暗であった。スマホのライトを使って足元を照らしながら進むうち、足元にピンクの毛の塊が落ちていることに気づく。
「これは、ウィッグ
……
じゃ、ない。
……
ひと、女の子
…………
?」
少しライトを横に逸らせば、その髪の毛の塊に人の身体がくっついていることが分かる。その身体、特に裸足の足裏は傷だらけで血が滲んでいた。薄い青色のワンピース型の服も同様に薄汚れている。地面に倒れ伏した彼女の、その顔は髪で隠れて窺えないが、少なくとも死んでいるわけではなさそうなこと、そしてこんなところで倒れていたらそれこそ熱中症まっしぐらだろうということだけが分かった。
「
…………
、」
「おっと」
そんな姿を見た少女が、もっとよく見ようとしゃがみ込んだ時、ふと横からすっと手が伸びる。見ると、そこにいたのは白衣姿の女性であった。その女性は女性の割には長身で、少女からすれば見上げる位置に顔がある。
「急にすまないね。大丈夫かい?」
白衣姿の女性は少女の顔を覗き込んで、そう問いかける。少女はつけたままのスマホのライトをふらふらと揺らして、やがてそれを倒れている誰かの頭のあたりに向けると、ひとこと答えた。
「それは
……
この子に、言うべきことでは?」
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内