三毛田
2025-02-10 21:52:13
1109文字
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99 099. 永久に煌めく

99日目
君の色

99 099. 永久に煌めく
 強烈な紫が、強制的に別れを告げた後。
 初めて見た色は、永遠に忘れないだろう。
 その黒は、重たい印象はなく柔らかで。
 強い意志を宿した碧は、美しく。
 まるで煌めいているように感じた。
「丹恒」
「なんだ」
 淡々とした返事。でも、冷たさはない。
「ごろーん」
「こら」
 言い方のわりに、声色はちょっと優しい。
 まだ、壁があるという感じはする。でも、拒否されないからと甘えてしまう。
「丹恒の膝、思ってるより柔らか……硬くなった」
「そこは膝じゃなく、太腿だ。それから、今力を入れたからな」
 ふっと、ちょっと楽しそうな吐息。
 トントンと二回叩いてから、指先で撫でる。
 見上げると、ちょっと眉を寄せて。
「このまま膝枕して」
「仕方ないな」
 と言って、力を抜く。いい感じに柔らかくなった。
 ので、ゴロンと寝転がって丹恒を見上げ。
 頭に手が乗せられたかと思うと、そのまま動くことなく止まってしまい。
「撫でて」
 と告げると、恐る恐る動かされる。
 気持ち良くて、だんだん眠くなってきた。
 唇が何か言いたげに数度開閉し、結局何も告げられることなく閉じられ。
 丹恒、何を言いたいんだ? という問いかけは、言葉になることなく口の奥に消えて。
「は、れ?」
 起きたら、ベッドの上だった。
 ここ、どこだっけ?
 見慣れたような、見慣れないような天井。
「ああ、起きたか」
 ドアが開いて、丹恒が入ってきた。それから、パムもいて。
「おは、よう?」
「ああ、おはよう」
「おはよう」
「何でパムもいるんだ?」
「お前だけ食事を摂らずに眠っていたからな」
 腰に手を当て、俺を見上げてそう告げる。
 そう言われた瞬間、ぐうと腹が音を立てて。
 思っていたよりも、体は正直だ。
「疲れが出ていたんだろう。そっちのテーブルに運ぶから、食べろ」
「う、うん。ありがとう」
 出会ったその日よりも、幾分柔らかくなった眼差しで俺を見て。
 それから、パムが持って来てくれた食事をテーブルに並べてくれる。
「ありがとう」
「どういたしまして」
「えーと……
 席に着いてお礼を告げ、さて食べようかとフォークを手に取ったところで。
 丹恒は、俺の前に座りこちらを見ている。
「俺のことは気にするな」
「ええ~?」
 気にするなと言われても、気にしちゃうじゃん。
「い、いただきます」
「召し上がれ」
 いつの間にかパムはいなくなってるし。
 深呼吸してから、少しずつ食べていく。
 列車に乗ってから、何度かパムのご飯を食べているが、これを美味しいっていうんだろうなって思っている。