ながみね
2025-02-11 00:53:19
3005文字
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defenders:beyond 感想文

defenders:beyond ラストのネタバレしかない。
おもに自分の整理用。
解釈まちがってるかもしれないけど、AoA後の歯抜けさんについてちょっと吐き出したい。

どこにでもいけて何にでもなれたはずなのに、どうして戻ってきてしまったの

もともと「あるキャラクターにとっては最後の冒険になる」と予告されて始まったシリーズだったので、初読時は歯抜けのロキさんとお別れするんだなと覚悟して読んでました。いや嘘です、できたら違っていてほしい、お別れしたくないと祈る気持ちで読んでました。

終盤に明かされるロキの思惑。物語から永遠に離れたい。いつものお決まりの形を求める現実には戻らない。それがこの場所であれば可能だと。
ああ、そうなの?
どんなに変わろうとしても昔ながらのロキに戻ってしまう、そんな運命をなんとかしようとするロキを応援していたつもりだったのに。その解決策が、物語から逃げ出す=読者の観測範囲に戻ってこない、だと分かった途端に動揺しました。
なるほど。いやそりゃそうなんだけど。あなたにはそれをする理由も力もあるんだろうけど。

どうしていつも『皆さんおなじみ』のロキに戻されるかって?
そりゃ需要があるからでしょうよ。洒落にならないトラブルを起こしてはコラ!と叱られたり、時には共闘したり裏切ったりする憎めない悪役なロキのことが読者は好きだし、作り手側だってお話を動かす上で使い勝手がいいだろうなー!(独断と偏見)
そうです、私もロキの物語を消費している読者のひとり。
だから逃げ出すチャンスを前にして「私は自由だ!」って喜んでる姿がこう、寂しいんだけど「行かないで」とか言える立場じゃなくて罪悪感を刺激された。ごめん。

それから色々あった後、帰還メンバーそれぞれの消息確認の中での「ロキはおそらくヨトゥンヘイムを統治してるのと同じやつ」というアダム発言に(シリーズ冒頭で歯抜けさん本人が否定してたはずでは???)となり、
もしかして①他のメンバーの記憶も含めて最初から自分がいなかったよう現実を書き換えて ②ヨトゥンヘイムの王をやってる第8宇宙の現行ロキに知識やアイテムや自分の要素を引き継ぎし ③トンズラされたのかな? という飛躍した推測にいたったのでした。

正直なところ、初読当時も意味がよくわからなかったけど最推しが姿を消してしまい、悲しくて悲しくて読み直せないまま数年たってました。
AoAのエピローグで「新章開幕だ!」と現れたのに、新しい扉をくぐったらもはや時代遅れの変異体で、そのまま最後の冒険だなんてあんまりでしょうと。

でも改めて読み返してみたら、なんか思ってたのと違う。
これ、素直に読んだら歯抜けさん戻ってきてくれてますね?

途中で横槍入ってうやむやになったけれど、あの説得の流れでトンズラする方が無理がある。
ヨトゥンヘイムの現行ロキさんは、「私はかつて第7宇宙の外を見たロキ(ではあるが/と同程度に)、第8宇宙のロキだ」「すべて思い出した」みたいなこと言ってるし。
歯抜けさんだけ現実世界へ戻ってくる際に過去へ戻り、あの場所の記憶は封印したままロキとして活動して、しかるべき時になったので思い出したのかな。ややこしいわ。

自分自身をだましてたあたりの話はINFINITY WARS 6号を読めばもうちょっと分かるのかも。メモ。

つまり、後はあのロキに任せとけばいいよね〜と言ってた現行ロキは歯抜けさんにとっては未来の自分。
あの時点でバイバイしてたらそんな未来もないので、よくぞ戻ってきてくれました、というのが今のところの解釈です。

そのつもりで読み直すとあちこちにちゃんと説明があるし、こんなに丁寧に情報提示されてても見逃す時は見逃すんだな〜、読者ってば読みたいようにしか読んでない〜とか、いやまあ自分の読み落としの話はこのあたりで。
さっさと本題いきます。

どうして戻ってきてしまったの?

さっきと言ってること真逆。
でもさー! こちとらこの数年間ずっと、『あの』歯抜けさんは姿は見えなくても世界のどこかで好き勝手に生きてるかもしれないと思ってたんですよ!! だけどそんな自由を掴んだロキはいなかった! はい終了!

あと一歩踏み出すだけだったのに、もうこんなチャンスはきっと巡ってこないのに。
でも実際、クラウドのアプローチはよかったなと思います。
変わろうとしても古い自分に戻されるのが嫌というロキに対して、あくまで(変わった結果の今の)自分の責務を果たしなさいと説く。物語の神として、ディフェンダーズとして。
そう、物語の神でありストーリーテラーであるなら、物語を途中でなげだしてはいけない。
そして全てを救うために戦いなさい、って本気で?? 急にスケールが壮大になってびっくりした。

他の全てを解放した先に自らの自由がある。
アダムさん、地蔵菩薩の誓願を引き合いにしてそんな説得するんじゃない。相手は短命なモータルじゃないんだぞ? 成就するのか分からないものに、いくらでも時間と労力を注ぎ込んで諦め悪くがんばれちゃうタイプの神様だぞ?
あ、もしや引き留めのためのその場しのぎではなく、本気でできるかもと思ってらっしゃるのかな。なにそれこわい。
歯抜けさんも困難なトリックを要する課題に興味わいてます? 「楽しそう」? そう、それは良かった。
本人がそう言うならあとはもう応援するだけなんだけどなー! ああもう、みんな思考が超人的すぎる。

大いなる力には大いなる責任が伴う、的なナラティブはロキにまであてはめられてしまうのか。
本当にヒーローみたいでモヤモヤする一方で、さっすが我らが歯抜けさん、懐が深い!いいぞいいぞ!!ってペンラ振ってる自分もいる。

AoAの頃から面倒見がいいロキだなとは思ってました。歯抜けさんなら他のロキ達を救ってくれるんじゃないかとか、他の取りこぼされた可能性や顧みられない存在にも手を差し伸べてくれるんじゃないかとか、色々夢想してました。
でもまさか、まるごと全てを救おうとするとは思わなかったね!
嘘の神のロキなら鼻で笑って終了しそうな話ですよ。
だけど歯抜けさんにとっては、世界中の人々はもう自分の力を誇示して認めさせる対象ではなく、ストーリーテラーとして面倒を見る対象なんだな。
これが変化だよ。

もとの現実に戻るとしても、ただもとの自分に戻るわけじゃない。
ぐるりと回って同じ地点に戻るのではなく、螺旋を描くように一段階上昇するようなものなのかな。

新しい目標を胸に秘め、自分をキャラクターの型にはめようとする世界に戻って戦う。
そのためにあの場所の知識を持ち帰る。
「私にはストーリーテラーとしての義務がある。他に何ができるって?」
なんでもできたはずなのに、自分一人が助かる道ではなく新しい挑戦を選ぶんだな、このロキは。

正直なところ、AoAシリーズ終了後の(第8宇宙になってからの?)ロキさんは、歯抜けさん要素はあるけどコミックによって性格がだいぶ違うので別のロキとしてみてました。
なので今さら、あれ実は歯抜けさんですとか言われてもな〜とは思います。

だけど、おなじユーイング先生脚本のイモータルソーでの序盤の妹力つよすぎなロキちゃんとか、おっかないねじねじ角さんとかも“実は歯抜けさん”という前提で見ると「最高ですね」としか言えないので。この件で私には何を言う資格もないです。

推しが今日も元気に暗躍してくれて嬉しい。いえーい。以上です。