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溶けかけ。
2025-02-08 22:39:01
639文字
Public
ほぼ日刊
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それは刹那の星の瞬き
終幕後、フリーナを元気づけたいヌヴィレットのお話。
ヌヴィレットには、浜辺を歩いていると必ずと言っていいほど目に入るものがある。それは、ルエトワールだ。
微細な光を放つ星はダイバーたちの目に留まりもしないのだと聞く。ヌヴィレットとしては、これほどまでに強い存在感を主張する生き物を見逃す方が無理があるといつも思っている。
「
……
」
彼は浜辺に落ちていたルエトワールを拾い上げてしげしげと眺めた。彼らはこんなに小さな体で産業堆積物を摂取し分解するという驚異の能力でフォンテーヌの海の水質保全に一役かっていた。
ふと、何かに似ている気がして、ヌヴィレットは考え込む。やがて、その答えにたどり着いて苦笑した。
エトワール
……
つまりは「星」。このフォンテーヌにおいて星を自称する者はただ一人。
ああ、そういえば、彼女はルエトワールを好んでいたな。
豪華絢爛なものを水神に相応しいと愛用していた彼女が何の衒いもなく「好き」だと公言して止まないルエトワール。今にして思えば、神として生きてきた彼女の偽らざる本心であったのかもしれない。
ヌヴィレットはルエトワールをポケットに入れようとして、その手を止めた。なぜだか、この星を持って帰っても彼女は喜ばないのではないかという予感が頭を過ったのだ。
彼は溜息をつくとルエトワールを元の場所へ戻して歩き出す。
あの洪水以降、ネジが切れたマシナリーのように動かなくなってしまった彼女にどう接して良いのかの答えを探していた。たとえ、答えなんてものがないと知っていたとしても。
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