そひあおい
2025-02-09 19:16:44
651文字
Public ユヴォぱろでぃシリーズ
 

どるぱろ3

転校


 転校生だーれだ?
 おれ。
 まさかのなんかおっ金持ちそうなでっけー学校の生徒になっちゃった。普通の県立校の普通の高校生だったはずなのにちゃんと学費のことも考えて受けた志望校だったはずだがただには敵わない。え? 高校無償化? ナニソレ。未来の話?? 残念ながらこの世界にそういうのはないのでただには釣られます。しかし大丈夫なのかね? あの事務所。存続の危機とか散々言ってた気がするんだけど。こんな高そうなとこの学費払えんの?
 正直、不信感ばかりだが黙ってでっかい背中について廊下を歩く。人手不足すぎて事務仕事もスケジュール管理も引率も保護者代わりもこのひとひとりってんだからすごい。働き方改革をしろ。
 と。
「や〜ん! グウェンダル久しぶりねえ」
 校長だか学長だかの室っぽいところの扉を開けるとそこには不似合いな色っぽい声が響いた。背伸びで暫定保護者の向こうを覗き込む。わー。声の通りの色っぽい美女! 金髪に緑の目って。ここが日本か疑いたくなる。ってあれ? なんか似たようなことこの間も思ったな。
「母上」
「ははうえー?!」
 似ってねー!! あ、いやそうね?! このひとの母上ってことはあいつの母親だもんね! いやそっくりだわ。どうりで見覚えが!! そりゃそうだ!!
 思わず出た叫び声にすっかり見慣れてしまった不機嫌顔が今日も不機嫌に振り返る。
「なんだ」
……いや、あんたは父親似なの?」
 思わず訊ねると虚を突かれたように「まあ、そうだが」と心地よい響きのバリトンは言った。